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珈琲で一息ついていた時だった。
ポケットのスマホが震えた。
相手を確認する。
「お母さん……」
もう、またなの?
どうせまた結婚はまだかとか、そういう電話である。
便りがないのは元気な証拠だと言うし、放っておいて欲しい。
そもそも結婚が出来たらもうしてるわよ。
田辺真菜は溜息を吐いた。
真菜は今年で30になる。
今まで彼氏が居たことも、作ろうと思った事も無い。
所謂喪女だ。
結婚に憧れもないし、仕事も好きだ。
自分はこのまま一人で良いと思っている。
寂しさとかも無かった。
ただ、田舎の両親はいい加減に結婚して孫の顔でも見せてくれと言うのだ。
別に私が結婚しなくても、弟と妹が居るし、妹はまだだが、弟はもう結婚して家庭がある。
妹も私に似ずにリア充してるし、きっと頃合いになれば結婚して幸せな家庭を持つ事だろう。
結婚も孫も間に合ってるではないか。
私がしなくても問題は無い。
一人娘と言うわけでも無いのに、私の結婚はもう諦めてくれないかな。
それにしてもしつこいわね。
「田辺、お疲れ様。まだ帰らないのか?」
「あ、はい、お疲れ様です」
上司に声をかけられた。
自分より若い子で出世頭だ。
確か、28だったか。
若いのに確りしていて、年下とは思えない。
「志田さんは今帰りですか?」
「いや、俺もあと少しだ。と、言うか携帯出た方が良くないか?」
「ああ……」
バイブレーションにしているが、聞こえたらしい。
流石に真菜も気が散るので、志田に失礼して少し離れると電話に出る事にした。
「何? 私、まだ仕事中なんだけど」
『まぁ、まだ仕事してるの? 今、何時だと思ってるのよ』
お母さんの口調は不機嫌そうである。
「20時だね」
真菜は時計を見ながら答えた。
このくらいの残業は別に苦ではないのだが。
『毎日こんな時間まで残業なの?』
「毎日って訳じゃないけど…… 何の用なの? もう切っていい?」
そろそろ仕事に戻りたい。
でないと、お母さんのせいで更に帰りの時間が遅くなるけど。
『婚活パーティーに申し込んでおいたから、ちゃんと行くのよ』
溜め息混じりに言う母。
はぁ?
「何勝手な事してるの? 行かないからね」
お母さんってば、手段を選ばなくなってきたわ。
思わず職場だと言う事を忘れて声を荒らげてしまう真菜だ。
『友里恵ちゃんが迎えに行くから』
「なんで友里恵が迎えにくるのよ」
友里恵は幼馴染の親友だ。
『日曜の、15時よ。忘れないでね』
「ちょっと! お母さん!」
一方的に切られた。
今日は金曜日なんだけど。
急すぎない!?
全く意味が解らないし。
友里恵は地元の親友で、こっちに出てきてからもたまに会ったりする仲である。
でも、付き合ってる恋人が居たと思ったんだけど……
別れたんだったっけ?
よく付き合ったり別れたりしてるから、今、彼女がどんな状況なのかは良く解らない。
「大丈夫か? 君が声を荒らげるなんて珍しいな」
そうだ。近くに志田さんが居たんだった。
聞かれちゃったかな。
「あ、すみません。大した事では無いんですけど」
頭を下げる真菜。
私には大した事だった。
「お母さんも心配なんだろう。続きは明日にして、今日はもう帰れ」
「いえ、そういう訳には……」
「君の残りは俺がやっておくから」
志田は気を利かせてくれているが、自分だって忙しいだろうに。
真菜は申し訳ない。
「駄目ですよそんなの」
手を振って断る。
「君だってどうせまた他の奴に仕事押し付けられたんだろう」
「それはまぁ、そうなんですけど……」
先に歩き出した志田に、真菜は付いていく形になった。
押し付けられた仕事を押し付けてくれと言っている様なものな志田。
自分は棚上げなのかしら。
なんだが、本末転倒な事を言われている気がして真菜は苦笑してしまう。
9時過ぎ。
結局仕事は志田にも手伝って貰い、帰りは送って貰う事に。
「君も、ちゃんと断らないと駄目だぞ」
そう、注意されてションボリする真菜。
確かにそうだ。
でも、向こうも色々用事が有って残業出来ないから私に頼んでいるのであって、別に何の用事もない自分が断るのも変だと思うのだ。
とくに今日は金曜日だし。
「そとそも、時間内に終わらない仕事を振るのが良くないかと思います」
貴方の采配が悪いとちょっと嫌味を言ってしまった。
それに志田さんだって私が受けた仕事を手伝ってくれたわ。
「俺はちゃんと見合った仕事量を与えているつもりだがな、君が直ぐに甘やかすから手を抜くようになるんだ。やらなくても君がやってしまうんだからな」
「私が悪いと?」
「いや、手を抜く奴が悪いと言っているんだ」
そうは聞こえなかったけどね。
思わずムスっとしてしまう真菜だが、先に難癖をつけたのは自分である。
「ですが、若い子は色々忙しいでしょ。デートとか、飲み会とか。私は用事は無いですし」
残業も苦にならないし。
「君も用事を作ったら良い。偶には心を鬼にしろよ。変わりに仕事やってやるのが相手の為になるとも思えないがな」
「私の仕事さっき手伝ってくれたの誰でしたっけね」
我慢出来ずに、貴方も同じですけどと、言い返す真菜。
一方的に責められるのは不公平じゃないかしら。
「それとこれとは話が違うだろう。変わりにやるとの手伝うのでは全く違う。そもそもあれは君の仕事じゃなかっただろ」
「ええ、そうですね……」
確かに、肩代わりするのと、手伝うのでは全く違うか。
志田が言う事はもっともだ。
でも断るにしても何て言って断れば良いのか解らないのよね。
用事を作るったって趣味も無いし、仕事が億劫って訳でもないのだ。
適材適所だと思ってやっているだけなんだけど。
良くない事だとは思わなかった。
でも確かに、私がやってしまうと、あの子はずっと仕事が出来ないままになってしまうし、人材が育たないわよね。
志田が言う事は正しい。
「ここで良いのか?」
「あ、はい。そうです」
気付けば、自分が住んでいるアパートの前だった。
「随分と古いな。女性が一人で暮らすには少し危険じゃないか? 耐久性とか大丈夫なのか? もう少しセキュリティの確りした所でも君なら収入的にも問題ないだろ?」
築35年の木造であるが、そのつどリノベーションされているし、耐久性は問題無いはずだ。
外からでは解らないだろうが、お風呂だって自動だし、トイレだって洋式だ。
便座だってちゃんと温かい。
心配してくれるのは有り難いが、上司が人の住まいにまで口を出さないで欲しい。
余計なお世話である。
「実家が木造で畳だったからか、やっぱりこういう場所が落ち着くんですよ。お茶でも飲んで行きますか?」
車を降りる前に、志田を誘ってみる。
送って貰って「有難うございました」と言うだけで良いのか、真菜には解らなかった。
異性に家まで送って貰うというイベントが今まで発生した事が無かったからである。
女友達なら『お茶してく?』と、誘うので、その流れで言ってしまった。
「いや、独身女性の家に男が上がり込んだら不味いだろ」
「そうですか? 昨日、カレーを作り過ぎてしまって困っていたんで食べて欲しかったんですけど……」
志田の微妙な表情を見るに、非常識な事を言ってしまったらしい。
ついでに余ったカレーを食べてくれないかと期待したんだけど。
冷蔵庫に小分けにして入れてあるが、そんなに長持ちするものでもない。
捨てるのは勿体ないので、丁度良いと思ったのだが、やっぱり捨てることになりそうだ。
他にもちょいちょい作ったオカズの残りが有るから、それも食べてくれたら助かったんだけどな。
残念に思いつつ、助手席のドアを閉めようと思った時だった。
グ~と、お腹の鳴る音が聞こえた。
私じゃない。
「君がカレーなんて言うから……」
志田が顔を伏せて隠しているのが見えるが、照れているらしい。
普段、確りしていて物言いも上司らしい志田なので、本当に年下なんだろうか、サバを読んでないかと思う事が多い。
それが急に年下の可愛い男の子に見えてしまった。
真菜はクスっと笑ってしまう。
「大丈夫ですよ何もしないのでカレーだけ食べて行ってください。カレーに罪は有りません」
「いや、何もしないのは俺のセリフだろう」
「何か出来るとは思えませんので」
何となく、軽口を叩いて助手席のドアを閉める。
志田も諦めたを様子で車を降りてきた。
カレーが無駄にならないで済みそうだ。
良かった。
ポケットのスマホが震えた。
相手を確認する。
「お母さん……」
もう、またなの?
どうせまた結婚はまだかとか、そういう電話である。
便りがないのは元気な証拠だと言うし、放っておいて欲しい。
そもそも結婚が出来たらもうしてるわよ。
田辺真菜は溜息を吐いた。
真菜は今年で30になる。
今まで彼氏が居たことも、作ろうと思った事も無い。
所謂喪女だ。
結婚に憧れもないし、仕事も好きだ。
自分はこのまま一人で良いと思っている。
寂しさとかも無かった。
ただ、田舎の両親はいい加減に結婚して孫の顔でも見せてくれと言うのだ。
別に私が結婚しなくても、弟と妹が居るし、妹はまだだが、弟はもう結婚して家庭がある。
妹も私に似ずにリア充してるし、きっと頃合いになれば結婚して幸せな家庭を持つ事だろう。
結婚も孫も間に合ってるではないか。
私がしなくても問題は無い。
一人娘と言うわけでも無いのに、私の結婚はもう諦めてくれないかな。
それにしてもしつこいわね。
「田辺、お疲れ様。まだ帰らないのか?」
「あ、はい、お疲れ様です」
上司に声をかけられた。
自分より若い子で出世頭だ。
確か、28だったか。
若いのに確りしていて、年下とは思えない。
「志田さんは今帰りですか?」
「いや、俺もあと少しだ。と、言うか携帯出た方が良くないか?」
「ああ……」
バイブレーションにしているが、聞こえたらしい。
流石に真菜も気が散るので、志田に失礼して少し離れると電話に出る事にした。
「何? 私、まだ仕事中なんだけど」
『まぁ、まだ仕事してるの? 今、何時だと思ってるのよ』
お母さんの口調は不機嫌そうである。
「20時だね」
真菜は時計を見ながら答えた。
このくらいの残業は別に苦ではないのだが。
『毎日こんな時間まで残業なの?』
「毎日って訳じゃないけど…… 何の用なの? もう切っていい?」
そろそろ仕事に戻りたい。
でないと、お母さんのせいで更に帰りの時間が遅くなるけど。
『婚活パーティーに申し込んでおいたから、ちゃんと行くのよ』
溜め息混じりに言う母。
はぁ?
「何勝手な事してるの? 行かないからね」
お母さんってば、手段を選ばなくなってきたわ。
思わず職場だと言う事を忘れて声を荒らげてしまう真菜だ。
『友里恵ちゃんが迎えに行くから』
「なんで友里恵が迎えにくるのよ」
友里恵は幼馴染の親友だ。
『日曜の、15時よ。忘れないでね』
「ちょっと! お母さん!」
一方的に切られた。
今日は金曜日なんだけど。
急すぎない!?
全く意味が解らないし。
友里恵は地元の親友で、こっちに出てきてからもたまに会ったりする仲である。
でも、付き合ってる恋人が居たと思ったんだけど……
別れたんだったっけ?
よく付き合ったり別れたりしてるから、今、彼女がどんな状況なのかは良く解らない。
「大丈夫か? 君が声を荒らげるなんて珍しいな」
そうだ。近くに志田さんが居たんだった。
聞かれちゃったかな。
「あ、すみません。大した事では無いんですけど」
頭を下げる真菜。
私には大した事だった。
「お母さんも心配なんだろう。続きは明日にして、今日はもう帰れ」
「いえ、そういう訳には……」
「君の残りは俺がやっておくから」
志田は気を利かせてくれているが、自分だって忙しいだろうに。
真菜は申し訳ない。
「駄目ですよそんなの」
手を振って断る。
「君だってどうせまた他の奴に仕事押し付けられたんだろう」
「それはまぁ、そうなんですけど……」
先に歩き出した志田に、真菜は付いていく形になった。
押し付けられた仕事を押し付けてくれと言っている様なものな志田。
自分は棚上げなのかしら。
なんだが、本末転倒な事を言われている気がして真菜は苦笑してしまう。
9時過ぎ。
結局仕事は志田にも手伝って貰い、帰りは送って貰う事に。
「君も、ちゃんと断らないと駄目だぞ」
そう、注意されてションボリする真菜。
確かにそうだ。
でも、向こうも色々用事が有って残業出来ないから私に頼んでいるのであって、別に何の用事もない自分が断るのも変だと思うのだ。
とくに今日は金曜日だし。
「そとそも、時間内に終わらない仕事を振るのが良くないかと思います」
貴方の采配が悪いとちょっと嫌味を言ってしまった。
それに志田さんだって私が受けた仕事を手伝ってくれたわ。
「俺はちゃんと見合った仕事量を与えているつもりだがな、君が直ぐに甘やかすから手を抜くようになるんだ。やらなくても君がやってしまうんだからな」
「私が悪いと?」
「いや、手を抜く奴が悪いと言っているんだ」
そうは聞こえなかったけどね。
思わずムスっとしてしまう真菜だが、先に難癖をつけたのは自分である。
「ですが、若い子は色々忙しいでしょ。デートとか、飲み会とか。私は用事は無いですし」
残業も苦にならないし。
「君も用事を作ったら良い。偶には心を鬼にしろよ。変わりに仕事やってやるのが相手の為になるとも思えないがな」
「私の仕事さっき手伝ってくれたの誰でしたっけね」
我慢出来ずに、貴方も同じですけどと、言い返す真菜。
一方的に責められるのは不公平じゃないかしら。
「それとこれとは話が違うだろう。変わりにやるとの手伝うのでは全く違う。そもそもあれは君の仕事じゃなかっただろ」
「ええ、そうですね……」
確かに、肩代わりするのと、手伝うのでは全く違うか。
志田が言う事はもっともだ。
でも断るにしても何て言って断れば良いのか解らないのよね。
用事を作るったって趣味も無いし、仕事が億劫って訳でもないのだ。
適材適所だと思ってやっているだけなんだけど。
良くない事だとは思わなかった。
でも確かに、私がやってしまうと、あの子はずっと仕事が出来ないままになってしまうし、人材が育たないわよね。
志田が言う事は正しい。
「ここで良いのか?」
「あ、はい。そうです」
気付けば、自分が住んでいるアパートの前だった。
「随分と古いな。女性が一人で暮らすには少し危険じゃないか? 耐久性とか大丈夫なのか? もう少しセキュリティの確りした所でも君なら収入的にも問題ないだろ?」
築35年の木造であるが、そのつどリノベーションされているし、耐久性は問題無いはずだ。
外からでは解らないだろうが、お風呂だって自動だし、トイレだって洋式だ。
便座だってちゃんと温かい。
心配してくれるのは有り難いが、上司が人の住まいにまで口を出さないで欲しい。
余計なお世話である。
「実家が木造で畳だったからか、やっぱりこういう場所が落ち着くんですよ。お茶でも飲んで行きますか?」
車を降りる前に、志田を誘ってみる。
送って貰って「有難うございました」と言うだけで良いのか、真菜には解らなかった。
異性に家まで送って貰うというイベントが今まで発生した事が無かったからである。
女友達なら『お茶してく?』と、誘うので、その流れで言ってしまった。
「いや、独身女性の家に男が上がり込んだら不味いだろ」
「そうですか? 昨日、カレーを作り過ぎてしまって困っていたんで食べて欲しかったんですけど……」
志田の微妙な表情を見るに、非常識な事を言ってしまったらしい。
ついでに余ったカレーを食べてくれないかと期待したんだけど。
冷蔵庫に小分けにして入れてあるが、そんなに長持ちするものでもない。
捨てるのは勿体ないので、丁度良いと思ったのだが、やっぱり捨てることになりそうだ。
他にもちょいちょい作ったオカズの残りが有るから、それも食べてくれたら助かったんだけどな。
残念に思いつつ、助手席のドアを閉めようと思った時だった。
グ~と、お腹の鳴る音が聞こえた。
私じゃない。
「君がカレーなんて言うから……」
志田が顔を伏せて隠しているのが見えるが、照れているらしい。
普段、確りしていて物言いも上司らしい志田なので、本当に年下なんだろうか、サバを読んでないかと思う事が多い。
それが急に年下の可愛い男の子に見えてしまった。
真菜はクスっと笑ってしまう。
「大丈夫ですよ何もしないのでカレーだけ食べて行ってください。カレーに罪は有りません」
「いや、何もしないのは俺のセリフだろう」
「何か出来るとは思えませんので」
何となく、軽口を叩いて助手席のドアを閉める。
志田も諦めたを様子で車を降りてきた。
カレーが無駄にならないで済みそうだ。
良かった。
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