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27話
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気を失ったままの白亜を白の国まで連れてきた漆黒は、ソッと浜辺に寝かせる。
自分が城まで連れて行く訳にも行かず、こうするしか無かった。
裏柳にも会わせてあげたかったが、今は無理だ。
漆黒は心配そうな表情の朽葉を連れて裏柳の家に向うのであった。
放置された白亜であるが、近くの漁師が見つけ、直ぐに保護された。
目覚めた白亜は城のベッドの中、見慣れた光景は自室である。
僕は、どうしたんだったけ……
ボーッとする頭で思い出す。
海に投げ出されて、気づいたら無人島だった。そこで何日か暮らしていて。
そしてどうにかしてこの国に戻って来たのか。
「王? 王がお目覚めになられたぞ!」
「白亜様、よくご無事で」
「一ヶ月以上も行方不明で、もう駄目なのかと……」
ベッドの周りにいた側近達がボロボロ泣いている。
その向こうはバタバタと忙しない。
「そうか、一ヶ月以上も留守にしてしまって申し訳なかったね」
白亜は起き上がり、ニコリと笑って見せた。
「留守を御守り出来ず、申し訳ありません」
「白亜様が居なくなった途端に天変地異に襲われまして」
「もう白の国は死の国だと言われています」
家臣達の表情はもうお葬式の様である。
たった一ヶ月程居なかっただけなのに皆、ゲッソリしてしまっていた。
「酷い言われようじゃないか。何があったんだい?」
白亜は取り敢えず現状を把握しようと問いかける。
「新王様が山が邪魔だと木を伐採し、山の土で海を埋め、国土を広げようとなさったのです。海には資源がある為にそれも掘ろうと、着手した途端事故続き、急に天候は悪くなり、雪が降り、またたく間に作物は枯れ、海も荒れて実りも無くなりました。明日食べるお米にも困っております。新王様は次々に人柱をお立てなりましたが、改善するどころか酷くなる一方。もう、王を人柱に立てるしかないと国民が暴動をおこしております。新王は雲隠れしておりますが、直ぐに捕まり処刑されることでしょう」
書記の一人が説明してくれた。
「そう。解った。現状を確認しないと解らないけど、まだ山は削ってないんだね?」
「はい、海は掘削しましたし、珊瑚や魚も乱獲しました。精霊が怒るのも無理はありませんね」
「そうだね。僕が祈りを捧げるよ。伐採した分の木を植えて、珊瑚は保護しよう。乱獲してしまった分、数年間は捕獲量を下げる」
「ですが、珊瑚は国の象徴、外交にも使われますから……」
「珊瑚が育つまで何千年かかると思ってるの? 外交には他の物を使えば良い」
白亜は寝てなどいられないとベッドから出る。
「王、まだ寝ていて下さい」
「そうです、お体に障ります」
「疲れておいででしょうから」
起き上がって仕事をしそうな勢いの白亜に慌てる家臣達。
あまりの事態に話しをしてしまったが、荒れた海に投げ出され、一ヶ月も行方不明だった白亜である十分な休養が必要な筈だった。
「大丈夫。僕は元気だよ。それより国民が心配だ。勿論、弟も、保護して連れてきてくれるかな? 間違っても命を奪ったりしないでよ? それと、城の門を開けて、食べる物に困っている国民に食べ物を配って」
白亜は止める家臣達を振り切って立ち上がると、パジャマを脱ぎ捨てる。
王の着替えを見るわけにも行かず、家臣達は慌てて白亜の部屋を出て行くのであった。
取り敢えず、城の倉庫から食べ物を出来るだけ多くの国民に配りたい。
それから現状を把握しなければ。
「直ぐに町に出るよ!」
出来るだけ質素な服を選び、袖を通すと白亜は足早に部屋を出るのだった。
自分が城まで連れて行く訳にも行かず、こうするしか無かった。
裏柳にも会わせてあげたかったが、今は無理だ。
漆黒は心配そうな表情の朽葉を連れて裏柳の家に向うのであった。
放置された白亜であるが、近くの漁師が見つけ、直ぐに保護された。
目覚めた白亜は城のベッドの中、見慣れた光景は自室である。
僕は、どうしたんだったけ……
ボーッとする頭で思い出す。
海に投げ出されて、気づいたら無人島だった。そこで何日か暮らしていて。
そしてどうにかしてこの国に戻って来たのか。
「王? 王がお目覚めになられたぞ!」
「白亜様、よくご無事で」
「一ヶ月以上も行方不明で、もう駄目なのかと……」
ベッドの周りにいた側近達がボロボロ泣いている。
その向こうはバタバタと忙しない。
「そうか、一ヶ月以上も留守にしてしまって申し訳なかったね」
白亜は起き上がり、ニコリと笑って見せた。
「留守を御守り出来ず、申し訳ありません」
「白亜様が居なくなった途端に天変地異に襲われまして」
「もう白の国は死の国だと言われています」
家臣達の表情はもうお葬式の様である。
たった一ヶ月程居なかっただけなのに皆、ゲッソリしてしまっていた。
「酷い言われようじゃないか。何があったんだい?」
白亜は取り敢えず現状を把握しようと問いかける。
「新王様が山が邪魔だと木を伐採し、山の土で海を埋め、国土を広げようとなさったのです。海には資源がある為にそれも掘ろうと、着手した途端事故続き、急に天候は悪くなり、雪が降り、またたく間に作物は枯れ、海も荒れて実りも無くなりました。明日食べるお米にも困っております。新王様は次々に人柱をお立てなりましたが、改善するどころか酷くなる一方。もう、王を人柱に立てるしかないと国民が暴動をおこしております。新王は雲隠れしておりますが、直ぐに捕まり処刑されることでしょう」
書記の一人が説明してくれた。
「そう。解った。現状を確認しないと解らないけど、まだ山は削ってないんだね?」
「はい、海は掘削しましたし、珊瑚や魚も乱獲しました。精霊が怒るのも無理はありませんね」
「そうだね。僕が祈りを捧げるよ。伐採した分の木を植えて、珊瑚は保護しよう。乱獲してしまった分、数年間は捕獲量を下げる」
「ですが、珊瑚は国の象徴、外交にも使われますから……」
「珊瑚が育つまで何千年かかると思ってるの? 外交には他の物を使えば良い」
白亜は寝てなどいられないとベッドから出る。
「王、まだ寝ていて下さい」
「そうです、お体に障ります」
「疲れておいででしょうから」
起き上がって仕事をしそうな勢いの白亜に慌てる家臣達。
あまりの事態に話しをしてしまったが、荒れた海に投げ出され、一ヶ月も行方不明だった白亜である十分な休養が必要な筈だった。
「大丈夫。僕は元気だよ。それより国民が心配だ。勿論、弟も、保護して連れてきてくれるかな? 間違っても命を奪ったりしないでよ? それと、城の門を開けて、食べる物に困っている国民に食べ物を配って」
白亜は止める家臣達を振り切って立ち上がると、パジャマを脱ぎ捨てる。
王の着替えを見るわけにも行かず、家臣達は慌てて白亜の部屋を出て行くのであった。
取り敢えず、城の倉庫から食べ物を出来るだけ多くの国民に配りたい。
それから現状を把握しなければ。
「直ぐに町に出るよ!」
出来るだけ質素な服を選び、袖を通すと白亜は足早に部屋を出るのだった。
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