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25話
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「白亜だな?」
扉を開けた途端、腕を引かれ、フードを乱暴に払われた。
抵抗する余地もなく、素顔が晒されてしまう。
「だったら何?」
白亜はキッと、男を睨む。
やはり相手は漆黒と名乗る男であった。まさか自分の追っ手だったのか?
僕はここで彼によって殺されるのだろうか。
だが、それにしても殺気を全く感じない。
「直ぐに国に戻るんだ。お前が消えたせいで国は大混乱だ。お前の弟もいつ死刑になることか。それに変わりの王が選ばたとして正式な手続きも神々から愛される事も無い王がついても同じ事。お前は何人の身内を断頭台に上げるつもりだ。お前の国民だっていつ餓死にするかわからん状態だぞ」
「弟が……」
事態がそこまでひっ迫していたとは、白亜は青褪める。
「すぐに戻らなきゃ! でもどうやって……」
マーメイに頼んで白の王国まで連れて行って貰えば良いのだが、しかし朽葉はどうしたら良いのだ。
それに自分が戻ってどうにかなる問題なのだろうか。
マーメイの話では僕は神々から愛される正統な王だと言う話だが、どうにも信じられない。
しかし、このまま放っておける訳も無かった。
兎に角、駄目元でも戻って対策を練らなければ。
国民も弟の首も心配だ。
「俺が連れてってやる!」
「待って!」
手をギュッと握られ、慌てる白亜。
何となくこのまま連れて行かれる気がした。
「もう二度と戻って来れない訳じゃねぇ、お前の弟がしかっかりした王の教養やルールを知らない事に問題がある。テメェがしっかり教えて神々から許しが出ればお前は好きに出来るんだ」
「そうなの?」
「事は一刻を争ってる。話は後……」
「違う! そう言う事じゃなくて……」
焦った様子の漆黒に連れて行かれる気がして抵抗する白亜。
問題は朽葉の事である。
「………」
漆黒が何かに気づいた様に視線を白亜の後ろにやった。
白亜も何が、背中に抱きついてきた事に気づく。
「え? 産んだのか? いつの間に??」
白亜に抱きつく朽葉は白亜が襲われていると思い必死に助けようとしている様子である。
今にも泣き出しそうだ。
「違う。でも僕の子供だと言う事にする。この子一人置いて行けない!」
「解ったこの子は一旦、俺の家で面倒見る。落ち着いたら迎えに来れば良い」
「お前の様な化け物に朽葉を任せられるか!」
「失礼だな! なんだ、この仮面がこぇーのか? まぁ、仕方ねぇか……」
余所者に素顔を晒したとなれば、家臣達が黙ってないだろうが、漆黒は仕方ないと仮面を外す事にする。
裏柳曰く、白亜は弟の様な存在だと言うし、知らない関係でもない。構わないだろう。
無理やり隠していた素顔を晒させておいて、此方が晒さないとなるとフェアーじゃない気もした。
「ほら、どうだ。普通だろう?」
「はっ……」
白亜はビックリして漆黒の顔をマジマジと見てしまう。
これが彼の素顔か。
マーメイがきっと素敵な顔だと思うとか言ってたが、別に大した事は無い。
「ぼ、僕の方が素敵な顔だと思う!」
ついついそんな事を言って漆黒を睨む白亜。
漆黒は突然何なんだとキョトンとしてしまった。
「はいはい、お前の方が素敵な顔だよ。もう良いか? 朽葉だったか? お前にも触れさせてくれ」
瞬間移動するのに体の一部を掴んでないと一緒に飛べないのだ。
朽葉は警戒した表情をしていたが「朽葉、手を掴んでやって」そう白亜が言うので大人しく差し出す。
漆黒は二人の手を握ると移動しようと意識を集中させた。
「待って!!」
漆黒の集中を遮った声。
視線をやると浜辺までマーメイが来ていた。
行かせたく無いような、引き止めようとする視線で這って陸まで上がって来ようとしていた。
扉を開けた途端、腕を引かれ、フードを乱暴に払われた。
抵抗する余地もなく、素顔が晒されてしまう。
「だったら何?」
白亜はキッと、男を睨む。
やはり相手は漆黒と名乗る男であった。まさか自分の追っ手だったのか?
僕はここで彼によって殺されるのだろうか。
だが、それにしても殺気を全く感じない。
「直ぐに国に戻るんだ。お前が消えたせいで国は大混乱だ。お前の弟もいつ死刑になることか。それに変わりの王が選ばたとして正式な手続きも神々から愛される事も無い王がついても同じ事。お前は何人の身内を断頭台に上げるつもりだ。お前の国民だっていつ餓死にするかわからん状態だぞ」
「弟が……」
事態がそこまでひっ迫していたとは、白亜は青褪める。
「すぐに戻らなきゃ! でもどうやって……」
マーメイに頼んで白の王国まで連れて行って貰えば良いのだが、しかし朽葉はどうしたら良いのだ。
それに自分が戻ってどうにかなる問題なのだろうか。
マーメイの話では僕は神々から愛される正統な王だと言う話だが、どうにも信じられない。
しかし、このまま放っておける訳も無かった。
兎に角、駄目元でも戻って対策を練らなければ。
国民も弟の首も心配だ。
「俺が連れてってやる!」
「待って!」
手をギュッと握られ、慌てる白亜。
何となくこのまま連れて行かれる気がした。
「もう二度と戻って来れない訳じゃねぇ、お前の弟がしかっかりした王の教養やルールを知らない事に問題がある。テメェがしっかり教えて神々から許しが出ればお前は好きに出来るんだ」
「そうなの?」
「事は一刻を争ってる。話は後……」
「違う! そう言う事じゃなくて……」
焦った様子の漆黒に連れて行かれる気がして抵抗する白亜。
問題は朽葉の事である。
「………」
漆黒が何かに気づいた様に視線を白亜の後ろにやった。
白亜も何が、背中に抱きついてきた事に気づく。
「え? 産んだのか? いつの間に??」
白亜に抱きつく朽葉は白亜が襲われていると思い必死に助けようとしている様子である。
今にも泣き出しそうだ。
「違う。でも僕の子供だと言う事にする。この子一人置いて行けない!」
「解ったこの子は一旦、俺の家で面倒見る。落ち着いたら迎えに来れば良い」
「お前の様な化け物に朽葉を任せられるか!」
「失礼だな! なんだ、この仮面がこぇーのか? まぁ、仕方ねぇか……」
余所者に素顔を晒したとなれば、家臣達が黙ってないだろうが、漆黒は仕方ないと仮面を外す事にする。
裏柳曰く、白亜は弟の様な存在だと言うし、知らない関係でもない。構わないだろう。
無理やり隠していた素顔を晒させておいて、此方が晒さないとなるとフェアーじゃない気もした。
「ほら、どうだ。普通だろう?」
「はっ……」
白亜はビックリして漆黒の顔をマジマジと見てしまう。
これが彼の素顔か。
マーメイがきっと素敵な顔だと思うとか言ってたが、別に大した事は無い。
「ぼ、僕の方が素敵な顔だと思う!」
ついついそんな事を言って漆黒を睨む白亜。
漆黒は突然何なんだとキョトンとしてしまった。
「はいはい、お前の方が素敵な顔だよ。もう良いか? 朽葉だったか? お前にも触れさせてくれ」
瞬間移動するのに体の一部を掴んでないと一緒に飛べないのだ。
朽葉は警戒した表情をしていたが「朽葉、手を掴んでやって」そう白亜が言うので大人しく差し出す。
漆黒は二人の手を握ると移動しようと意識を集中させた。
「待って!!」
漆黒の集中を遮った声。
視線をやると浜辺までマーメイが来ていた。
行かせたく無いような、引き止めようとする視線で這って陸まで上がって来ようとしていた。
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