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2章 不老者、浮浪者になりました。

第22話 探索者生活2

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 薬草減少の報告をしてからしばらくすると、下水の魔物が原因であることがわかったらしい。今日も下水の魔物退治ばかりだが、臭いのを嫌ってか、なかなか受けられて無いようだ。
 俺がギルドに来た目的は、薬師ギルドを探すことだ。

「セルジオさん。こんにちは」
「こんにちは。今日も依頼ですか?」
「今日は、薬師ギルドの場所を聞きに来ました。探してみたんですけど、どこにも見当たらないんです」
「確かあのギルドは……。上街に移転していますね」
「うへ。上街って言うと、昇級しないと通れない所でしたよね。面倒な」

 セルジオさんの説明によると、以前は下町にあったが、数年前に移転してしまったらしい。元々上街の商店や貴族の依頼が多く、依頼受注者も上街に入れることが条件のため、移転してしまったとのこと。
 魔物駆除を勧められたが、乗り気じゃないので帰ることにした。


 その翌日、ノーリと約束の日。
 待ち合わせ場所を聞き忘れていたが、ノーリが迎えに来た。

「今日行く場所は特殊だから、初回は案内しないとまずたどり着くことはない。さぁ行こうかの」

 _______________
       |  |    ○
       |  | 孤児院
       | 大|(スラム)
       | 通|    
  下町   | り|
 (北西)  |  | 下町
  ●    |  |(北東)
 ______    ____


         上街

 _______________

 案内されたのは●辺りの場所だ。俺のいた区画もそうだが、大通りから2本奥の道に入ると、途端に複雑になっていく。スラムなんて常に増築していて、迷路状態だ。
 孤児院が広めなのは未だに不思議でしょうがない。

 目的の建物にはいって。

「ここからが面倒じゃ。まず木が描かれている看板の扉へ入る。その部屋の壁にある蔦をめくって……」

 合計5部屋通った。木と蔦→金槌と鏡→羽と毛皮→杖と盾→火と角の絵画。

「洞窟みたいなところも通るし階段も多い。一回で覚えるのは無理だな……」
「じゃろう? 儂も5回目くらいでやっとわかってきた。間違えると辿り着けない上グルグル回るようになっておる。この部屋じゃ。皆様方、連れてきたぞ」

 簡素な扉を開けると大きめの長テーブルに、4人ほど座っていた。

「いらっしゃい! 楽しみに待ってたよ!」
「ちょうど良い時間じゃが、残念。もう少し待つことになる」
「あと一人。気長なヤツが来てない」
「のんびり屋ですからね。先にもてなして楽しんでようじゃないですか」

 羽の生えた人、ドワーフ、角の生えた人、人族の順で話しかけてきた。
 1と3人目は知らない種族だ。

「どうも長命さん達。ノールって呼ばれてます。よろしく」
「俺らも挨拶。年は覚えてたら話す」

 アルゲン
 鳥人族の女性。明るい話し方でハキハキとしている。150歳だが種族というより家系が長生きと言っていた。祖母が400歳らしい。
 ダイン
 ドワーフの男性で200歳。ノーリに教えてもらった種族。この街ではドワーフ最年長。どうやらドワーフの話し方自体がジジ臭いようだ。
 サ・グ
 角人族の男性。そっけない話し方だが、気を遣ってくれる。500歳まで数えていたが、今はわからないようだ。魔法が得意な種族で、魔人族と呼ばれることもあるらしい。
 ペトラ
 人族の女性で230歳。若い時から魔術師の才能があったらしい。実力をつけて行くうちに長生きになっていたとか、見た目は30代後半くらいで、落ち着いた話し方をする。魔力量が増えると長命になる者も増える。ただし、そのレベルに到達する人はごく稀だとか。

 俺も年齢がわからないので、サグには親近感がある。人族の長命種も初めてだったので、色々話してみるが、ペトラさんとは別系統の長命っぽい。日記さえ見つかれば分かるかもしれないのに。
 とりあえず、気づいたら見た目はこのまま10何年か過ごしていることを伝えた。

「私たち人族と獣人族は、短命が多いですからね。同族の長命はとても嬉しいです」
 とペトラさんは嬉しそうにしていた。
 しばらく歓談しつつ、お土産のお茶やもてなしの料理を摘んでいると。

「みんな元気ー? 久しぶりー。新顔のドワーフと人がいる?」
 とエルフの女性が入ってきた。

「儂は何度も会っとるじゃろ! ノーリじゃ。隣のが新顔じゃ」
「どうも人族のノールです。よろしく」
「あははー。名前も似てるー。私エリンよろしく」
「こいつ変人。ハイエルフの癖に旅ばっかり」
 とサグさんが教えてくれた。ハイエルフは初めて会った。

「んんー? 君の腰の……」

 瓢箪を指している。

「ははぁ、仲間だったのか。世界樹の枝も持ってるじゃーん。見せてー」
 手を出してきた。減るもんでもないし、手渡す。

「うん。全然元気だね! 良い場所あったら植えてあげてね。あとこれは、お近づきの印に! こっちは好きな場所に植えて!」
 これって種だよな? うーん。何かみたことあるような。大きめだから何かの木だろうが。とりあえず気《き》を込めて巾着に入れる。帰ったら畑の横に植えよう。

「うんうん。その技良いよね!」

 エリンはニコニコ顔。そして俺は不思議顔。

 みんなには、日記のことを伝えておいた。紙性の本は珍しいようなので、見かけたらすぐ教えてくれるようだ。これだけでも大きな収穫だ!
 ノーリ。また来る時は案内よろしく。覚えられん!
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