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新しい都市
新モンスターはヌメる奴
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何が起きた?
HPも半分減ってるぞ!
「と、とりあえず戦闘だ!」
少しでも戦力が欲しかったので、すぐさまヤマトを起動。
2人の後ろから声をかけつつ、援護射撃をする。
「ハッチ! 一瞬気を引いてくれ!」
「おっけ! 【ダブルスロー】」
カエルがこっちを攻撃しようと、またコポコポ音を鳴らす。
避けられるようにと身構えていると、開け口から水の玉を吐き出してきた。
「みずぅぅぅ!?」
「おそらく魔法です! こっちも援護を!」
土弾を発射しつつ、ヤマトにも挑発させる。
ふとウーゴの方を見ると、倒れたカエルにトドメを刺したところだった。
「俺っちの方は終わった。そっち手伝うぞ」
「頼みます。こいつ刃が滑るんですよ」
グスタフさんの言う通り、矛の斬りつけは滑ってしまい、ダメージが通っていない。
ウーゴが参戦すると、すぐに決着が着いた。
「新武器さまさまだな!」
「まったくです。昨日の私を褒めたいくらいですよ」
スパイクメイスがドンピシャだったのか、1~2撃良いのが入ったら倒せてしまった。
傷跡も頭部にあるだけで、上手く攻撃を当てたのがわかる。
「剥ぎ取ろうかぁ」
多少のヌメリはあるけれど、内側から開けば刃は通るね。
昨日から皮ばっかり新素材が手に入ってるけど、さすがにテッケンさんの手に余るよな。
どうしようかなぁ。
「ん? ハッチ氏。そっちも喉の奥あたりに何かありませんか?」
言われた通り探ってみると、骨とは違う丸くて硬い物がある。
丁寧に取り出すと、くすんだ水色の玉が出てきた。
「ハッチ。ヤマトがソワソワしてるぞ」
ヤマトが小刻みに揺れてこっちを見ている。
いや、この玉か?
「それが欲しいんじゃないか?」
「え? でもこれ……」
ウーゴが倒したやつだよ。
「あげて良いぞ」
「良いの?」
気にしないようなので、ヤマトにあげることにした。
10cmくらいのネズミが玉を抱えながらカリカリと齧《かじ》っている。
ほっこりしながら眺めていると、アルフヘイムに来た時と同じように光り出した。
「お? また成長か?」
「成長?」
「鉱石とか宝石とかあげると大きくなるんだよ」
「機獣ってのは育て方も違うんだなー」
普通の従魔だったりは、プレイヤーと同じように熟練度で成長するらしい。機獣は連れ回さなくても良いけど、それでどんな成長するかわからないからな。
俺はなるべく起動するようにしている。
そんな話をしていると光がおさまってきた。
「今度はどのくらいになったか……」
「ネズミか?」
「これは……うさぎですか?」
うさぎほど耳は長くないけど、後ろ足は大きくなって発達している。
「わからないな」
「まだ途中なんじゃないか?」
そう言われるとそんな気もする。
とすると、さっきと同じようなのをあげたらまた成長するかな?
「ダメですよ?」
「取ったりしませんよ!」
そんなに欲しそうな顔してたのか。
気をつけなければな。
「持ち帰って教授に見てもらうんです。その後なら良いですよ」
「あ。鑑定してなかった!」
「貴重品かもしれないので、次から鑑定後にしてくださいね」
ヤマトの急な成長と良い、それなりのレア度はあるかもしれないな。
勢いでヤマトにあげちゃったけど、気をつけないと。
小休憩後に先へ進むと、広い空間に辿り着いた。
天井の数箇所が小さく開いていて、そこから光が降りている。
それよりも気になるのが見えている。
「まさか地底湖に繋がっていたんですね!」
今、魚が跳ねなかったか?
「なんて綺麗な湖なんで……ぐぇ」
「今は釣りしないでください」
「釣りしようなんて」
グスタフさんが指すところを見ると、なぜか俺の右手に釣竿が……。
「やるならウーゴ氏の分まで竿を作ってからにしてください」
ウーゴにはまだ渡してなかったんだった。
このまま始めたら申し訳ないな。
ウーゴは気にしないと言ってるけど、そもそも弱い俺が抜けただけでも戦闘がキツイ。そんな状況だったら、さすがに俺でもぬくぬくと釣りできないよ。
「近いうちに釣り竿作っちゃる」
「期待しないで待っとくよ」
そこは期待してくれよ。
周辺探索しつつ採集していると次々と新しい素材が取れる。
植物系はウーゴが詳しく色々と教えてくれた。
「こいつは気力草《きりょくそう》だな。外にも多少生えているけど、ここは群生地か。あっちはブルーハーブでちょっと良い薬草だ」
なかなか良い場所じゃないか?
戦闘回数が少なければだけど。
「こんどはイモリか!」
「スパイクが効かないぞ!」
「任せてくれ」
今度はグスタフさんの矛に助けられた。
俺の鉄玉も効かなかったので、土弾ばかり使って魔力がかなり減っている。
そのおかげか、大地魔法がLV15まで上がって土壁を覚えることができたよ。
2mくらいの高さまでカバーしてくれるから、敵がデカくなったと言ってもまだ問題ない。難点は視界が完全に遮られると言うことかな。
敵の水弾から守ってくれるくらいの守備力があることは確認している。
使い所さえ気をつければ良い壁になってくれそう。
HPも半分減ってるぞ!
「と、とりあえず戦闘だ!」
少しでも戦力が欲しかったので、すぐさまヤマトを起動。
2人の後ろから声をかけつつ、援護射撃をする。
「ハッチ! 一瞬気を引いてくれ!」
「おっけ! 【ダブルスロー】」
カエルがこっちを攻撃しようと、またコポコポ音を鳴らす。
避けられるようにと身構えていると、開け口から水の玉を吐き出してきた。
「みずぅぅぅ!?」
「おそらく魔法です! こっちも援護を!」
土弾を発射しつつ、ヤマトにも挑発させる。
ふとウーゴの方を見ると、倒れたカエルにトドメを刺したところだった。
「俺っちの方は終わった。そっち手伝うぞ」
「頼みます。こいつ刃が滑るんですよ」
グスタフさんの言う通り、矛の斬りつけは滑ってしまい、ダメージが通っていない。
ウーゴが参戦すると、すぐに決着が着いた。
「新武器さまさまだな!」
「まったくです。昨日の私を褒めたいくらいですよ」
スパイクメイスがドンピシャだったのか、1~2撃良いのが入ったら倒せてしまった。
傷跡も頭部にあるだけで、上手く攻撃を当てたのがわかる。
「剥ぎ取ろうかぁ」
多少のヌメリはあるけれど、内側から開けば刃は通るね。
昨日から皮ばっかり新素材が手に入ってるけど、さすがにテッケンさんの手に余るよな。
どうしようかなぁ。
「ん? ハッチ氏。そっちも喉の奥あたりに何かありませんか?」
言われた通り探ってみると、骨とは違う丸くて硬い物がある。
丁寧に取り出すと、くすんだ水色の玉が出てきた。
「ハッチ。ヤマトがソワソワしてるぞ」
ヤマトが小刻みに揺れてこっちを見ている。
いや、この玉か?
「それが欲しいんじゃないか?」
「え? でもこれ……」
ウーゴが倒したやつだよ。
「あげて良いぞ」
「良いの?」
気にしないようなので、ヤマトにあげることにした。
10cmくらいのネズミが玉を抱えながらカリカリと齧《かじ》っている。
ほっこりしながら眺めていると、アルフヘイムに来た時と同じように光り出した。
「お? また成長か?」
「成長?」
「鉱石とか宝石とかあげると大きくなるんだよ」
「機獣ってのは育て方も違うんだなー」
普通の従魔だったりは、プレイヤーと同じように熟練度で成長するらしい。機獣は連れ回さなくても良いけど、それでどんな成長するかわからないからな。
俺はなるべく起動するようにしている。
そんな話をしていると光がおさまってきた。
「今度はどのくらいになったか……」
「ネズミか?」
「これは……うさぎですか?」
うさぎほど耳は長くないけど、後ろ足は大きくなって発達している。
「わからないな」
「まだ途中なんじゃないか?」
そう言われるとそんな気もする。
とすると、さっきと同じようなのをあげたらまた成長するかな?
「ダメですよ?」
「取ったりしませんよ!」
そんなに欲しそうな顔してたのか。
気をつけなければな。
「持ち帰って教授に見てもらうんです。その後なら良いですよ」
「あ。鑑定してなかった!」
「貴重品かもしれないので、次から鑑定後にしてくださいね」
ヤマトの急な成長と良い、それなりのレア度はあるかもしれないな。
勢いでヤマトにあげちゃったけど、気をつけないと。
小休憩後に先へ進むと、広い空間に辿り着いた。
天井の数箇所が小さく開いていて、そこから光が降りている。
それよりも気になるのが見えている。
「まさか地底湖に繋がっていたんですね!」
今、魚が跳ねなかったか?
「なんて綺麗な湖なんで……ぐぇ」
「今は釣りしないでください」
「釣りしようなんて」
グスタフさんが指すところを見ると、なぜか俺の右手に釣竿が……。
「やるならウーゴ氏の分まで竿を作ってからにしてください」
ウーゴにはまだ渡してなかったんだった。
このまま始めたら申し訳ないな。
ウーゴは気にしないと言ってるけど、そもそも弱い俺が抜けただけでも戦闘がキツイ。そんな状況だったら、さすがに俺でもぬくぬくと釣りできないよ。
「近いうちに釣り竿作っちゃる」
「期待しないで待っとくよ」
そこは期待してくれよ。
周辺探索しつつ採集していると次々と新しい素材が取れる。
植物系はウーゴが詳しく色々と教えてくれた。
「こいつは気力草《きりょくそう》だな。外にも多少生えているけど、ここは群生地か。あっちはブルーハーブでちょっと良い薬草だ」
なかなか良い場所じゃないか?
戦闘回数が少なければだけど。
「こんどはイモリか!」
「スパイクが効かないぞ!」
「任せてくれ」
今度はグスタフさんの矛に助けられた。
俺の鉄玉も効かなかったので、土弾ばかり使って魔力がかなり減っている。
そのおかげか、大地魔法がLV15まで上がって土壁を覚えることができたよ。
2mくらいの高さまでカバーしてくれるから、敵がデカくなったと言ってもまだ問題ない。難点は視界が完全に遮られると言うことかな。
敵の水弾から守ってくれるくらいの守備力があることは確認している。
使い所さえ気をつければ良い壁になってくれそう。
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