9 / 111
何をするにも道具から
木工修練
しおりを挟む
採掘が捗《はかど》って、ノミと小刀も予備まで出来た。
「まさかクエスト報酬が【金やすり】とはな。」
試しに作れるか聞いてみたら。「もっと器用になってから出直してこい!」と言われてしまった。
何のスキルが必要か言わないが、道筋を示してくれるので、こういうところは親切なんだよね。
一度教わってない形のナイフを作ってみると、見事に失敗し、「もっと上手くならないと教えらんないな。」と言われた。
今日はアルデンさんに木工を教えてもらう日。
「よろしくお願いします!」
「うん。今日は作ってもらったナイフの柄を作る練習かな。」
事前に、ナイフを3本作ってきてくれと言われている。
【くず鉄の劣化ナイフ(2)】【くず鉄の劣化ナイフ-】
これらを取り出すと、アルデンさんが粗悪な方を持ち上げた。
「今日の報酬はこれで良いよ。」
「良い方じゃなくてですか?」
「本当は貰わないつもりだったんだけど、ドーインさんに受け取れって言われてね。」
俺としてはどっちでも良いんだが、こういう話をしていると、普通に人と会話してるように感じる。
木工はスキルすら生えてないので、まったく削れない。
そう、削れない!
小刀の握り方を教えてもらって、木に当ててみるんだけど、表面を滑ってしまう。なんとか、削れたとしても途中で引っかかったり、それが外れて指を切ったりしている。出血のデバフ時は、本当に流血していた。
鍛冶の時にも火傷をしたけど、かなりリアルだ。その時ヘルプの吹き出しで、設定からフィルターをかけられるとわかった。モンスター等の解体時もフィルターがかかるので、俺はノーセンキュー。魚捌いて食いたいんだよ。
「やっちゃったねー。ほら、薬草と包帯。これ巻いておきな。」
やり方がわからず首を傾げていると、アルゲンさんがやってくれた。
薬草を揉んで傷に当て、その上から包帯を巻くと。減っていたHPゲージが止まった。さらに十秒後に微量ずつ回復していく。
これって戦闘中無理じゃね?
傷を負いつつ、2時間がんばって出来たのがこれだ!
【木を削った物体-】
「最初はこんなものだよ。毎日削ってると、だんだん出来るようになるから、がんばってね。」
渡された片腕サイズの角材を持って帰り、シコシコ削る日々。
次アルデンさんに教えてもらうのは1週間後なので、それまでに木工スキルだけでも生やしておきたいな。
3日くらい削ってると、かなり木屑が溜まってきた。
「そいつは結構便利でな。焚き火の着火時に使えるぞ。」
今日も『親方TIPs』が出てきた。
弟子になってなかったら全然わからないよ。
今度『親方TIPs』まとめメモを書いておくかな。
アイテムの説明も無いから、知ってる人に聞くか、使って確かめるしか無い。
ヘルプにも書いてないし、ゲーム内情報ってキャラに聞くか、外部の掲示板しかないんだよな。
他のプレイヤーたちもどこかで教えて貰っているんだろう?
やっぱり掲示板かな?
掲示板とか、釣りしか見てないからわからないんだよね。
ネテラの釣り板は出来てたけど、予想通り道具はまだ売ってなかった。
魚人村にも無かったから、作れってことだよな?
次の木工授業日はマイナス無しのナイフを渡せた。
粗悪を持ってこなかっただけなんだがな!
「お!ちゃんと削れてるね。じゃあ次はノミも使ってみよう。」
墨でナイフの柄部分を書き、そこを慎重に削っていく。
ゴリゴリ削る。
やっぱり詰まる時もあるが、木に慣れたのか、小刀の時よりはマシだな。
「ふふ。これなら前回よりマシなのが出来るな。あっ。」
気の緩みからスッポ抜けたノミが木を挟んでいた足へ…。
「ぎゃああああ!あし。あし!」
「大丈夫。靴履いててよかったね。」
良く見てみると、革靴で止まっていた。
あぶねー。
手の傷も、包帯して5分はバッドステータス消えなかったからな。
歩けないとかなったら面倒だ。
だけど革靴かぁ。
祝い品だったから、ちょっと申し訳なく思う。
「その革靴ダメになっちゃったね。直して貰ったほうがいいよ。」
「そういえば、これってどこの店のだろう?」
親方に貰ったから、場所も知らないんだよな。
帰ったら聞いてみよう。
ほとんど終わりかけだったから、最後までやってみる。
【木を削った置物-】
物体からは卒業できたか。
しかし、先は遠い。
雑貨屋に戻ると、革靴のことを伝えて謝った。
「お前不器用だからな。俺の贈り物が役立ったな!」
全く気にした素振りもなく、むしろ嬉しそうにしている。
靴屋の場所も教えてもらったので、明日行ってみよう。
そういえば、第2陣が来るのも明日だっけ。
ある程度情報は出てるから、初日みたいなカオスにならないと思うけど。
ドワーフ人口も増えてくれると良いな。
今この村の知ってるプレイヤーは2人だけなんだ…。
靴屋の途中に広場があったな。
行きがけに覗いてみよう。
「まさかクエスト報酬が【金やすり】とはな。」
試しに作れるか聞いてみたら。「もっと器用になってから出直してこい!」と言われてしまった。
何のスキルが必要か言わないが、道筋を示してくれるので、こういうところは親切なんだよね。
一度教わってない形のナイフを作ってみると、見事に失敗し、「もっと上手くならないと教えらんないな。」と言われた。
今日はアルデンさんに木工を教えてもらう日。
「よろしくお願いします!」
「うん。今日は作ってもらったナイフの柄を作る練習かな。」
事前に、ナイフを3本作ってきてくれと言われている。
【くず鉄の劣化ナイフ(2)】【くず鉄の劣化ナイフ-】
これらを取り出すと、アルデンさんが粗悪な方を持ち上げた。
「今日の報酬はこれで良いよ。」
「良い方じゃなくてですか?」
「本当は貰わないつもりだったんだけど、ドーインさんに受け取れって言われてね。」
俺としてはどっちでも良いんだが、こういう話をしていると、普通に人と会話してるように感じる。
木工はスキルすら生えてないので、まったく削れない。
そう、削れない!
小刀の握り方を教えてもらって、木に当ててみるんだけど、表面を滑ってしまう。なんとか、削れたとしても途中で引っかかったり、それが外れて指を切ったりしている。出血のデバフ時は、本当に流血していた。
鍛冶の時にも火傷をしたけど、かなりリアルだ。その時ヘルプの吹き出しで、設定からフィルターをかけられるとわかった。モンスター等の解体時もフィルターがかかるので、俺はノーセンキュー。魚捌いて食いたいんだよ。
「やっちゃったねー。ほら、薬草と包帯。これ巻いておきな。」
やり方がわからず首を傾げていると、アルゲンさんがやってくれた。
薬草を揉んで傷に当て、その上から包帯を巻くと。減っていたHPゲージが止まった。さらに十秒後に微量ずつ回復していく。
これって戦闘中無理じゃね?
傷を負いつつ、2時間がんばって出来たのがこれだ!
【木を削った物体-】
「最初はこんなものだよ。毎日削ってると、だんだん出来るようになるから、がんばってね。」
渡された片腕サイズの角材を持って帰り、シコシコ削る日々。
次アルデンさんに教えてもらうのは1週間後なので、それまでに木工スキルだけでも生やしておきたいな。
3日くらい削ってると、かなり木屑が溜まってきた。
「そいつは結構便利でな。焚き火の着火時に使えるぞ。」
今日も『親方TIPs』が出てきた。
弟子になってなかったら全然わからないよ。
今度『親方TIPs』まとめメモを書いておくかな。
アイテムの説明も無いから、知ってる人に聞くか、使って確かめるしか無い。
ヘルプにも書いてないし、ゲーム内情報ってキャラに聞くか、外部の掲示板しかないんだよな。
他のプレイヤーたちもどこかで教えて貰っているんだろう?
やっぱり掲示板かな?
掲示板とか、釣りしか見てないからわからないんだよね。
ネテラの釣り板は出来てたけど、予想通り道具はまだ売ってなかった。
魚人村にも無かったから、作れってことだよな?
次の木工授業日はマイナス無しのナイフを渡せた。
粗悪を持ってこなかっただけなんだがな!
「お!ちゃんと削れてるね。じゃあ次はノミも使ってみよう。」
墨でナイフの柄部分を書き、そこを慎重に削っていく。
ゴリゴリ削る。
やっぱり詰まる時もあるが、木に慣れたのか、小刀の時よりはマシだな。
「ふふ。これなら前回よりマシなのが出来るな。あっ。」
気の緩みからスッポ抜けたノミが木を挟んでいた足へ…。
「ぎゃああああ!あし。あし!」
「大丈夫。靴履いててよかったね。」
良く見てみると、革靴で止まっていた。
あぶねー。
手の傷も、包帯して5分はバッドステータス消えなかったからな。
歩けないとかなったら面倒だ。
だけど革靴かぁ。
祝い品だったから、ちょっと申し訳なく思う。
「その革靴ダメになっちゃったね。直して貰ったほうがいいよ。」
「そういえば、これってどこの店のだろう?」
親方に貰ったから、場所も知らないんだよな。
帰ったら聞いてみよう。
ほとんど終わりかけだったから、最後までやってみる。
【木を削った置物-】
物体からは卒業できたか。
しかし、先は遠い。
雑貨屋に戻ると、革靴のことを伝えて謝った。
「お前不器用だからな。俺の贈り物が役立ったな!」
全く気にした素振りもなく、むしろ嬉しそうにしている。
靴屋の場所も教えてもらったので、明日行ってみよう。
そういえば、第2陣が来るのも明日だっけ。
ある程度情報は出てるから、初日みたいなカオスにならないと思うけど。
ドワーフ人口も増えてくれると良いな。
今この村の知ってるプレイヤーは2人だけなんだ…。
靴屋の途中に広場があったな。
行きがけに覗いてみよう。
1
お気に入りに追加
230
あなたにおすすめの小説
freely fantastic online
nanaさん
SF
「この世界はただの仮想では無い第2の現実だ」
かつて誰もが願っただろう ゲームの世界が現実であればいいのにと
強大な魔王を倒し英雄となる自分の姿
仲間と協力して強大な生物を倒し達成感に包まれる自分の姿
ゲームの中の 現実とは全く違う自分の姿
誰もがゲームのキャラと自分を頭の中で置き換えたはずだ
そんな中 ある会社が名を挙げた
『ゲームでは無く第2の現実となる世界を創る』
そんなスローガンを掲げ突然現れた会社
その名も【Fate】
【Fate】が創り出した 第2の現実となる世界となる舞台
【Freely Fantastic online】
通称FFO
ごく普通のサラリーマンである赤鷺翔吾は後輩である新宮渚から勧められこのゲームを始めることとなる...
*作者の自己満で書いてます 好きなことを好きに書きます それと面倒くさがりなので基本 誤字脱字の報告をしてくださっても直さないか後から纏めてやるパターンが多いです その点が大丈夫な方は是非読み進めてください
モノ作りに没頭していたら、いつの間にかトッププレイヤーになっていた件
こばやん2号
ファンタジー
高校一年生の夏休み、既に宿題を終えた山田彰(やまだあきら)は、美人で巨乳な幼馴染の森杉保奈美(もりすぎほなみ)にとあるゲームを一緒にやらないかと誘われる。
だが、あるトラウマから彼女と一緒にゲームをすることを断った彰だったが、そのゲームが自分の好きなクラフト系のゲームであることに気付いた。
好きなジャンルのゲームという誘惑に勝てず、保奈美には内緒でゲームを始めてみると、あれよあれよという間にトッププレイヤーとして認知されてしまっていた。
これは、ずっと一人でプレイしてきたクラフト系ゲーマーが、多人数参加型のオンラインゲームに参加した結果どうなるのかと描いた無自覚系やらかしVRMMO物語である。
※更新頻度は不定期ですが、よければどうぞ
普通にやってたらイベントNPCに勘違いされてるんだけど
Alice(旧名 蒼韻)
SF
これは世の中に フルダイブゲーム 別名 VRMMOが出回ってる時 新しく出たVRMMO Yuggdracil online というVRMMOに手を出した4人のお話
そしてそこで普通にプレイしてた4人が何故かNPCに勘違いされ 運営も想定してなかった独自のイベントを作り出したり色々やらかし 更に運営もそれに協力したりする物語
Select Life Online~最後にゲームをはじめた出遅れ組
瑞多美音
SF
福引の景品が発売分最後のパッケージであると運営が認め話題になっているVRMMOゲームをたまたま手に入れた少女は……
「はあ、農業って結構重労働なんだ……筋力が足りないからなかなか進まないよー」※ STRにポイントを振れば解決することを思いつきません、根性で頑張ります。
「なんか、はじまりの街なのに外のモンスター強すぎだよね?めっちゃ、死に戻るんだけど……わたし弱すぎ?」※ここははじまりの街ではありません。
「裁縫かぁ。布……あ、畑で綿を育てて布を作ろう!」※布を売っていることを知りません。布から用意するものと思い込んでいます。
リアルラックが高いのに自分はついてないと思っている高山由莉奈(たかやまゆりな)。ついていないなーと言いつつ、ゲームのことを知らないままのんびり楽しくマイペースに過ごしていきます。
そのうち、STRにポイントを振れば解決することや布のこと、自身がどの街にいるか知り大変驚きますが、それでもマイペースは変わらず……どこかで話題になるかも?しれないそんな少女の物語です。
出遅れ組と言っていますが主人公はまったく気にしていません。
○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○
※VRMMO物ですが、作者はゲーム物執筆初心者です。つたない文章ではありますが広いお心で読んで頂けたら幸いです。
※1話約2000〜3000字程度です。時々長かったり短い話もあるかもしれません。
引退した元生産職のトッププレイヤーが、また生産を始めるようです
こばやん2号
ファンタジー
とあるVRMMOで生産職最高峰の称号であるグランドマスター【神匠】を手に入れた七五三俊介(なごみしゅんすけ)は、やることはすべてやりつくしたと満足しそのまま引退する。
大学を卒業後、内定をもらっている会社から呼び出しがあり行ってみると「我が社で配信予定のVRMMOを、プレイヤー兼チェック係としてプレイしてくれないか?」と言われた。
生産職のトップまで上り詰めた男が、再び生産職でトップを目指す!
更新頻度は不定期です。
思いついた内容を書き殴っているだけの垂れ流しですのでその点をご理解ご了承いただければ幸いです。
※この小説は【アルファポリス】及び【小説家になろう】の同時配信で投稿しています。
VRMMOで神様の使徒、始めました。
一 八重
SF
真崎宵が高校に進学して3ヶ月が経過した頃、彼は自分がクラスメイトから避けられている事に気がついた。その原因に全く心当たりのなかった彼は幼馴染である夏間藍香に恥を忍んで相談する。
「週末に発売される"Continued in Legend"を買うのはどうかしら」
これは幼馴染からクラスメイトとの共通の話題を作るために新作ゲームを勧められたことで、再びゲームの世界へと戻ることになった元動画配信者の青年のお話。
「人間にはクリア不可能になってるって話じゃなかった?」
「彼、クリアしちゃったんですよね……」
あるいは彼に振り回される運営やプレイヤーのお話。
三男のVRMMO記
七草
ファンタジー
自由な世界が謳い文句のVRMMOがあった。
その名も、【Seek Freedom Online】
これは、武道家の三男でありながら武道および戦闘のセンスが欠けらも無い主人公が、テイムモンスターやプレイヤー、果てにはNPCにまで守られながら、なんとなく自由にゲームを楽しむ物語である。
※主人公は俺TUEEEEではありませんが、生産面で見ると比較的チートです。
※腐向けにはしませんが、主人公は基本愛されです。なお、作者がなんでもいける人間なので、それっぽい表現は混ざるかもしれません。
※基本はほのぼの系でのんびり系ですが、時々シリアス混じります。
※VRMMOの知識はほかの作品様やネットよりの物です。いつかやってみたい。
※お察しの通りご都合主義で進みます。
※世界チャット→SFO掲示板に名前を変えました。
この前コメントを下された方、返信内容と違うことしてすみません<(_ _)>
変えた理由は「スレ」のほかの言い方が見つからなかったからです。
内容に変更はないので、そのまま読んで頂いて大丈夫です。
VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる