10 / 27
Ch.1
10
しおりを挟む
今日も今日とて、野生司と羽田の二人はパトカーで地域パトロールに出動していた。何かがいつもと違うと言えば、川沿いの桜が春の日差しを浴びて、新芽が大きく膨らんだ気がする。パトカーの窓を開けても暖房の必要はなく、柔らかい風が車内に流れ込み羽田の長い髪を揺らした。今日は野生司が向島警察署生活安全課での最終勤務日だった。課長の丘から辞令を受け取って帰宅した野生司の部屋に、大量のビール持参で羽田が襲来した。なし崩し的に “交通課応援お疲れさん会 パート……何回目か忘れた!” と称してあびるほど二人はビールを飲み、常日ごろ以上にへばりついてくる羽田に、なんとなく気後れしながら野生司が「あのーせんぱーい、実はですねー」と呂律の回らない口で4月の異動を伝えてから1ヶ月あまりが経過した。伝えた瞬間、スンとなった羽田がそのまま暫く機能を停止し、その後、「早くない? もっと先の話って言ってたじゃん!」と騒ぎしだし、その勢いで持ち込んだビールはおろか部屋にあったアルコールを全て空にした。
大騒ぎと酔いの頂点からゆるやかに降下しはじめ、野生司にへばりついてへべれけにくだをまく羽田を、こちらもしたたかに酔った勢いで常日頃意識している先輩枠をどっかに放り投げた状態で適当にあしらいながら、体の血管中をアルコールが駆け巡る野生司が『蛇窪神社の白蛇様に巻きつかれたらこんなかなー 金運アップするかなー 厄除けになるかなー 管轄違うけどー あ、本庁行ったら管轄になるのかなー』と、しょうもないことを考えてから1ヶ月が経った。
次に職場で顔を合わせた羽田は、週に2、3回だった「お付き合いしよう」発言を日に2、3回に増量し、時折かいま見える、みたこともないような羽田の真剣な眼差しに、さすがの野生司も『あれ? もしかしてこれって冗談じゃないのかも?』と、超が数個つく天然とそれを上回る鈍感さ、さしもの野生司も、もしやと思い始めたが、今日、この向島署勤務最後の日が近付くにつれ羽田の勢いが落ち着きを見せ始めたため、結局、野生司の『もしや……?』も空中霧散し、なんの進展もなく1ヶ月が経った。
「次のところ、左ね」
「あ、はい」
商店街パトロールの最中に、署から、通報があったので河川敷へ向かうように指示が入った。警察用に特化し警察官をサポートするAIが住まう車載のタブレットが宙に映し出すマップにポップアップさせた目的地への指示に従い、羽田は運転する野生司に声をかけた。
「こどもから、の通報か……だからか」
羽田は、通報の内容をタブレットから映し出し目を走らせたあと、こども、にいくぶん圧をこめて苦々しく口をひらいた。
「だから? 私たちにってことですか?」
「そう」
「たまたま現場に近かっただけでは」
「ちがうね。それに私たち、と言うより、野生司に、だと思うけど。こども担当だから」
「先輩……」
「別に気にしてないし。明日から野生司が遠くのこどもたち相手に旅立ってしまうことなんて気にしてないし」
「それ、めっちゃ気にしてるし、気にして欲しい発言ですよ」
パトカーが河川敷に到着し警官が降りてきたのを見つけた少年は犬を連れて走り寄って来た。
「あそこです」
少年はネズミムギが生い茂る川岸を指差した。
「ご通報有難うございます。あそこ、ですか?」
野生司は見た目よりもずっと落ち着いた印象の少年に礼を述べると、少年が指差した方を眺めた。川面の上を光がきらきらと跳ね、眩しい緑が生い茂る風景を四角い枠で切り取る額縁のような橋脚のたもとに、風景の色彩からはみ出した水色の人工物がちらりと見えた。
「こっちです。ピクトが急に走りだして見つけたんです」
少年は「ピクト」と呼ばれて嬉しそうに顔を上げた犬の頭を撫でた後、二人の警官を案内するように先に立って歩き始め、その彼を犬が尻尾を振りながら先導した。
少年と犬が案内した高架下にはビニールシートで作られた辛うじて雨風が凌げる程度の粗末なテントがあり、周りにはその残骸が残されていた。その昔、この辺りにはダンボールやビニールシートで作られた簡素なテントが乱立していた時期もあったらしいが最近では珍しい。路上生活者の多くは仕事と衣食住が提供される政府機関の施設へ強制退去させられるようになって四半世紀近くが経つ。河岸清掃でもこの残骸が片付けられなかったということは、ごく最近のものなのか、それとも清掃エリアの死角なのかと、羽田はパトカーから取り外してきたタブレットに、この状況を独り言でもつぶやくように音声入力した。
犬がテントの前で鼻を鳴らす。野生司が少年を見ると少年は頷いた。野生司は初めて目にする水色のテントに臆することなく入口のシートを大きく捲り上げ、中に入った。中には一人の老婆が横たわっていた。野生司の後ろから、犬が侵入し、少年も顔をのぞかせる。
「すみません。僕、驚いて何も確認せずに慌てて通報しちゃって。この人、見たことあります。昨日、公園のベンチに座っていたおばあさんです」
少年は通報に使った自分のモバイルを片手に伝えた。
「君があやまることなんてない。十分な対応だし、それから貴重な情報をありがとう。とても助かるよ」
背後に立っていた羽田は少年に礼を言いテントの外へと連れ出すと、少年には見えないように、入口から視線で「意識ありそう?」と横たわる老婆に近付き脈を取る野生司に尋ねた。
「脈、あります」
羽田はタブレットに表示されたフローを先に進めながら<救急への連絡>の分岐点で指を止めていた。野生司は老婆に息があり目立った外傷がないことを確認すると、声を大きくして呼びかけた。
「もしもーし! 聞こえますか?」
老婆は微動だにしない。外傷はないが、野生司は老婆の身体を揺すってよいものか逡巡し、もう一度、さらに声を大きくして呼びかけた。
「おばあちゃん、聞こえますか? 返事できますか?」
何度目かの野生司の呼びかけに老婆が薄っすらと目を開け、野生司はほっと息を吐いた。
「もう大丈夫ですよ。安心してください、警察です」
「……」
弱弱しく老婆の口元が動いたのを見逃さなかった野生司は口元に耳を寄せた。
「……ごめんね……」
「あ、いえ! 全然、大丈夫ですよ!」
ほんの小さな声が口から漏れた。
「わかってあげられなくて……ごめんね……」
「おばあちゃん?」
野生司はてっきり自分への謝罪かと思ったが、老婆の焦点の合わない目に自分宛のメッセージではないことに気付いた。そして老婆がなにに対し「ごめんね」と伝えているのかわからないまま薄く開かれた瞼は、また静かに閉ざされた。
「先輩」
「救急車手配した。もうすぐ到着する」
振り返った先では、羽田がタブレットでのフロー<救急への連絡>手配を早々に終え、AIの指示に従い、状況報告の入力を始めていた。遠くの方から、隅田川の川風に乗って、救急車の音が聴こえる。いち早くそれに気付いたピクトが、遠慮がちに遠吠えめいた声を出して呼応した。
大騒ぎと酔いの頂点からゆるやかに降下しはじめ、野生司にへばりついてへべれけにくだをまく羽田を、こちらもしたたかに酔った勢いで常日頃意識している先輩枠をどっかに放り投げた状態で適当にあしらいながら、体の血管中をアルコールが駆け巡る野生司が『蛇窪神社の白蛇様に巻きつかれたらこんなかなー 金運アップするかなー 厄除けになるかなー 管轄違うけどー あ、本庁行ったら管轄になるのかなー』と、しょうもないことを考えてから1ヶ月が経った。
次に職場で顔を合わせた羽田は、週に2、3回だった「お付き合いしよう」発言を日に2、3回に増量し、時折かいま見える、みたこともないような羽田の真剣な眼差しに、さすがの野生司も『あれ? もしかしてこれって冗談じゃないのかも?』と、超が数個つく天然とそれを上回る鈍感さ、さしもの野生司も、もしやと思い始めたが、今日、この向島署勤務最後の日が近付くにつれ羽田の勢いが落ち着きを見せ始めたため、結局、野生司の『もしや……?』も空中霧散し、なんの進展もなく1ヶ月が経った。
「次のところ、左ね」
「あ、はい」
商店街パトロールの最中に、署から、通報があったので河川敷へ向かうように指示が入った。警察用に特化し警察官をサポートするAIが住まう車載のタブレットが宙に映し出すマップにポップアップさせた目的地への指示に従い、羽田は運転する野生司に声をかけた。
「こどもから、の通報か……だからか」
羽田は、通報の内容をタブレットから映し出し目を走らせたあと、こども、にいくぶん圧をこめて苦々しく口をひらいた。
「だから? 私たちにってことですか?」
「そう」
「たまたま現場に近かっただけでは」
「ちがうね。それに私たち、と言うより、野生司に、だと思うけど。こども担当だから」
「先輩……」
「別に気にしてないし。明日から野生司が遠くのこどもたち相手に旅立ってしまうことなんて気にしてないし」
「それ、めっちゃ気にしてるし、気にして欲しい発言ですよ」
パトカーが河川敷に到着し警官が降りてきたのを見つけた少年は犬を連れて走り寄って来た。
「あそこです」
少年はネズミムギが生い茂る川岸を指差した。
「ご通報有難うございます。あそこ、ですか?」
野生司は見た目よりもずっと落ち着いた印象の少年に礼を述べると、少年が指差した方を眺めた。川面の上を光がきらきらと跳ね、眩しい緑が生い茂る風景を四角い枠で切り取る額縁のような橋脚のたもとに、風景の色彩からはみ出した水色の人工物がちらりと見えた。
「こっちです。ピクトが急に走りだして見つけたんです」
少年は「ピクト」と呼ばれて嬉しそうに顔を上げた犬の頭を撫でた後、二人の警官を案内するように先に立って歩き始め、その彼を犬が尻尾を振りながら先導した。
少年と犬が案内した高架下にはビニールシートで作られた辛うじて雨風が凌げる程度の粗末なテントがあり、周りにはその残骸が残されていた。その昔、この辺りにはダンボールやビニールシートで作られた簡素なテントが乱立していた時期もあったらしいが最近では珍しい。路上生活者の多くは仕事と衣食住が提供される政府機関の施設へ強制退去させられるようになって四半世紀近くが経つ。河岸清掃でもこの残骸が片付けられなかったということは、ごく最近のものなのか、それとも清掃エリアの死角なのかと、羽田はパトカーから取り外してきたタブレットに、この状況を独り言でもつぶやくように音声入力した。
犬がテントの前で鼻を鳴らす。野生司が少年を見ると少年は頷いた。野生司は初めて目にする水色のテントに臆することなく入口のシートを大きく捲り上げ、中に入った。中には一人の老婆が横たわっていた。野生司の後ろから、犬が侵入し、少年も顔をのぞかせる。
「すみません。僕、驚いて何も確認せずに慌てて通報しちゃって。この人、見たことあります。昨日、公園のベンチに座っていたおばあさんです」
少年は通報に使った自分のモバイルを片手に伝えた。
「君があやまることなんてない。十分な対応だし、それから貴重な情報をありがとう。とても助かるよ」
背後に立っていた羽田は少年に礼を言いテントの外へと連れ出すと、少年には見えないように、入口から視線で「意識ありそう?」と横たわる老婆に近付き脈を取る野生司に尋ねた。
「脈、あります」
羽田はタブレットに表示されたフローを先に進めながら<救急への連絡>の分岐点で指を止めていた。野生司は老婆に息があり目立った外傷がないことを確認すると、声を大きくして呼びかけた。
「もしもーし! 聞こえますか?」
老婆は微動だにしない。外傷はないが、野生司は老婆の身体を揺すってよいものか逡巡し、もう一度、さらに声を大きくして呼びかけた。
「おばあちゃん、聞こえますか? 返事できますか?」
何度目かの野生司の呼びかけに老婆が薄っすらと目を開け、野生司はほっと息を吐いた。
「もう大丈夫ですよ。安心してください、警察です」
「……」
弱弱しく老婆の口元が動いたのを見逃さなかった野生司は口元に耳を寄せた。
「……ごめんね……」
「あ、いえ! 全然、大丈夫ですよ!」
ほんの小さな声が口から漏れた。
「わかってあげられなくて……ごめんね……」
「おばあちゃん?」
野生司はてっきり自分への謝罪かと思ったが、老婆の焦点の合わない目に自分宛のメッセージではないことに気付いた。そして老婆がなにに対し「ごめんね」と伝えているのかわからないまま薄く開かれた瞼は、また静かに閉ざされた。
「先輩」
「救急車手配した。もうすぐ到着する」
振り返った先では、羽田がタブレットでのフロー<救急への連絡>手配を早々に終え、AIの指示に従い、状況報告の入力を始めていた。遠くの方から、隅田川の川風に乗って、救急車の音が聴こえる。いち早くそれに気付いたピクトが、遠慮がちに遠吠えめいた声を出して呼応した。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
雪原脳花
帽子屋
SF
近未来。世界は新たな局面を迎えていた。生まれてくる子供に遺伝子操作を行うことが認められ始め、生まれながらにして親がオーダーするギフトを受け取った子供たちは、人類の新たなステージ、その扉を開くヒトとしてゲーターズ(GATERS=GiftedAndTalented-ers)と呼ばれた。ゲーターズの登場は世界を大きく変化させ、希望ある未来へ導く存在とされた。
希望の光を見出した世界の裏側で、存在情報もなく人間として扱われず組織の末端で働く黒犬と呼ばれ蔑まれていたジムは、ある日、情報部の大佐に猟犬として拾われ、そこで極秘裏に開発されたアズ(AZ)を用いる実験部隊となった。AZとは肉体を人間で構築し、その脳に共生AIであるサイ(SAI)を搭載した機械生物兵器、人工の子供たちだった。ジムは配備された双子のAZとともに、オーダーに従い表裏の世界を行き来する。
光の中の闇の王、食えない機械の大佐、変質的な猫、消えた子供、幽霊の尋ね人。
AIが管理する都市、緑溢れる都市に生まれ変わった東京、2.5次元バンド、雪原の氷花、彷徨う音楽、双子の声と秘密。
曖昧な世界の境界の淵から光の世界を裏から眺めるジムたちは何を見て何を聴き何を求めるのか。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
エンシェントソルジャー ~古の守護者と無属性の少女~
ロクマルJ
SF
百万年の時を越え
地球最強のサイボーグ兵士が目覚めた時
人類の文明は衰退し
地上は、魔法と古代文明が入り混じる
ファンタジー世界へと変容していた。
新たなる世界で、兵士は 冒険者を目指す一人の少女と出会い
再び人類の守り手として歩き出す。
そして世界の真実が解き明かされる時
人類の運命の歯車は 再び大きく動き始める...
※書き物初挑戦となります、拙い文章でお見苦しい所も多々あるとは思いますが
もし気に入って頂ける方が良ければ幸しく思います
週1話のペースを目標に更新して参ります
よろしくお願いします
▼表紙絵、挿絵プロジェクト進行中▼
イラストレーター:東雲飛鶴様協力の元、表紙・挿絵を制作中です!
表紙の原案候補その1(2019/2/25)アップしました
後にまた完成版をアップ致します!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/sf.png?id=74527b25be1223de4b35)
どうやら世間ではウイルスが流行っているようです!!
うさ丸
SF
高校卒業を切っ掛けに、毒親との縁を断ちきり他県の田舎の山奥にある限界集落で新生活スローライフをスタートした。
順調だと思われた生活に異変が。都心で猛威を振るったウイルスが暴走、感染した人々が狂暴化し魔の手が迫って来る。逃げるべきか、それともこの場に留まるべきか。
ルーインド東京
SHUNJU
SF
2025年(令和7年)
東京オリンピックの開催から4年。
日本は疫病流行の完全終息を経て、今まで通りの日常へと戻っていった。
巣鴨に住むごく一般的な女子中学生、平井 遥は
ゴールデンウィークに家族みんなで大阪万博へ行く計画を立てていたが、
しかし、その前日に東京でM8.8の大規模な巨大地震が発生した。
首都機能存亡の危機に、彼女達は無事に生きられるのか・・・?
東京で大震災が発生し、首都機能が停止したら
どうなってしまうのかを知っていただくための震災シミュレーション小説。
※本作品は関東地方での巨大地震や首都機能麻痺を想定し、
膨大なリサーチと検証に基づいて制作された小説です。
尚、この物語はフィクションです。
実在の人物、団体、出来事等とは一切関係ありません。
※本作は複数の小説投稿サイトとの同時掲載となりますが、
当サイトの制限により、一部文章やセリフが他サイトと多少異なる場合があります。
©2021 SHUNJUPROJECT
Z ~heaven of ideal world~
Cheeze Charlotte
SF
ごく普通の中学生の月影ユウはある日、突如家を訪ねてきた美少女に外へと連れ出される!
美少女に手を引かれるがままに走るユウ。その先に待っていたのは甘酸っぱい恋でも、二人での逃避行でもなく、人の形をした怪物「Z」との戦いの日々だった。
この日、美少女こと「雪奈カノ」とユウは、サバイバル生活を始めた。いつか怪物に脅かされない平和な世界が再び帰ってくることを信じて。
そして三年後、二人はロシア北東部まで逃げてきていた。世界全体で起きたこのパニックは人類の六割を失うきっかけにはなったが、人類はそこでいくつかの保全区画を建設することに成功した。
そのうちの一つがあるロシア北東部まで無事に逃げてきたユウとカノは、そこで「Z」の大群に襲われてしまう。
カノはユウを無事に保全区画に送り届けるため、その命を犠牲にした。
一人生き残ったユウは、保全区画内で独りを感じながら生きていたが、そこでも「Z」が現れる。
そこで出会った佳野ミチルと共に、彼は「Z」をめぐる哀しみが飛び交う世界へと踏み出してゆくこととなる............。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる