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第3話
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――でも、でも、でも。
鏡は。
鏡を見るのは、どうしても嫌だ!
「……は、ぁ、っあ、やっあっあぁ……っ!」
引き下ろされたストッキングは破れ、白いショーツももう右爪先にしかかかっていない。
立ったまま腰を抱き込まれた背後から激しく突き上げられながら、襲いくる快感に崩れ落ちないために冬弥がしがみつけるものは、目の前にある姿見しかなかった。紅蓮は冬弥よりうんと背が高いから立ちバックになるとどうしてもつま先立ちになる。つま先立ちでは強すぎる快感から思ったように身を逃せない。逃げれば壁際に追い込まれ、姿見の前に追い込まれる。
「あ゛っあ゛、だっめっぐれ、やだ、ひ! っぐ、こ、れやだぁっ」
「やだって言うわりには、すげぇグショグショになってるけどな」
後ろから伸びてきた手が、冬弥の陰茎を握り込む――スカートの上から。
「ひぁあっ……!」
先走りの染みて色の変わったスカートごと、にちにちと先を捏ねられると、敏感な部分が生地に擦られる暴力的な快感で目の前がちかちかとする。
スカートを履いたまま犯される。結合部が見えないことがむしろ羞恥心を駆り立てて、まるで本当に女にさせられいるみたいで恥ずかしさで気が狂いそうだ。
「やめ、やめてっ、前、んあっ、やめ、ゔぅ」
「お、ブラも付けてる」
扱きながら器用に片手でブラウスのボタンを外した左手が、胸元へ滑り込んでくる。熱い手がブラジャーの下に差し入れられ、触られてもいないのにぴんと勃っている乳首を弾く。
「っひ、ん!」
フリルの下で大きな手が胸をまさぐり、かと思えば小さな粒を指先で潰すように捏ね回す。痺れるようなもどかしい快感が、微電流になって体を駆け抜け性器の感覚を鋭敏にする。
「やぁ、あ、ぁん……」
乳首、陰茎、それぞれに与えられる快感が、いつのまに止まった一番欲しい箇所の刺激への恋しさを募らせ、無意識に腰を揺らめかせる。
「ぐれ、ん」
油断して甘ったれた声で煽れば。
「……かわいい声」
――ずん!
無遠慮に突き上げられ、目の前に星が飛んで、つま先が浮く。
「ッあ゛!」
容赦なく腰を打ち込む音がはしたない水音と混じって響く。浅いところを抉るように進み、最奥を何度も突き上げら、あるいは先端でぐりぐりと擦り回される。紅蓮は、アホだが、冬弥のことはよく知っている。冬弥がどこをどうされればよがるのか、世界中の誰よりも知っている。
「ぁ、ッはぁあっや、やだっい゛、ぐれ、やっやっあ゛っ」
「ちゃんとかわいい顔見てみろよ」
汗と涎の垂れる顎に手を添え、くいと上を向かせる。
そうやって羞恥を煽れば、ますます冬弥が興奮することも、よく心得ている。
「……!」
冬弥がぎゅうと目を瞑ると、背後で紅蓮が吹き出した。
「こーら」
「やだ」
「見ろって」
「見ない」
「かわいいぞ? こんなにトロトロの顔して」
「っ、……! ひぅっ」
目を瞑っている隙に耳に舌を差し込まれた。
膝から崩れ落ちそうになる。その隙を突いて紅蓮は律動を速める。絶え間なく奥が突き上げられスカートの内に差し込まれた手がぬらついた竿を強く扱き上げ、強すぎる快感にびりびりと内腿がこわばった。
「だ、っめ、だめ、もうっ、ぐれ、も、い……く」
「いいぞ」
「スカートが汚れるっ」
自分で主張して何だがあまりに今更だ。
ふは、と笑った紅蓮の声が、一拍後には濡れた耳元で囁いた。
「ちゃんと鏡見たら、脱がせてやる」
快感に飛びすぎて何も考えられず、冬弥は従順に目を開けた。
見慣れた自分の――叫んでよがって汗と涎まみれで化粧の崩れた自分の顔と――その横に。
獰猛な獣のように笑う、欲情にまみれた恋人の顔を見つければ。
「――ぁッ、~……っ!」
稲妻のような快感が、体の裏側を駆け抜ける。
びくっ、びくっ、と全身が震え、紅蓮の手のひらの中で、冬弥はびゅくびゅくと精を吐いた。二度、三度、と脈打つたびに体液が流れ出て、
そして、スカートを汚した。
「あ」
「……う……ぁ」
恥ずかしい。つらい。
でもきもちいい。
脱力した冬弥の体を抱えつつ、紅蓮はスカートを上から脱がせた。
「ばんざいしてみ」
「……ん」
すぽん、と頭からドロドロになったスカートが抜ける。汚してから脱がせたんじゃまるで意味がないが今は何も考えられない。
斜め上からふってきた唇をほとんど無意識にむさぼる。心地よい快感の余韻が細波のように訪れる中、熱い舌に掻き回されながら大きな手のひらに頭を撫でられると、これ以上幸せな場所はないといつも思う。まだ小刻みに内腿を痙攣させつつ、名残惜しく口が離れると、冬弥は朦朧と鏡を見た。はだけたブラウスにたくし上げられたブラジャー……の下に、だらしのない陰茎がぶらさがり、ぽとぽとと白濁液を垂らしている。
現実が韋駄天走りで戻ってくる。
なんという地獄のような光景か。
「絵面キッツ……」
冬弥が正直な感想を述べると、ん? と言って、紅蓮が鏡を見た。
しげしげと見た。
「……」
「……あの、紅蓮さん」
「ん?」
「なんで大きくなったんですか……?」
わざわざスカートを上から脱がせたので、紅蓮のモノはまだ冬弥の尻の穴に刺さっている。
「いやさ……」
紅蓮は特に断りもなく、ゆっさ、とひとつ腰を揺すった。
「ッあ……ん」
すっかり従順な甘い声とともに、ぷらん、と冬弥の中心で揺れる、それ。
頭の裏で生唾を飲む音が、聞こえた。
「……やっぱ男のお前が最高だな……」
「はあ……?」
「休憩したか? よし、行くぞ」
「ちょっ待、イッたばっかだってせめてベッドでっひっぁああッ! もう、ばかっやっあ゛っあぁぁ~……ッ!」
こうして今日も仲良し同棲部屋の夜は更けるのであった……
鏡は。
鏡を見るのは、どうしても嫌だ!
「……は、ぁ、っあ、やっあっあぁ……っ!」
引き下ろされたストッキングは破れ、白いショーツももう右爪先にしかかかっていない。
立ったまま腰を抱き込まれた背後から激しく突き上げられながら、襲いくる快感に崩れ落ちないために冬弥がしがみつけるものは、目の前にある姿見しかなかった。紅蓮は冬弥よりうんと背が高いから立ちバックになるとどうしてもつま先立ちになる。つま先立ちでは強すぎる快感から思ったように身を逃せない。逃げれば壁際に追い込まれ、姿見の前に追い込まれる。
「あ゛っあ゛、だっめっぐれ、やだ、ひ! っぐ、こ、れやだぁっ」
「やだって言うわりには、すげぇグショグショになってるけどな」
後ろから伸びてきた手が、冬弥の陰茎を握り込む――スカートの上から。
「ひぁあっ……!」
先走りの染みて色の変わったスカートごと、にちにちと先を捏ねられると、敏感な部分が生地に擦られる暴力的な快感で目の前がちかちかとする。
スカートを履いたまま犯される。結合部が見えないことがむしろ羞恥心を駆り立てて、まるで本当に女にさせられいるみたいで恥ずかしさで気が狂いそうだ。
「やめ、やめてっ、前、んあっ、やめ、ゔぅ」
「お、ブラも付けてる」
扱きながら器用に片手でブラウスのボタンを外した左手が、胸元へ滑り込んでくる。熱い手がブラジャーの下に差し入れられ、触られてもいないのにぴんと勃っている乳首を弾く。
「っひ、ん!」
フリルの下で大きな手が胸をまさぐり、かと思えば小さな粒を指先で潰すように捏ね回す。痺れるようなもどかしい快感が、微電流になって体を駆け抜け性器の感覚を鋭敏にする。
「やぁ、あ、ぁん……」
乳首、陰茎、それぞれに与えられる快感が、いつのまに止まった一番欲しい箇所の刺激への恋しさを募らせ、無意識に腰を揺らめかせる。
「ぐれ、ん」
油断して甘ったれた声で煽れば。
「……かわいい声」
――ずん!
無遠慮に突き上げられ、目の前に星が飛んで、つま先が浮く。
「ッあ゛!」
容赦なく腰を打ち込む音がはしたない水音と混じって響く。浅いところを抉るように進み、最奥を何度も突き上げら、あるいは先端でぐりぐりと擦り回される。紅蓮は、アホだが、冬弥のことはよく知っている。冬弥がどこをどうされればよがるのか、世界中の誰よりも知っている。
「ぁ、ッはぁあっや、やだっい゛、ぐれ、やっやっあ゛っ」
「ちゃんとかわいい顔見てみろよ」
汗と涎の垂れる顎に手を添え、くいと上を向かせる。
そうやって羞恥を煽れば、ますます冬弥が興奮することも、よく心得ている。
「……!」
冬弥がぎゅうと目を瞑ると、背後で紅蓮が吹き出した。
「こーら」
「やだ」
「見ろって」
「見ない」
「かわいいぞ? こんなにトロトロの顔して」
「っ、……! ひぅっ」
目を瞑っている隙に耳に舌を差し込まれた。
膝から崩れ落ちそうになる。その隙を突いて紅蓮は律動を速める。絶え間なく奥が突き上げられスカートの内に差し込まれた手がぬらついた竿を強く扱き上げ、強すぎる快感にびりびりと内腿がこわばった。
「だ、っめ、だめ、もうっ、ぐれ、も、い……く」
「いいぞ」
「スカートが汚れるっ」
自分で主張して何だがあまりに今更だ。
ふは、と笑った紅蓮の声が、一拍後には濡れた耳元で囁いた。
「ちゃんと鏡見たら、脱がせてやる」
快感に飛びすぎて何も考えられず、冬弥は従順に目を開けた。
見慣れた自分の――叫んでよがって汗と涎まみれで化粧の崩れた自分の顔と――その横に。
獰猛な獣のように笑う、欲情にまみれた恋人の顔を見つければ。
「――ぁッ、~……っ!」
稲妻のような快感が、体の裏側を駆け抜ける。
びくっ、びくっ、と全身が震え、紅蓮の手のひらの中で、冬弥はびゅくびゅくと精を吐いた。二度、三度、と脈打つたびに体液が流れ出て、
そして、スカートを汚した。
「あ」
「……う……ぁ」
恥ずかしい。つらい。
でもきもちいい。
脱力した冬弥の体を抱えつつ、紅蓮はスカートを上から脱がせた。
「ばんざいしてみ」
「……ん」
すぽん、と頭からドロドロになったスカートが抜ける。汚してから脱がせたんじゃまるで意味がないが今は何も考えられない。
斜め上からふってきた唇をほとんど無意識にむさぼる。心地よい快感の余韻が細波のように訪れる中、熱い舌に掻き回されながら大きな手のひらに頭を撫でられると、これ以上幸せな場所はないといつも思う。まだ小刻みに内腿を痙攣させつつ、名残惜しく口が離れると、冬弥は朦朧と鏡を見た。はだけたブラウスにたくし上げられたブラジャー……の下に、だらしのない陰茎がぶらさがり、ぽとぽとと白濁液を垂らしている。
現実が韋駄天走りで戻ってくる。
なんという地獄のような光景か。
「絵面キッツ……」
冬弥が正直な感想を述べると、ん? と言って、紅蓮が鏡を見た。
しげしげと見た。
「……」
「……あの、紅蓮さん」
「ん?」
「なんで大きくなったんですか……?」
わざわざスカートを上から脱がせたので、紅蓮のモノはまだ冬弥の尻の穴に刺さっている。
「いやさ……」
紅蓮は特に断りもなく、ゆっさ、とひとつ腰を揺すった。
「ッあ……ん」
すっかり従順な甘い声とともに、ぷらん、と冬弥の中心で揺れる、それ。
頭の裏で生唾を飲む音が、聞こえた。
「……やっぱ男のお前が最高だな……」
「はあ……?」
「休憩したか? よし、行くぞ」
「ちょっ待、イッたばっかだってせめてベッドでっひっぁああッ! もう、ばかっやっあ゛っあぁぁ~……ッ!」
こうして今日も仲良し同棲部屋の夜は更けるのであった……
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