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1章

11.立ち入り禁止

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~冒険者ギルド~

僕達は森での依頼を受けるため冒険者ギルドに来ていた。
「マオさん、森の魔物を討伐する依頼ってどんなのがありますか?」
「おはようございますアインさん。その件なんですけど・・・」
「何かあったんですか?」
「おはようアイン君。昨日上層部じょうそうぶと話し合ってね。森への立ち入りをしばらくの間禁止することにしたんだ。」

サークレッドさんの話では、森の奥で異常いじょうが起きている可能性があるため、様子見ようすみも兼ねて、西の森全体を立ち入り禁止にするとのこと。

「そんなわけで、いつまでになるかは分からないけど依頼も取り下げることにしたんだ。もっとも、グリーンスライムだけは森の近くにもいるからその依頼は残してあるけどね」
「そうなんですね。森に入れないなら・・・どうしようかな」

僕が何をするか考えていると、
「南に少し行ったところにある荒野こうやの事を調べてみるのはどうかな?」
「それはいいかもしれませんね。他とは違った珍しい魔物も多くいますし」
サークレッドさんとマオさんがそう提案ていあんしてくれた。

荒野こうやの魔物ですか?見てみたいです!」
「アイン君ならそう言うと思ったよ。私はしばらく西の森について調べる事があるからくわしいことはマオさんに聞いてね。それじゃ」
そう言ってサークレッドさんは去っていった。

「マオさん、荒野こうやのこと教えてください!」
「えっと、そうですね。アインさんの目で見ることになると思うので簡単に説明させていただきます」

《イール》から南にしばらく行くと荒野に出る。
虫の魔物と動物の魔物が多く生息せいそくしており、地中から奇襲きしゅうをしてくる魔物が多い。
過酷かこくな環境に適応てきおうしたため、毒や麻痺などに耐性たいせいを持つ個体が多い。

まとめるとこのような感じだった。

「毒に耐性を持ってる魔物をテイムしたら森の魔物にたいして有利になりますか?」
「毒にならないので有利ではありますけど、治療ちりょう出来るわけではありませんから他の子達の分、毒消しは必要になりますね」
「やっぱり毒消しは必要ですか。でも荒野こうやの魔物はテイムしてみようと思います!」

「テイマーのかたにとって従魔が増えるのはいい事ですから、それがいいと思います。でも一度いちどは他の冒険者さんとパーティーを組むことを考えてもいいかもしれませんね」
一応いちおう考えてはいたんですけど、パーティーを組むとレベルの上がり方が複雑ふくざつになっちゃうので・・・」

人同士でパーティーを組むと経験値は等分とうぶんされるが、テイマーは少しことなる。(4話参照)
そのためテイマーが他の冒険者とパーティーを組むことはごくまれである。

「それでしたら他のパーティに同行どうこうするのはどうですか?アインさんがソロとして一緒に行くのならそうした問題はないと思いますよ」
「確かにそれなら大丈夫ですね。ちょっと考えてみます!」
「はい。その時は同行どうこうするパーティーはこちらで紹介させていただきますね」
「ありがとうございます。今日は明日荒野こうやに行くための準備をしようと思います!」
僕達は明日の準備のためテイム用アイテムを売っているお店に向かうことにした。


~アイテムのお店~

「ルゥとウォルフの時に使った分は補充ほじゅうするとして・・・そろそろ<封印札・金>も買おうかなぁ」
トレントの枝を買い取ってもらったため、資金はそれなりに余裕ができていた。
「銀は1つあるから・・・これにしよう」
僕は<封印札・銅>を3つと<封印札・金>1つを買ってお店を出た。

「明日はまた新しい場所に行くことになったから今日は宿屋で休もう。ウォルフ、明日もよろしくね!」
「ガウッ」


~宿屋~

「<封印札・銅>が4つに銀と金が1つずつか。これだけあれば大丈夫かな」
宿屋に戻った僕はテイムに使うアイテムの数を確認していた。
「もしかしたら新しい従魔なかまが増えるかもしれないね!」
「キュッ」
「キュルゥ」
「ガウ」
(もう3体連れてるから新しく従魔が増えたら連れて歩けないのか・・・日ごとに交代する感じでいいかな?それか街の近くで野営やえいするとか?)

普通の冒険者であれば、わざわざ街の近くで野営やえいをする必要はないが、テイマーの中には野営やえいをする者も少なくない。

(みんなと相談して決めてもいいな。まだテイムすると決まったわけじゃないし)


僕は夜遅くまで持ち物の確認をして過ごした




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