追放された最強剣士〜役立たずと追放された雑用係は最強の美少女達と一緒に再スタートします。奴隷としてならパーティに戻してやる?お断りです〜

妄想屋さん

文字の大きさ
上 下
5 / 30
第一章 エルミス

05 雑用

しおりを挟む

 次の日の朝。
 フェンガーリ達はダンジョンに潜る準備を整えていた。

「よし!そろそろ行くか!」

「「「「「はーい!」」」」」

 フェンガーリの呼びかけに元気よくパーティメンバーの美少女達は元気に答える。

「じゃあ雑用さん、そこのカバン持って来てね♪」

 ギーはニコニコしながら普段アーリスに持たせていたカバンを指さす。

「ん?どれですか?」

「え?ほら、そこに置いてあるリュックよ」

 新雑用係は困惑した顔になる。

「は?まさかとは思いますが、あのバカでかいリュックのことですか?」

「それしかないだろ、てか、そんなに大きいか?」

「普通、こんなものですわよね?」

 フェンガーリとパーティメンバーの女が首を傾げる。
 それをみた新雑用係がリュックを背負って立とうとする。

「んっ!……はは、こんなのとても持てません。一体中には何が入っているのです?」

「あ?ダンジョンで休む時用の小さい椅子がいくつか……あと机だろ?」

 フェンガーリがイライラしたように答える。

「あと私のが身だしなみを整えるなめの姿見と……」

「お菓子もいくつか――」

 パーティメンバーも入っているものを言っていくが、途中で我慢できないと言うように新雑用係が話に割り込んでくる。

「いらないでしょうそんなの!?私をからかっているんですか?」

「自分が貧弱だからって、荷物が持てないのを俺らのせいにするんじゃねえ!」

 フェンガーリ顔を真っ赤にしてが雑用係に向かって怒鳴る。

「ほんっと最低!その荷物、最低ランクEのゴミですら持ち上げることができたのよ?」

「じゃあ、あなたの力はEランク以下ってことですわね」

 ギーやパーティメンバーの少女達からも罵声が浴びせられる。

「Eランクが……?化け物か、そいつ……」

「グダグダうっせえな!クソッ!じゃあ荷物はもういいよ」

 フェンガーリは諦めた、と言うようやにため息をつく。

「え?!」

「そんな……」

 パーティメンバーのがっかりしたような声が聞こえて来る。

「わりーな。思った以上にそこの雑用が使えなかったぜ」

 フェンガーリが仲間達に軽く頭を下げる。

「全く……。では、今日潜るダンジョンの情報を教えて」

 ギーは呆れたように新雑用係の方を見る。

「……はい。今日潜るダンジョンはここから東に1.5キロ程にあるの小さなダンジョンです。推奨ランクはBなので皆様なら問題なくクリアできるはずです」

「……で?」

 フェンガーリは、早く次を話せよ。と催促するような目を新雑用係に向ける。

「で?とは?以上になりますが……」

「は?出てくるモンスターは?隠し部屋の場所は?裏ボスはいるのか?一晩あって何も調べなかったのか?」

「はい?そんなの、一同潜ったパーティーじゃないと、分かるわけないでしょう!」

「だから!一度潜ったパーティーに聞けよ!」

 あたりませだろ。と思いながら、フェンガーリが怒鳴る。

「教えてくれるわけないでしょう!相手からすればこちとら商売敵ですよ!」

「そんなはずないでしょ。あの雑魚は毎回情報を持って来てたのに……」

 ギーは少し動揺したような表情を作る。

「知りませんよそんなの……。後、これ、頼まれてた回復ポーションです」

 そう言って新雑用係は小さなポーションをフェンガーリ達に渡す。

「はぁ!?こんなちいせえのたった1個ってバカにしてんのか?!」

「ポーション代、あなたにはちゃんと払ったわよ?どれだけちょろまかしたの?」

 フェンガーリとギーはゴミを見るような目で新雑用係を見る。

「ポーションの値段を知らねぇのかお前ら!お前から貰った金じゃあ、これが限界だよ!もう我慢出来ん、フェンガーリのパーティだから我慢していたがここまで腐りきったパーティーだとは思わなかった!」

 新雑用係がブチ切れてフェンガーリ達のシェアハウスから出ていく。

「ポーションっていうかそんなに高いものか?」

 新雑用係が出て行った後、フェンガーリがギーに向かって尋ねる。

「そんなわけないでしょ。アイツに1千ゴールドも渡したのよ。でも、ゴミーリスには、500ゴールドくらいしか渡してなかったのに、今アイツが買ってきたポーションの3倍位の大きさのものを沢山用意できていたわよ」

「はぁ。バレバレの嘘つきやがってあのやろー……」

「騙されかけてましたけどね……。フェンガーリ」

 パーティメンバーの一人が少し呆れた顔でフェンガーリを見る。すると、周りからはアーリスを見下していた時の笑いとは全く違う、楽しそうな笑い声が聴こえてくる。

「う、うるせっ。はぁ……また探し直すか……」

「そうね……。今度は私達で探さずに、ギルドに頼りましょ」

「そうだな……」

 ギーの言葉にめんどくせえなあ、と言う顔をしながらフェンガーリが頷く。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

聖剣を錬成した宮廷錬金術師。国王にコストカットで追放されてしまう~お前の作ったアイテムが必要だから戻ってこいと言われても、もう遅い!

つくも
ファンタジー
錬金術士学院を首席で卒業し、念願であった宮廷錬金術師になったエルクはコストカットで王国を追放されてしまう。 しかし国王は知らなかった。王国に代々伝わる聖剣が偽物で、エルクがこっそりと本物の聖剣を錬成してすり替えていたという事に。 宮廷から追放され、途方に暮れていたエルクに声を掛けてきたのは、冒険者学校で講師をしていた時のかつての教え子達であった。 「————先生。私達と一緒に冒険者になりませんか?」  悩んでいたエルクは教え子である彼女等の手を取り、冒険者になった。 ————これは、不当な評価を受けていた世界最強錬金術師の冒険譚。錬金術師として規格外の力を持つ彼の実力は次第に世界中に轟く事になる————。

勇者パーティーから追放されたけど、最強のラッキーメイカーがいなくて本当に大丈夫?~じゃあ美少女と旅をします~

竹間単
ファンタジー
【勇者PTを追放されたチートなユニークスキル持ちの俺は、美少女と旅をする】 役立たずとして勇者パーティーを追放されて途方に暮れていた俺は、美少女に拾われた。 そして俺は、美少女と旅に出る。 強力すぎるユニークスキルを消す呪いのアイテムを探して――――

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

処理中です...