あの理不尽王子をやっつけたい！！！！ 〜自分達に向けられる理不尽に仲間(美少女)達と立ち向かう！〜

第一章

2人の奴隷 前編

「ええと……君たちは？」

宇井が構えていた槍を下ろし、2人に問いかける。

「……私たちはここで使役されている奴隷のクローリアと」

「……シ、シローラです。」

クローリアと名乗った少女の歳は17歳くらいで金髪のロングヘア。
そして、シローラと名乗った少女は16歳くらいで、こちらはピンク色のロングヘアだ。
シローラが1歩前に出て話し始める

「私達は、ゲウリジ リウス様に仕えている奴隷なのです」

ゲウリジ リウス？ああ、リウス王。
ここの王様の事か。

「私達は今、騒ぎに乗じてこの城から逃げようとしていたんです」

「だから、お願いします！ここは見逃してください！あなた達に絶対迷惑はかけません！」

シローラの説明に割り込む形でクローリアが懇願する。

なるほど、つまり彼女達はここから逃げ出したいのか、利害は一致している。
そして、彼女達は奴隷……外で暴れてる罪人達よりは裏切る可能性が低い……のか？
この世界の奴隷情報はよく分からないが……
ん？この世界？自分で言っといてなんだかそれではまるで僕がここじゃない世界から――

「ウイ！！」

急に耳元でセドゥが叫んできた。

「ぎゃあああ！み、耳がああ……」

「やっと反応した……どうしたの？急に考え込んじゃって」

どうやら、何度か呼びかけた後の対応だったらしい。