えほんのおへや

高峰すず

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にじにむかって

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ももちゃんとぺろは、てるてるぼうずを つれて あめのなかを さんぽしていました。
きのうも、きょうも、
あめが、ふっています。

ぱらん ぽとん

あめが、かさのうえで はね、
おきにいりの レインコートに、
おおきな あまづぶが、つきました。

「てるてるぼうずさ~ん、はれにしてくださ~い♪」

ふたりは、うたい、
それにあわせて  かさに ぶらさがる  てるてるぼうずも  おどっているよう。

ぽとり

ぺろの てるてるぼうずに ちいさな あまつぶが、おちました。

「かぜ、ひきますよ」

ぺろが、てるてるぼうずの かおを そっと ふきました。

するとーー

ぱら……ぽろ

あめが、こさめに なりました。

すーっと  おひさまが、くもの  あいだから  かおを だし、
あたりが、ぱーっと  あかるくなりました。

ふたりは、そらを みあげました。

「あっ」

ももちゃんが、みじかく さけびました。

「にじが みえるよ!」
「ほんとうに!?」
「にじのもんを くぐろうよ!」

ぺろが、ももちゃんのてと  てるてるぼうずを  ぎゅっと  しました。


ふたりは、にじに  むかって  はしりだしました。

パシャ  パシャ

みずたまりの  みずが、 つぎつぎと  はねあがり、おひさまの  ひかりを  あびて  ひかっています。

ふたりは、きらきらした  みちを はしっているようでした。
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