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うみのみえる おか
しおりを挟むももちゃんと ぺろは、うみがみえる おかのうえに たっていました。
まっさおな うみの まんなかには、
まっしろな にゅうどうぐもが もくもくと たちあがっています。
「おーい、にゅうどうぐもさーん」
ももちゃんと ぺろは おおきく いきを すってから はなしかけました。
にゅうどうぐもが、やわらかに わらいます。
「おや?このあたりでは、みかけないこだね」
「ぱぱとままと りょこうに きてるの」
「ほう。ここは きにいったかい?」
「はい!あそびたいことが いっぱいありすぎて、こまっちゃうくらい」
かたを すくめた ももちゃんが、てれたように こたえました。
ぺろは せいいっぱい せのびすると、
「あしたも とまるのー」
「そりゃいい。あすは ふねに のるといい。いるかくんたちが、いっしょに およいで くれるからね」
「ほんとー!?」
キラキラと かがやく ふたりの ひとみ。
ぺろが、ももちゃんを みあげました。
「ねえ、ぱぱとままに おねがいしてーー」
「うん!」
おおきく うなずいた ふたりは、こえを はりあげて にゅうどうぐもに たずねます。
「にゅうどう ぐもさーん、あしたも はれますか?」
「ああ、もちろん」
「にゅうどう ぐもさーん、あしたも あえますか?」
「ああ、もちろんさ」
にっこりと ほほえむ にゅうどうぐも。
さわやかな かぜが、ももちゃんとぺろの ほおをなでて いきます。
まるで にゅうどうぐもが、ふたりを なでている ようでした。
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