碧恋の詠―貴方さえ護れるのなら、許されなくても浅はかに。【現在他サイトにて連載中です(詳細は近況ボードまたは最新話部分をご確認ください)】

宵月葵

文字の大きさ
上 下
3 / 472
【 第一部 】 叶わない想い

2&3.

しおりを挟む


 恋、お金、あなたに奇跡を起す石

 カラフルに彩られた大文字が紙面を飾り付けている。

 「うそくさ・・」
 「でもぉ、これ口コミだから。身につけてればいいだけだしぃ、夢でくらい逢えるかもしれなくない?」
 「あのね口コミ言ったって、情報操作でどうにでもなるの」
 「うわ・・さむ・・」
 「それで千秋いきなり奇跡とか言い出したわけ」
 「もイイよ何も言わないからぁ」

 むくれる千秋についに苦笑して冬乃は、下駄箱から靴を落として上履きをしまった。
 「それよかこれからどぉする?」

 「あー。さっきね電話でぇ真弓きょーバイト休みになったって、うちら待つってゆってた」
 「どこ、ムック?」
 「知んない。渋谷ついたら電話してって」
 「アタシいま香水切れてんだよね、ドンク寄れない?」

 「寄るー」
 返しながら先に外へ踏み出した千秋が、ふと、
 「雨ぇ?」
 と顔をもたげた。

 「マジ?」
 続いた冬乃が空へ手をかざす。確かに僅かな雨粒を手の平に受けて。

 「夜には止むといいけど」

 冬乃の声は急に起こった風にかき消された。
 
 


※ 落丁状態だったため、2と3を統一しました m( )m

しおりを挟む
感想 71

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

幸せな番が微笑みながら願うこと

矢野りと
恋愛
偉大な竜王に待望の番が見つかったのは10年前のこと。 まだ幼かった番は王宮で真綿に包まれるように大切にされ、成人になる16歳の時に竜王と婚姻を結ぶことが決まっていた。幸せな未来は確定されていたはずだった…。 だが獣人の要素が薄い番の扱いを周りは間違えてしまう。…それは大切に想うがあまりのすれ違いだった。 竜王の番の心は少しづつ追いつめられ蝕まれていく。 ※設定はゆるいです。

五歳の時から、側にいた

田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。 それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。 グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。 前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

家出したとある辺境夫人の話

あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』 これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。 ※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。 ※他サイトでも掲載します。

余命1年の侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
余命を宣告されたその日に、主人に離婚を言い渡されました

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

処理中です...