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再逢の契り

60.

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 冬乃はそんなお孝へ苦笑いしてみせる。
 
 とはいえど。
 
 (どうしよ?)
 
 烏に木刀を当てるわけにはいかないし、かといって近くで振り回すだけで逃げていってくれるものだろうか。
 ニワトリから蹴りをくらっても退かないくらいなのに。
 
 (でもやってみるしかないよね)
 
 冬乃は意を決すると木刀を手に石段の草履へ足を通した。
 
 「冬乃」
 
 「え」
 「あ」
 不意の沖田の声に、冬乃もお孝も振り返って。
 
 いま角を曲がってきた様子で沖田がそこに居た。
 
 「おはようございます、お孝さん」
 沖田がその爽やかな笑みで、己を振り返ったお孝に挨拶する。
 
 「おはようさんどす沖田様」
 お孝がほっこりする会釈を返した。
 
 朝餉の迎えに来てくれたのだろう。いつのまにかもうそんな時間だったのだ。未だ冬乃は顔も洗えていないのだが。
 
 
 「物騒だな」
 冬乃が木刀を持ち出しているのを目に、沖田が笑った。
 「ニワトリへ加勢?」
 
 「ハイ」
 冬乃はどうしようもなさげに頷く。
 
 
 「いいよ、俺がやるから」
 (え)
 
 告げるなり鳥達の近くへ向かってゆく沖田の背を、冬乃もお孝も彼がどうするのかと見やって。
 
 刹那。
 
 ビリッと鋭い気を感じた冬乃は、激しく総毛立った。
 
 (あっ)
 
 
 それは、まさに一瞬。
 
 
 バサバサと一斉に烏たちが舞い上がり、今まで聞いたこともないような鳴き声を発しながらあっというまに黒い集団となって飛び去っていった。
 
 
 (わ・・・・わ・・)
 
 ぽかんとしているお孝と違ってさすがに冬乃は、今なにが起こったのか理解して。
 
 平和そうにコッココッコと地面をつつき出すニワトリ達を背に、沖田が戻ってくるのを。
 
 (・・・総司さん、)

 冬乃は目を瞬かせて、迎えた。
 
 その場で剣気を叩きつけて烏たちを追い払うとは・・・・


 (一番物騒なの、総司さんですから!!)
 
 
 「近づいたら勝手に逃げていってしまいましたね」
 沖田の台詞に、
 まさに狐につままれた表情になったお孝に、沖田は続けてにっこり微笑む。
 
 剣をたしなむ冬乃ほどでなくても、お孝も何かしら体に感じたはずだが。そこはごまかすらしい。
 たしかに剣気をつかったと説明してもお孝には通じないだろうけど。
 
 「もう飯、行ける?」
 沖田が石段に立ち尽くしたままの冬乃を向いた。
 
 冬乃ははっとして、ふるふると首を振る。
 「すみません、まだ顔を洗ってなくて」
 
 「あ、うちも支度せな」
 お孝が弾かれたように、わたわたと石段を上がってきた。
 
 冬乃も急いで木刀をしまいに部屋へ戻る。
 「井戸場まで一緒に行くよ」
 ニワトリやヒナの声が漸くしっかり聞こえるようになった中で、沖田の穏やかな声が冬乃を追った。
 



 
 
  



   **************


 このところシリアス続きでしたので、ここらへんで気分一新で、久しぶりにリクエスト受付を再開したいとおもいます^^v

 久しぶりに、と申しましても、初めからアルファポリス内でご覧くださっているお客様にはなんのことやらかと存じますので、拙いながらご説明させてください。

 付帯特典機能(詳細割愛)のあるエブリスタという投稿サイトでも拙作を掲載しておりました際に、行っておりましたものなのですが、

『こんなシーンが見てみたいなどのご希望に沿って、本編内で、もしくはスピンオフ的に、書かせていただきます~v』というものでして、

 今回も、本編内またはスピンオフ小話として書かせていただくリクエストを募集したいと考えております。
 ただ、今回の掲載場所はここアルファポリス内といたしますので、R15までの範囲となりますることご了承ください m( )m

 どうしてもR18を!との場合は・・ご相談ください(^^ エブリスタの付帯特典機能を使います。


 (頂戴したリクエストをスピンオフ的に書かせていただく場合は、その話のタイトルにそのように明示して掲載いたします。)(本編内で書かせていただくかスピンオフ的に書かせていただくかの判断は、私めのほうにてさせてくださいまし。)

 なんだか説明がへたですみません。伝わりましたでしょうか><;
 受付の期限はとくに設けませぬので、お気が向かれたときに、感想欄のほうでお声をかけてくださいませ^^v

 以上ごれんらくでございました。

 本編の進行もあいかわらずのんびりで完結まで半年はかかってしまいそうですが、なるべく日を置かず、できれば毎日すこしずつでも更新できるよう、今後とも励んでまいります。
 どうぞ最後までおつきあいいただければ大変にさいわいでございます m( )m ・・v


 
   **************
 


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