366 / 472
壊劫の波間
28.
しおりを挟む自好さんと見放ちゃんと無子で遊ぶことが少し珍しくなってきたある日、自好さんと見放ちゃんはシーシャをしに行くと言って終電ギリギリの駅前で帰ろうとしていた無子に伝えた。
無子はシーシャにいいイメージを持っていなかったので行くか悩んでいると、自好さんが、
「行きたくないなら来なければいい。」
と言った。
多分、無子がちょくちょく出す自分の時間を台無しにされた時の不機嫌な態度を見たくなかったからだろう。
だから無子は酔って少し足がおぼつかない2人を背に電車に乗り、家に帰った。
けど、一人暮らしで同い年の見放ちゃんの安否が不安でメッセージや自好さんのことが好きな男性とそのことで少し電話していると、すぐに自好さんからそのことについて電話が来た。
向こうからしたら余計なお世話で、過保護過ぎると言って自好さんと見放ちゃんに無子はキレられた。
その中で自好さんはそういう話をするなら私たちのことを知らない友達にしろと言ったので、無子は高校卒業しても繋がりがあった面倒ちゃんに話した。
けど、それから面倒ちゃんは連絡をくれなくなった。
きっと別世界の人になったとか思ってしまったのか、単に無子とのメッセージが面倒になってしまったのか。
それは面倒ちゃん本人しか知らないけれど、無子の友達がふわっと1人いなくなったのは事実。
無子はやっぱり“友達”という関係性を構築するのがど下手くそですぐに壊れる。
だからその次の日、自好さんと見放ちゃんに会うと昔されたいじめレベルの素っ気なさで会話をされて無子はもう2人との関係がだるくなった。
無子はそれで2人の関係も終わり、学校では1人でいいやと腹をくくっていると自好さんに名前を呼ばれたのでその場に行く。
「何?」
「『何?』じゃなくね?」
無子はその語尾の強い自好さんが嫌になる。
「なんで私たちに構うの?親じゃあるまいし。」
「そうだよ。そういうのうざったい。」
…はあ。
もういいって。
無子はそう思い、もういいと言って2人との会話を辞めてその場からいなくなろうとすると、自好さんが、
「ぶつかれよ。なんでぶつかってこないの?」
と、怒ってきた。
無子はその意味が分からずに困惑する。
だって、私が面倒くさいから2人はイラついてるんだよね?
だったら一緒にいないっていうのが賢明な考えじゃない?
「ぶつかる意味がなくない?」
無子は意味を見出せない喧嘩を早く終わらせたくて本音を伝える。
すると、見放ちゃんが、
「私にああいうメッセージ送らないで。無子は私のこと下に見てるんだろうけど、私も一応大人だから。」
と言った。
きっとここで2人との関係性を終わらせていれば、面倒くさい関係性を続けなくてよかったのかもしれない。
けど、初めての彼氏にも出会うことはなかった。
だから2人には夜遊びと女っぷりを教えてくれたことを感謝してるよ。
そんな脆い友情関係を繋ぎとめた無子は秋にちょっとした運命的な出会いをした。
環流 虹向/子宮が疼く愛が欲しい
無子はシーシャにいいイメージを持っていなかったので行くか悩んでいると、自好さんが、
「行きたくないなら来なければいい。」
と言った。
多分、無子がちょくちょく出す自分の時間を台無しにされた時の不機嫌な態度を見たくなかったからだろう。
だから無子は酔って少し足がおぼつかない2人を背に電車に乗り、家に帰った。
けど、一人暮らしで同い年の見放ちゃんの安否が不安でメッセージや自好さんのことが好きな男性とそのことで少し電話していると、すぐに自好さんからそのことについて電話が来た。
向こうからしたら余計なお世話で、過保護過ぎると言って自好さんと見放ちゃんに無子はキレられた。
その中で自好さんはそういう話をするなら私たちのことを知らない友達にしろと言ったので、無子は高校卒業しても繋がりがあった面倒ちゃんに話した。
けど、それから面倒ちゃんは連絡をくれなくなった。
きっと別世界の人になったとか思ってしまったのか、単に無子とのメッセージが面倒になってしまったのか。
それは面倒ちゃん本人しか知らないけれど、無子の友達がふわっと1人いなくなったのは事実。
無子はやっぱり“友達”という関係性を構築するのがど下手くそですぐに壊れる。
だからその次の日、自好さんと見放ちゃんに会うと昔されたいじめレベルの素っ気なさで会話をされて無子はもう2人との関係がだるくなった。
無子はそれで2人の関係も終わり、学校では1人でいいやと腹をくくっていると自好さんに名前を呼ばれたのでその場に行く。
「何?」
「『何?』じゃなくね?」
無子はその語尾の強い自好さんが嫌になる。
「なんで私たちに構うの?親じゃあるまいし。」
「そうだよ。そういうのうざったい。」
…はあ。
もういいって。
無子はそう思い、もういいと言って2人との会話を辞めてその場からいなくなろうとすると、自好さんが、
「ぶつかれよ。なんでぶつかってこないの?」
と、怒ってきた。
無子はその意味が分からずに困惑する。
だって、私が面倒くさいから2人はイラついてるんだよね?
だったら一緒にいないっていうのが賢明な考えじゃない?
「ぶつかる意味がなくない?」
無子は意味を見出せない喧嘩を早く終わらせたくて本音を伝える。
すると、見放ちゃんが、
「私にああいうメッセージ送らないで。無子は私のこと下に見てるんだろうけど、私も一応大人だから。」
と言った。
きっとここで2人との関係性を終わらせていれば、面倒くさい関係性を続けなくてよかったのかもしれない。
けど、初めての彼氏にも出会うことはなかった。
だから2人には夜遊びと女っぷりを教えてくれたことを感謝してるよ。
そんな脆い友情関係を繋ぎとめた無子は秋にちょっとした運命的な出会いをした。
環流 虹向/子宮が疼く愛が欲しい
0
お気に入りに追加
927
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。


イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる