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恋華繚乱

122.

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 どうやってあれから近藤の部屋へ来たのか、冬乃はよく覚えていない。
 
 倒れかけたところを沖田に支えられ、「その反応は可愛すぎだろ」とまた揶揄われたところまでは、覚えていて、
 
 頭の奥がぼやっとするままに冬乃は、近藤の茶の用意のために井戸場へ、沖田は斎藤を連れて自室へとそれぞれ向かい。
 
 そして今に至る。
 井戸場で、恐らくは体が覚えているままに自動的な動作をしていたのだろう、
 きちんと今、冬乃の膝の前に、茶に必要なものが揃っているところを見る限り。
 
 
 「冬乃さん、さっき歳の言った事は、そんなに気にしなくていいよ」
 
 未だ気を抜くとぼんやりしてしまっている冬乃に、近藤が気遣ってくれる。
 
 「すみません」
 冬乃は慌てて会釈をして、用意を終えた茶の盆を近藤の脇の畳に置いた。
 置きながら。
 
 (総司さんと・・)
 またも、冬乃の心の視線は茶を素通りしてしまう。
 
 (・・・一緒に住む・・)
 
 きっと冬乃が食事を作って沖田の帰りを待っていて。
 風呂の用意もしておいて。
 そして彼が帰ってきたら、今日はどちらにしますか、なんて聞いたりするのだ。
 
 
 (そんなことが、叶っていいの・・?!)
 
 
 そして、・・だけど。
 
 (夜もずっと一緒、てことは)
 
 冬乃の心配している事は、避けようが無いのではないか。
 
 それでも沖田と一緒に住むという、そんな甘い誘惑に、
 冬乃が抗えるはずも、また無く。
 
 
 
 「冬乃さん、そういえばそろそろ書簡は読めるようになったかな」
 
 ふと近藤が文机から顔を上げて、冬乃を振り向いた。
 
 「あ・・」
 
 冬乃ははっとして近藤を見返した。
 
 
 沖田がこのところ毎日欠かさずに、少しの時間でも確保してくれて、おかげで文字の読解の特訓は更に進んでいた。
 
 もっとも、その特訓の時間は、随分と芳潤な時間でもあって。冬乃が難しい箇所をきちんと読めたりするたびに、抱擁と口づけのご褒美が降ってくるのだから。
 
 時々、冬乃がかえって読解に集中できなくなることは、もちろん内緒にしている。
 
 
 
 「はい・・っ、恐らくなんとか・・」
 
 冬乃は、どきどきと胸を高鳴らせつつ答えた。
 
 「そうか、それは有難い。では早速・・」
 近藤が、冬乃へ書簡を出してきて、仕事の指示を伝えてくるのへ、
 真剣に向かいながら冬乃は、
 
 沖田のおかげでついに従事が叶ったこの仕事に、今は全力で集中しよう、と。漸く心内を鎮めたのだった。
 
 
 
 
 
 
 
 藤堂と沖田は、“男同士の話”というのを無事済ませた様子だった。
 二人の以前と変わらぬやりとりを耳に、冬乃は安堵とともに、
 
 食事の場でいま冬乃を挟んで、愉しげに旅の土産話をしている藤堂を隣にして、
 これまで全く、藤堂の気持ちに気付けなかった自分に、少々落ち込んでもいて。
 
 (ずっと妹みたいに接してもらえてるんだとばかり・・)

 以前に山野に、鈍感、といわれたが。
 これではその通りではないか。
 
 (ごめんなさい藤堂様。そしてありがとうございます・・)
 
 同じかたちの想いは返せなくても、冬乃にできる方法で想い返していけたら、と。
 冬乃に対しても以前と全く変わらない態度で接してくれる藤堂に、冬乃はそして心の内で頭を下げた。


 (それに・・山南様のことも・・本当にごめんなさい)
 
 藤堂、斎藤、沖田、冬乃の四人で広間へ来る間。
 八木家への挨拶の後に光縁寺で手を合わせてきたよ、と藤堂のほうから話をしてきた。
 山南の埋葬された寺だ。

 『皆で必死に説得したのに決意が固かったんだって?山南さんらしいや』
 哀しく微笑ってそう呟いた藤堂からは、彼の内で訣別ができているさまが感じ取れて。
 
 
 (藤堂様・・)
 
 藤堂は受け止めていても。
 
 冬乃にとっては、死期を知っていながら、命を助けることは叶わない己の無力さは、再び冬乃の胸に暗く翳を落としていた。
 
 じきに、藤堂もまた、避けられない運命に向かってゆく。冬乃は考えないように努めていた彼のこの先を、どうしても思い出してしまい。
 
 
 「・・ていうことがあったんだよ!ありえないでしょ?!」
 今も楽しそうに語らう藤堂の隣で。冬乃は膝の上の手を握り締めた。
 

 (命は救えなくても。藤堂様が望む最期を見つける、絶対に)
 
 騒ぐ心を落ち着かせるべく、静かに、そして冬乃は息を吐いた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 東下組が帰屯してから連日。
 
 斉藤のほうはどうか分からないが、沖田はやはりどうやら“斎藤渇望症”だったらしく、時間を見つけては斎藤を道場に引っ張り込んでおり。
 久々に彼らの稽古を見る者達も、初めて見ることになった新入りの者達も、大いに刺激を受けている様子で、このところ道場は常に活気だっていた。
 
 
 なにより、局長の近藤と副長の土方の下に、監察および、八つの隊に各組頭と伍長を配置した新編成も組まれることとなり、これまでの体制はより一層強化され。
 
 今、まさに新選組は、最盛期を迎えていた。
 
 
 
 編成の表を冬乃は、すでに近藤の部屋で見ていた。
 
 後世によく伝わっているものとは、少々違っていたことが印象深く、冬乃は、未だ平成十二年の段階では未発見の事柄なのだろうと、胸の高鳴る想いで受け止めた。
 
 
 各隊の組頭に関しては以下である。
 
 一番隊 組頭 沖田 総司
 二番隊 組頭 永倉 新八
 三番隊 組頭 井上 源三郎
 四番隊 組頭 藤堂 平助
 五番隊 組頭 斎藤 一
 六番隊 組頭 伊東 甲子太郎
 七番隊 組頭 武田 観柳斎
 八番隊 組頭 谷 三十郎
 そして、
 小荷駄隊 組頭 原田 左之助




 新編成が貼り出されたその日。冬乃は千代を訪れるつもりで休みをもらっていた。
 
 
 以前に千代と古着屋で買った、淡い梅鼠色の帷子を着こみ、門へと向かっている時。
 
 「冬乃さん」
 梅雨が来そうで来ない微妙な空の下、声をかけてきたのは蟻通だった。
 
 
 想い返せば、沖田と大々的に恋仲であると知れ渡ってからは、あの池田の他に、冬乃に声をかけてきた数少ない隊士ではないか。
 
 
 「なんだか、すごく久しぶりに話せる気がする」
 
 少し遠慮がちに囁いた蟻通は、どこか寂しげながら温かい眼差しで、冬乃を見た。
 
 「あの、・・沖田先生との事、おめでとう」
 
 そして零されたその台詞に。冬乃はおもわずぺこりと頭を下げて。
 
 「冬乃さんのことは、ひとめぼれでした」
 
 下げた頭に優しく降ってきたその声に。冬乃は、はっと頭を上げた。
 
 
 (蟻通様・・)
 
 「もちろん、相手にされてないのは分かってたから。・・俺は冬乃さんが幸せだったら、それでいいんです」
 
 呼びとめてすみません
 と蟻通は言い足して、冬乃から一歩離れて。
 
 
 「どうかずっとお幸せに」
 
 「あ・・ありがとうございます・・っ」
 
 冬乃は込み上げる想いに、もう一度、深く礼をし。去ってゆく蟻通の背を暫く見送った。
 
 彼もまた、誰かと幸せになれますように。冬乃は心から祈らずにはいられなかった。
 
 
 
 
 (・・まだ池田様には、恋仲を装っていると、そういえば思われたままだったりするのかもしれない)
 
 やがて、門へと再び歩み出しながら、冬乃は以前やはり声をかけてきた池田に関して、胸に過ぎった疑問にまたすぐに足を止め。
 
 
 (装うのを黙っていてくれたわけだし・・その御礼を兼ねて、きちんと伝えたほうがいいよね)
 
 「おい未来女」
 
 (わ!)
 
 いきなりそこへ、背後から土方の声が響いた。
 
 吃驚して振り返れば、少し着飾ったふうの土方と、隣には沖田がいて。
 
 (あ・・)
 
 「おまえ、どこ行く」
 土方の問いに。しかし瞬間、冬乃は固まった。
 
 沖田を前に、咄嗟に言葉が出なかったのだ。
 千代に会いに行く、とは。
 
 
 「あ・・と、ちょっと買い物に・・」
 
 
 千代に。冬乃は、無性に会って話がしたかった。
 
 沖田との事を伝えられるわけでもないのに、それでも。
 
 すでに冬乃は、千代の運命すら変えてしまったのだ。
 彼女がそれなら今そしてこの先、どうなるのか。
 気懸りだった。
 
 
 「一人でのこのこ出歩くな。おまえだって、顔が知られているかもしれねえんだぜ」 
 冬乃を前に、土方が溜息をついた。
 
 「え?」
 
 「俺や組の人間との外出時には、毎回頭巾を着用してもらってますから、大丈夫なはずですよ」 
 あまり冬乃を怖がらせないようにと、沖田が横から継ぎ足す。
 
 冬乃は二人を見上げた。
 
 (一人で出歩くなって・・どういうこと・・?)
 
 「貴女には言ってなかったね。最近、隊士が狙われる事件が続いていて、隊士達には今、一人歩きを禁止している」
 続いた沖田の説明に、冬乃は驚いて目を瞬かせた。
 
 
 「まあ、幹部の人間達は、好き勝手に一人で歩き回ってるけど」
 藤堂とか。
 ついこの前も一人でさくさく壬生へ行っていた彼の名を、沖田が哂って例に挙げる。
 
 
 (私の少し前に、井上様が出ていくのもお見かけしたような・・)
 
 「まったくもって示しがつかねえ」
 規律の鬼の身からすると面白くないのか、土方が舌打ちした。
 
 「だからといって、貴方の女通いにまで付き合わされるのもねえ」
 「ってめ、いちいちばらすな」
 
 (え)
 
 冬乃はおもわず沖田を見上げた。
 だがすぐ、不安げな表情にでもなってしまったかと気づいて俯く。
 
 「・・ああ、」
 沖田が、冬乃の驚くほど優しい声を発した。
 「俺はただの土方さんの護衛だから。この人を上七軒まで送ったらすぐ帰るよ」
 
 沖田のその言葉でほっとしてしまった冬乃は、顔を上げながらそのままちらりと土方を盗み見た。 
 
 上七軒・・お相手は後世に有名な君菊さんだろうか。
 と咄嗟に思った事は、胸に秘める。
 
 
 「・・・て、考えてみりゃ、おめえも俺を送った後は、一人で歩くんじゃねえか」
 
 これではやはり示しが。
 と、ふと眉をひそめた土方に、沖田が今更気づいたのかと哂う。
 土方からしても、沖田が一人で歩いていようと心配は無いために、失念していたのだろう。
 
 
 「俺のことはいいですよ。ただ貴方は、帰りは駕籠で帰ってきてください」
 夜は暗いからどうせ見えまいなどと油断しないように、と土方に念を押す沖田に、土方は「わかったよ」ときまりが悪そうに横を向いた。
 
 
 「で、未来女のほうはじゃあ本当に大丈夫なんだな」
 
 「そりゃ、念には念をいれりゃキリがないですよ。本当なら四六時中そばにいて護っててやりたいですし、むしろ叶うならば、安全な場所にずっと閉じ込めてしまいたいですがね」
 そういうわけにもいかないでしょう。
 
 沖田がさらりと。溜息に乗せて呟いた。
 
 
 (・・・え?)
 
 今すごい台詞を告白された事に。一寸のち気が付いた冬乃は、

 次には真っ赤になっていた。
 
 
 「てめえ・・さらりと、デカいのろけを聞かすんじゃねえ」
 
 土方が、冬乃の見事に色づいた頬を見やって苦笑し。
 
 (総司さん・・っ・・)
 
 はい、もう閉じ込めてください・・!
 
 冬乃のほうはよほど返したいが、もちろん口を噤む。
 
 
    


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