69 / 93
第一部ルート6「終焉」~それぞれの道~
戦闘2
しおりを挟む
ハクシの背中を見送ってからしばらく経った頃だった。
うつ伏せのまま壁の一点を見つめて、呆然と色々な事を考えていた。
オペ直後は痛みが強かったが、翼の感触は徐々に確かな物になり痛みもマシになっている。
もう二度と空に戻ることが出来ないと思っていたがまた翼を羽ばたかせる時がくると思うと、嬉しい感情が高ぶって自分でもわかるぐらい顔がニヤケ面で歪んでいた。
少し体の自由が効くようになってきたので、状態を起こし寝ていた机に腰をかけた。
手を後ろに回して翼があることを何度も何度も確認する。
少し痛みを伴うが、翼を意識して動かしてみた。
2回ほど仰いでみると、違う机の上に置いてあった紙が舞い上がる。
もう少し経てばきっとちゃんと飛ぶことも可能だろう。
それにしても…最後に塗られた薬の効果が抜群すぎて怖いぐらいである。
「後で何の薬を使ったか聞いてみようかな…。」
突然、前方の扉がゆっくりと音を立てて開きだした。
「なぁにぃをぉ~きぃくぅのぉ~かなぁ?」
凍てつくような寒気が全身を覆い、恐怖のあまり声が出せない…。
私は後方へ机の上を這いずりながら、向こう側へ落下して身を隠す。
言葉に違和感があったが、この声は先程も聞いたクイナの物である。
「おやぁ?何処かに隠れてしまったんですかぁ?」
コツコツとクイナはこちらに近づいてきた。
私は息を潜めて固唾を飲む…。
「かくれんぼはぁ~好きですぅよぉ?」
奇妙な笑い声と共に、確実に近づいて来ている。
どうにかして逃げなければ…。
どうやって…。
必死に考えていると足音はこちらじゃない逆方向へ歩いていくのが聞こえた。
今がチャンスではないのか?
翼は不完全な状態だが、少しの間耐えれば使えるはず…。
意を決して机の下から飛び出した。
…が。
瞬時にその場に停止する。
そこにはニコニコとしているクイナの顔が、キスしてしまうんじゃないかと思うぐらい至近距離にあった。
「みぃ~つぅ~けぇ~たぁ~。」
驚いた反応で後ろに足を滑らせてしまう。
体制を立て直そうと翼を使おうとしたが、まったく動かなかった。
「だめですよぉ?頭隠して尻隠さずとはよく言いますがぁ…翼が隠れてませんでしたよぉ?」
クイナに翼を鷲掴みされて、そのまま宙吊り状態になった。
接合仕立ての傷口に負荷がかかる。
激痛に耐えながらクイナを睨みつけた。
「怖い顔ですねぇ~。かわいい顔が台無しですよぉ?さっき吹っ飛ばしたフィーレみたいに可愛くしてあげましょうかぁ?多分死んじゃったと思いますけどねぇ?」
感情が死の恐怖で一杯になって、震えが止まらない。
かなりの死線を潜り抜けてこの場に居たとしても、やはり死の恐怖は変わらずあるものだ。
「わ、私をどうする…つもり?」
声を震わせながらクイナに質問する。
「どうしましょうねぇ?たまたま自爆の準備する為に、ここに来ただけだからねぇ?フィーレが失敗したマインドカラーの生贄なんて、もう存在価値なんてない物ですからねぇ…。」
クイナは少し考えた後に不気味に笑いながら、鷲掴んでいる私を顔へ近づけて。
「どうせ先に死ぬかぁ、後に死ぬかの差ですがぁ…。先に死んでくださいぃ!!!」
クイナが言葉と共に、私の翼を持っている手に力を込めて…。
一気に天井を突き破るぐらいの勢いを付けて上に投げ飛ばされる。
私は息つく間もなく、意識がどこか遠くへと飛ばされて消えていった。
うつ伏せのまま壁の一点を見つめて、呆然と色々な事を考えていた。
オペ直後は痛みが強かったが、翼の感触は徐々に確かな物になり痛みもマシになっている。
もう二度と空に戻ることが出来ないと思っていたがまた翼を羽ばたかせる時がくると思うと、嬉しい感情が高ぶって自分でもわかるぐらい顔がニヤケ面で歪んでいた。
少し体の自由が効くようになってきたので、状態を起こし寝ていた机に腰をかけた。
手を後ろに回して翼があることを何度も何度も確認する。
少し痛みを伴うが、翼を意識して動かしてみた。
2回ほど仰いでみると、違う机の上に置いてあった紙が舞い上がる。
もう少し経てばきっとちゃんと飛ぶことも可能だろう。
それにしても…最後に塗られた薬の効果が抜群すぎて怖いぐらいである。
「後で何の薬を使ったか聞いてみようかな…。」
突然、前方の扉がゆっくりと音を立てて開きだした。
「なぁにぃをぉ~きぃくぅのぉ~かなぁ?」
凍てつくような寒気が全身を覆い、恐怖のあまり声が出せない…。
私は後方へ机の上を這いずりながら、向こう側へ落下して身を隠す。
言葉に違和感があったが、この声は先程も聞いたクイナの物である。
「おやぁ?何処かに隠れてしまったんですかぁ?」
コツコツとクイナはこちらに近づいてきた。
私は息を潜めて固唾を飲む…。
「かくれんぼはぁ~好きですぅよぉ?」
奇妙な笑い声と共に、確実に近づいて来ている。
どうにかして逃げなければ…。
どうやって…。
必死に考えていると足音はこちらじゃない逆方向へ歩いていくのが聞こえた。
今がチャンスではないのか?
翼は不完全な状態だが、少しの間耐えれば使えるはず…。
意を決して机の下から飛び出した。
…が。
瞬時にその場に停止する。
そこにはニコニコとしているクイナの顔が、キスしてしまうんじゃないかと思うぐらい至近距離にあった。
「みぃ~つぅ~けぇ~たぁ~。」
驚いた反応で後ろに足を滑らせてしまう。
体制を立て直そうと翼を使おうとしたが、まったく動かなかった。
「だめですよぉ?頭隠して尻隠さずとはよく言いますがぁ…翼が隠れてませんでしたよぉ?」
クイナに翼を鷲掴みされて、そのまま宙吊り状態になった。
接合仕立ての傷口に負荷がかかる。
激痛に耐えながらクイナを睨みつけた。
「怖い顔ですねぇ~。かわいい顔が台無しですよぉ?さっき吹っ飛ばしたフィーレみたいに可愛くしてあげましょうかぁ?多分死んじゃったと思いますけどねぇ?」
感情が死の恐怖で一杯になって、震えが止まらない。
かなりの死線を潜り抜けてこの場に居たとしても、やはり死の恐怖は変わらずあるものだ。
「わ、私をどうする…つもり?」
声を震わせながらクイナに質問する。
「どうしましょうねぇ?たまたま自爆の準備する為に、ここに来ただけだからねぇ?フィーレが失敗したマインドカラーの生贄なんて、もう存在価値なんてない物ですからねぇ…。」
クイナは少し考えた後に不気味に笑いながら、鷲掴んでいる私を顔へ近づけて。
「どうせ先に死ぬかぁ、後に死ぬかの差ですがぁ…。先に死んでくださいぃ!!!」
クイナが言葉と共に、私の翼を持っている手に力を込めて…。
一気に天井を突き破るぐらいの勢いを付けて上に投げ飛ばされる。
私は息つく間もなく、意識がどこか遠くへと飛ばされて消えていった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる