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花婚式 4th Wedding Anniversary
【終】20:00
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唐揚げを揚げながら恵介の帰りを待っていると、「ただいまあ」と言いながら、恵介は「これ、お土産」と花かごを渡してきた。
「これは?」
「あー、結婚記念日でしょ。アダチの自販機で買った。花の活きはイマイチだけど…」
アダチというのは、恵介の通勤路にある生花店の名前だ。
たしか営業時間は21時ぐらいまでだったけど、やはり今は繰り上げにしているようだ。
その代わり、店の前にもともとあったブーケや花かごの自販機販売を充実させているという。自販機だからどうしても限界があるけれど。
それでもバラ、トルコキキョウ、カスミソウなど、全体に白やピンクの淡い色彩が可憐でかわいい、素敵な花かごだった。
「…ありがとう」
「え?あずみ、泣かないでよ!来年はもっといいのを買って…」
「ううん、何でもうれしいよ。ていうか、恵介が忘れてなかったことが一番うれしいから」
「何か、俺の評価低くね?」
「何をおっしゃる!」
私は唐揚げを揚げながらつまみ食いしたことを忘れ、恵介に抱き着いてキスをした。
「…俺のメシ、唐揚げ1個多目にちょうだいね」
「あ、バレた?」
今日これ以降の会話は、全て2人の照れ隠しで構成されそうだけど、こういううれし恥ずかしのくすぐったさは、本当に久しぶりかも。
「あ、そのヘアスタイルいいじゃん。これ――髪飾りにしてみたら?」
ケイスケが花かごのスポンジ(オアシス)から、カスミソウを一房抜いて、私のお団子アレンジに挿した。
「いいじゃん。これも挿して…これも…そうだ。写真も撮っとくか?」
「やだ、恥ずかしいよ」
「自分の後頭部は見えないでしょ?記念だよ、記念」
恵介、本当にありがとう。照れ隠しでもうれしいよ。
【『花婚式 4th Wedding Anniversary』 了】
「これは?」
「あー、結婚記念日でしょ。アダチの自販機で買った。花の活きはイマイチだけど…」
アダチというのは、恵介の通勤路にある生花店の名前だ。
たしか営業時間は21時ぐらいまでだったけど、やはり今は繰り上げにしているようだ。
その代わり、店の前にもともとあったブーケや花かごの自販機販売を充実させているという。自販機だからどうしても限界があるけれど。
それでもバラ、トルコキキョウ、カスミソウなど、全体に白やピンクの淡い色彩が可憐でかわいい、素敵な花かごだった。
「…ありがとう」
「え?あずみ、泣かないでよ!来年はもっといいのを買って…」
「ううん、何でもうれしいよ。ていうか、恵介が忘れてなかったことが一番うれしいから」
「何か、俺の評価低くね?」
「何をおっしゃる!」
私は唐揚げを揚げながらつまみ食いしたことを忘れ、恵介に抱き着いてキスをした。
「…俺のメシ、唐揚げ1個多目にちょうだいね」
「あ、バレた?」
今日これ以降の会話は、全て2人の照れ隠しで構成されそうだけど、こういううれし恥ずかしのくすぐったさは、本当に久しぶりかも。
「あ、そのヘアスタイルいいじゃん。これ――髪飾りにしてみたら?」
ケイスケが花かごのスポンジ(オアシス)から、カスミソウを一房抜いて、私のお団子アレンジに挿した。
「いいじゃん。これも挿して…これも…そうだ。写真も撮っとくか?」
「やだ、恥ずかしいよ」
「自分の後頭部は見えないでしょ?記念だよ、記念」
恵介、本当にありがとう。照れ隠しでもうれしいよ。
【『花婚式 4th Wedding Anniversary』 了】
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