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第34章 【終】オレンジミント
元夫の近況
しおりを挟む早いもので、幸奈はもうすぐ2歳の誕生日を迎える。
保育園にもすっかり慣れ、なかなか陽気でおしゃべりさんである。ちょっとした短文なら出るくらいになってきた。
「彼」には、事前に伝えてさえくれれば、いつ幸奈に会ってもいいとは言っているのだが、あれから一度も顔を見にこない。
きまり悪いのか、実は興味がないのかは分からない。
その代わり、みゆきが時々私を訪ねてきてくれる。
相原の家の人間ということで、最初は少し警戒していた両親だったが、あくまで「私と幸奈の友人だから」と言うと、歓迎してくれるようになった。
彼女の話によると、「おニイは今、結構若い子と付き合ってるっぽくて…詳しくは分からないけど…」ということだから、千奈美と真剣に付き合っているのかもしれない。
みゆきも妊娠や中絶のことを知ったら、さすがに平静ではいられないだろうし、話すにしても「彼」本人の口から言うべきことだろうから、私からは何も言わず、「ふうん」とだけ反応した。
一応、養育費だけはちゃんと振り込まれているが、いよいよ私の人生には関係のない人になりつつあるようだ。
みゆきにも恋人ができ、結婚を前提とした仲のようだ。
さすがにお式に招くことはできないが、決まったら知らせるとは言ってくれたので、こっそりお祝いなど渡せたらいいなと楽しみにしている。
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