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第25章 愛の形
幸助
しおりを挟む僕はマナちゃんが初めての相手だった。
とにかくかわいくて頭が悪くて従順なマナちゃんは、セックスはいまいちだけど、連れて歩いているだけで、男たちがうらやましそうに見てくるのがうれしかった。
マナちゃんが妊娠中、適当な子たちと適当に遊んで、僕って意外とこういうことをスマートにできるんだなって、自分で自分に感心した。女の子の選び方が絶妙にうまいのかもしれない。
抱いた子の中には、とにかくすごいテクニシャンもいたし、体の相性だけは最高な子もいたし、見かけ倒しの子もいた。まあそういう意味での勝率は7割くらいかな?
マナちゃんが妊娠してお姫様を産んだ後、ピルを飲むようになったから、ナマでやり放題になったし、やっぱり浮気はまずいかなと思って控えたけど、同じものばかり食べるのは飽きちゃう。
職場でひっかけるのはバイトの子だけ。期間限定の子が多いってのもあるけど、正職員はやっぱりいろいろ面倒くさそう。
彼氏とか、ほかにもセフレがいるような子の方がお互い割り切れていい。
まあ、「彼氏いるから」って断る堅苦しい子もいないわけじゃないけれど。結婚してるわけじゃないのにスクエア過ぎるよねー。彼氏のことすげえ束縛してそうww
◇◇◇
お姫様の発熱で「おうちデート」がおじゃんになり、マナちゃんを呼び戻したら、僕がご飯食べていないことを知っているくせに何も買ってこなかった。本当に気が利かないなあ。
このところ家事とかテキパキやっているように見えたのに、ま、所詮はこんなもんか。
デートの相手にもう一回連絡するのも何となく気が進まなくて、適当に昼飯食って、後のことは後で考えようと思って出かけたら、牛丼屋の券売機のところでマゴマゴしてる若い女の子がいた。
高校生、かな。まあまあかわいい。ちょっとからかい程度にご飯おごって話したら、すっかり僕を信用したみたい。笑うとさらにかわいい(でも、マナちゃんほどではない)。
若いし、デブじゃないし、まだ高校生だから頭悪そう。遊ぶ相手としてはぴったりかもしれないと思って誘ったら、ほいほいついてきた。
ホテルに行って、「嫌なら指一本触れない」って言ったら抵抗しなかったけど、わざわざホテル入ってそれで済むわけないじゃん。
しかし、やっぱり若い肌って最高だね。マナちゃんもまだ20代だから、そこまでババアじゃないけど、高校生に比べるとまあ、あれだ。
彼女の名前は「千奈美」。マナちゃんと一字違いだから、何となく「チナちゃん」と呼ぶことにした。
その後何回か遊んだけど、一度模試か何かで日曜はダメだって言われて、ほかの子を誘った後、1カ月くらい会っていなかった。
僕のことを浮気者って思うヤツもいるだろうけど、一応「そのとき」の相手とは続けて会うってポリシーがあるんだよね。
で、逆にチナちゃんじゃない子との約束をキャンセルされたとき、チナちゃんに電話したら、お誘いをすごく喜んでくれて、「あ、かわいいかも」って思った。
いつもはラブホだったけど、今回はおうちデート。喜んでくれた割に、会ったら少し元気がないように見えた。
そのくせ玄関を出た途端にキスしてきてさ。
近所の目もあるし、そういうのは本当に困る。
でも――そんなことしてきた子は初めてだ。
マナちゃんは手をつなぐのも恥ずかしがるから、当然そんなことしない。
セフレの子たちも、僕を恋人と思っているわけではないので、その辺はドライなもんだし。
◇◇◇
しっかりしろ!不意打ちでキスされたくらいで、僕は何をそんなに意識してるんだ。まるで童貞の男みたいじゃないか。
気づけば最近、チナちゃんのことを考えることが増えた。
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