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第11章 【番外編】妻を愛し過ぎている男

女の敵は

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 彼女は僕の大学に合格できなかった。
 それは残念だけど、これで身の程を知ったから、きっともっと従順になってくれるだろう。
 あんまり頭が良すぎる女も好きじゃない。
 それに行ったのは女子大だから、邪魔な男がいないというのはありがたい。

 同じ市内にはほかに共学の大学が2つあって、どっちも理系中心のせいか男が多かったんで、マナちゃんの大学は合コン要員として人気があったみたいだけど、絶対に出るなときつく言ったら守っててくれたみたいだ。
 彼女は「付き合いが悪い」とか言われて、友達もだんだん離れていったらしいけど、僕はこのことで1つ学んだ。
 今まで男を排除することばかり考えていたけど、女だって油断ならないってことだ。
 カレシのいる女の子を合コンに誘うなんて、幸せカップルにとって、妨害以外の何物でもない。

 そうそう、友達といえば、マナちゃんはどうしても卒業旅行に行きたかったけど、一緒に行く子もいなかったみたいで、それだけはちょっとかわいそうだと思って、妹が友達とハワイにいくとき、合流させてくれないかと頼んだ。
 一緒に旅行に行くことで仲良くなるかもしれないし、我ながらいいアイデアだと思っていたけど、そううまくはいかなかった。
 マナちゃんは「楽しかった」と言って、センスの悪いTシャツをお土産を買ってきてくれた。
 妹の方は「あの人との旅行はもう二度とゴメン」だと言っていた。
 どっちを信じるべきか――そのときはまだ結婚していなかったので、妹の方かなって思った。
 マナちゃんはいろいろ修行が足りない。残念ながら、かわいさで全部帳消しにはならないんだよね。
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