初恋ガチ勢

第11章 「俺は多分、この先千弦さんを困らせるようなことを言うと思います」【千弦と聡二】

「俺は多分、3年後もあなたが…」【聡二】

　千弦さんが少し神妙な顔つきになった。

「俺は、千弦さんのことが好きです。多分、初めて会ったときから好きでした。
　ただ、これは「仮予約」だと思ってほしいんです」
「仮予約……？」
「俺は多分、3年後もあなたが好きだと思います。
　高校を卒業したら…いや、大学に合格したらもう一度告白します。
　そのとき俺を気にかけてくれていたら――俺と付き合ってくれませんか？」

　休店日に店のスペースを貸してもらい、その後「打ち合わせ」と称して2人だけになれる。
　だから今日はもともと告白するつもりで来た。
　が、誕生日が近いと知り、ならばプレゼントを渡すときにとも考え直した。
　しかし、彼女の磨き上げられた鏡のような目を見ていたら、言わずにいられなくなってしまった。