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第7章 「店長さんは、トリュフォーはお好きですか?」【千弦と聡二】
たまに見せる、少し背伸びしたような態度もかわいい。【千弦】
しおりを挟む聡二君がお友達を2人連れて来店した。
えらい美少年と、すごい男前(語彙力が死んでおります)。
美少年・市村君の方は、私にトリュフォーが好きかと尋ねてきたが、「見たことがある」としか答えられなかった。
正直いわゆるジャンルとしてのフランス映画的なものにはあまり興味がなくて、好きな作品もある――程度だから。
ほかにもゴダールの名前も挙げていたから、いわゆるヌーヴェルヴァーグみたいなのが好きなのかな。
中学生が渋いなあとは思うけれど、背伸びやイキりをあまり感じさせないのが、ただものじゃない感じ。
男前の高田君は、随分緊張していたみたいだ。
豪快に、しかしきれいに食事するさまが印象に残る。
きっといいおうちで育った少年なのだろう。基本的な所作が美しかった。
でも――やっぱり聡二君が一番すてきだ。
(中学生並べて品定めしてるみたいでお行儀よくないな、反省)
普段話していても、頭の良さや精神年齢の高さは感じるけれど、たまに見せる、少し背伸びしたような態度もかわいい。
今回はキャラの濃い2人に押されていた感じがあって、あまりお話もできなかった。
お客様は大歓迎だけど、また2人でゆっくり話したい――なんて考えてしまうのは、飲食店経営者としてはダメかな。
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