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謎のイケメンの謎
【終】よき人間関係
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さて、いろいろと謎が解けた。
S高の佐野さんこそが、部のみんながにやにやとうわさしていた「すっごいイケメン」の正体で、ニヤニヤのわけは、私に似ていたからなのだ。
しかも佐野怜(りょう)という中性的な名前のせいで、うちの学校の子たちは男子だと勘違いし、「話しかけたいけど、男子だし…」と遠慮したり牽制したりだったりため、本当に「鈴森美春に似た男子」だと思い込んでいたらしい。
実際、「佐野さん女だよ?」と言うまで、「鈴森がイケメンにナンパされた!」とか、「付き合うの?」とか、さんざんからかわれた。
私は佐野さんの自然体で感じのいいイケメンぶりが気になって、さらに気に入って、私にしては異例なことだけれど、合宿の間、積極的に自分から話しかけていたし、解散式の頃には「リョウ」「ミハル」と呼び合って、普通にタメぐちを利いていた。
住んでいる街が80キロも離れているので、普段はメールやチャットツールでのやりとりになるけれど、会おうと思えば会えなくもない。
リョウのおっとりと落ち着いたパーソナリティーに負うところが大きいが、この面倒くさい私が、本当に好ましい人間関係を築けたことはラッキーだった。
現金な話だけれど、胃痛で不参加だった去年とはうってかわって、「合同合宿サイコー!」の心境である。
【『謎のイケメンの謎』 了】
S高の佐野さんこそが、部のみんながにやにやとうわさしていた「すっごいイケメン」の正体で、ニヤニヤのわけは、私に似ていたからなのだ。
しかも佐野怜(りょう)という中性的な名前のせいで、うちの学校の子たちは男子だと勘違いし、「話しかけたいけど、男子だし…」と遠慮したり牽制したりだったりため、本当に「鈴森美春に似た男子」だと思い込んでいたらしい。
実際、「佐野さん女だよ?」と言うまで、「鈴森がイケメンにナンパされた!」とか、「付き合うの?」とか、さんざんからかわれた。
私は佐野さんの自然体で感じのいいイケメンぶりが気になって、さらに気に入って、私にしては異例なことだけれど、合宿の間、積極的に自分から話しかけていたし、解散式の頃には「リョウ」「ミハル」と呼び合って、普通にタメぐちを利いていた。
住んでいる街が80キロも離れているので、普段はメールやチャットツールでのやりとりになるけれど、会おうと思えば会えなくもない。
リョウのおっとりと落ち着いたパーソナリティーに負うところが大きいが、この面倒くさい私が、本当に好ましい人間関係を築けたことはラッキーだった。
現金な話だけれど、胃痛で不参加だった去年とはうってかわって、「合同合宿サイコー!」の心境である。
【『謎のイケメンの謎』 了】
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