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ある男の半生
学校生活
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「生活体験発表会――それは、定時制通信制高校で勉強する生徒の作文発表会」
定時制高校の昼間部に通う少女「メグリ」は、みんなが退屈だと言う学校行事を、とても楽しみにしていた。
***
メグリは定時制高校昼間部の2年生です。
テイジセイというと、どうしても夜間部の生徒、昼間は働いて夜勉強してという苦労人のイメージが強いのですが、「昼間部」や「午前部」と言われる課程に所属する生徒の生活時間は、全日制に通う普通の高校生とあまり変わらないものでした。
実際、高卒でないと行けない専門学校に通うための通過点ととらえ、最低限の勉強と専門学校に入る費用を稼ぐためのアルバイトに精を出すという人もいるし、ただひたすら自由な校風に浸って楽しく過ごしている人もいるし、あまり数は多くないものの、自分のペースでいろいろ勉強したいからと、全日制の進学校ではなくあえてメグリの学校にやってきた、見るからに秀才タイプの人もいました。
メグリはそんな中で、アルバイトもせず、お小遣いの範囲で友達づきあいをし、何とか赤点を取らない程度の勉強をしていただけでした。
体が弱く、おどおどした性格でいじめられやすいメグリにとっては、学校に通うことそのものが何かの「訓練」のように感じられました。
勉強以外にも好きなことややりたいことがあって、そのために努力したり、お金を貯めたりしているみんなはまぶしいけれど、まねできないし、しようとも思いません。
半分不登校になりかけていた中学校とは違い、今の気楽に通える学校はけっこう気に入っていました。
朝は9時台のバスに乗れば1限目に間に合うので、混雑する時間をさけられるのもありがたいことでした。
定時制高校の昼間部に通う少女「メグリ」は、みんなが退屈だと言う学校行事を、とても楽しみにしていた。
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メグリは定時制高校昼間部の2年生です。
テイジセイというと、どうしても夜間部の生徒、昼間は働いて夜勉強してという苦労人のイメージが強いのですが、「昼間部」や「午前部」と言われる課程に所属する生徒の生活時間は、全日制に通う普通の高校生とあまり変わらないものでした。
実際、高卒でないと行けない専門学校に通うための通過点ととらえ、最低限の勉強と専門学校に入る費用を稼ぐためのアルバイトに精を出すという人もいるし、ただひたすら自由な校風に浸って楽しく過ごしている人もいるし、あまり数は多くないものの、自分のペースでいろいろ勉強したいからと、全日制の進学校ではなくあえてメグリの学校にやってきた、見るからに秀才タイプの人もいました。
メグリはそんな中で、アルバイトもせず、お小遣いの範囲で友達づきあいをし、何とか赤点を取らない程度の勉強をしていただけでした。
体が弱く、おどおどした性格でいじめられやすいメグリにとっては、学校に通うことそのものが何かの「訓練」のように感じられました。
勉強以外にも好きなことややりたいことがあって、そのために努力したり、お金を貯めたりしているみんなはまぶしいけれど、まねできないし、しようとも思いません。
半分不登校になりかけていた中学校とは違い、今の気楽に通える学校はけっこう気に入っていました。
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