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マザー・イン・マーズ
しおりを挟む2016年12月3日のブログ転載です
◇◇◇
いつものように椅子に座ったまま仮眠をとっていました。
変な条件づけのようなものがあるのか、ここで居眠りをすると、必ず「学校」「行ったことのない街」「巨大病院」のいずれかの夢を見ます。
「行ったことのない街」の夢は、ものすごく意味のない予知夢のようなところがあり、「あ、これは○日前に夢で見たものに似ている」と思った風景が、たまたま遊びに行った長女の赴任地だったことがありました。
ただ、別に「だからどーした」であって、特別なことは何1つないのです。
しかも割と観光スポットのある街なので、覚えていないだけで、たまたまパンフや本などで見たことがあった風景なんだろうなという、非常につまらないオチがついたりします。
「巨大病院」というのは、迷路のように複雑で、行きたい場所に一度で行けないというのがお決まりのパターンです。
「またこれ?」と、半ば明晰夢に近い状態にもなっています。
母が、市内でもそこそこ大規模な部類の病院に入院した際、2度目以降の見舞いでも迷子になったことがありましたが、たまたま関東地方から駆けつけてくれた従妹叔母(元ナース)は、職業的な勘なのか、私の拙い説明を1回で理解し、初めての場所なのに、全く迷わずたどりついたというのに…。
***
そんなパターン化した夢ではあるものの、キャストも簡単なストーリーも少しずつ違うので、ちょっとした映画を見るような気持ちで楽しめてもいるのですが。
本日そこに、パターン化するかどうかわかりませんが、なぜか「火星」というロケーションが加わりました。
夫と娘たちは「地球」におり、普通に会社や学校に通っていて、私1人がなぜか火星にいるのです。しかも今と同じ仕事をしています。
ほぼ毎日会議があるので、速記士として入ることも多くなりました。
夫子供を残してはるばる火星に出稼ぎ(?)って、『母をたずねて三千里』のアンナ・ロッシ(マルコのおかん)だって、ここまではしてなかったってばよ。
それも漫画の『テラフォーマーズ』的な世界ではなく(ある意味、究極のテラフォーミングの結果なのでしょうが)、地球と寸分違わぬ環境に地球人、というより日本人が多く居住し、学生風、リーマン風、主婦風、老人とさまざま。
一応みんなそろって何らかの研修を受け、世代も性別も違う人たちと、今日の何が難しかっただの、あれを教えてだの、講義の後にお茶を飲みながら話すのが楽しみに1つになっています。
これは一体、どういう世界?
帰国子女で日本語で苦労している20代の女の子が、「今のままだと地球に帰れって言われちゃう。日本語レッスンして」と、涙ながらに訴えてきたりもしています。
えーと、ここは火星なんだよね?
ちなみにお茶飲み話は、普通にその辺にあるスタバやコメダ的なところを利用することもありますが、次のようにやたらとシチュエーションをつくり込んだ6畳間があり、住民たちの憩いの集会所になっています。
「いなかのおばあちゃんち」のにおいがする、無駄にごちゃごちゃ民芸品を並べたガラスケース。
洋酒の小瓶やお茶の道具がずらーっと入ったサイドボード。
脚のついたダイヤル式のブラウン管テレビ。
板張りの部分があり、そこに仏壇と茶箪笥、その上部になぜか神棚。
それって昭和50年代のうちの実家の茶の間そっくりなんですよね…。
ほんと、どんな火星だよ!
私は宿舎の部屋で娘に、「青い夕焼けも毎日見ていると「こんなもんか」って思えてきます。ピンクの夕日の写真送ってください」などとメールを打ったりしているのでした。
いやいや、実際火星に行きたいとは思わないけど、青い夕焼けは見られるなら見てみたいと思います。
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