短編集『朝のお茶会』

あおみなみ

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第6話 花ざかりの少年少女たち

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拙作『てんどん 天辺でもどん底でもない中学生日記』のメインキャラ4人組が出張登場しています。


***

 2012年 新春第一回目例会 1月8日(日)開催

 肌寒い朝、工藤咲良さくらがいつものように「くぬぎ屋」のビルに向かうと、待機場所に既に2人の少女がいた。
 2人とも初めて見る顔で、自分とそう体格の変わらないセミロングの子は、赤いタータンチェックのダッフルが似合っている。
 もう1人は背が高く、170センチくらいありそう。
 ショートボブに眼鏡の大人っぽい雰囲気で、長身らしく紺色の丈の長いチェスターコートを格好よく着こなしていた。
 長身の少女が咲良の姿を認めると、「あ、お茶会に参加する人ですか?」と声をかけてきた。
「え、はい」
「私とこの子、初めてなんですけど、場所ってここでいいんですよね?」
「はい。20分にならないと開かないので」
「そっか、ありがとうございます」

「私たち中学生ですけど、ひょっとしてあなたも?」
「そうです、四中よんちゅうです」
「うわ、都会の子だ!歩いてきたんでしょう?」
「ええ、まあ…」
 咲良が通う市立第四中学校は、最も駅前の繁華街に近い学校である。

「私たちなんて九中きゅうちゅうのイナカモンだから、自転車こいで来ちゃった。
 見て、ほっぺ真っ赤でしょ?」
「あそこから――自転車で?」
 咲良は九中の学区にはあまりなじみはなかったが、郊外だし、遠そうだということだけはわかった。
「ちょっとちょっとまつり、都会のお嬢さんが引いてるよ…」
「優香、そろそろ抑えよう、そのノリ」
 そこで初めて小柄な少女が口を開き、ちょっと恥ずかしそうな顔をして、咲良にペコッと頭を下げた。
「ごめんなさい。この子すごく楽しみにしてたから、テンションがおかしくて…」

 初対面でいじられてびっくりしたが、2人とも悪い人ではなさそうだな、と咲良は安心した。
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