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入院
術後
しおりを挟む次の日は入院3日目。
手術直後よりはマシっぽいけど、やっぱり頭がぼーっとしていそう。
目がどこを見てるのかわかんない状態で、あたしに「来たのか…」って言った。
「来なきゃ後から文句言うでしょ」って言う気にもなれない。
本当にそんなこと言うと、「口ごたえすんな」って言うし、機嫌が悪かったら叩いたりするから、実際はお腹の中でつぶやくだけだけどね。
あの口を開けばののしるしかできなかったダンナが、「今回はいろいろ面倒かけたな…」とか、「女子供だけなんだから、戸締り気を付けて寝ろよ」って言った後、あたしに背中を向けて、「あーくん帰ってくるころだろう? そろそろ帰ってやれよ」だって。
この人、自分のキャラ分かってんの?
何口走ったか、わかってないでしょ。
+++
あたしは帰り道、何となく病院の近くの神社に行った。
中途半端な季節なので誰もいない。
お賽銭は奮発して500円玉で入れて、「あの人とあたしとあーくんを守ってください」ってお願いした。
何でかわかんないけど、そんな気持ちになっちゃったんだ。
おとといの今頃は、「いつでも死ね」なんて思っていたのに。
やっぱりあの人が死ぬのはダメだと思う。
お金とか、面倒なこととか、そういうの関係なしに、なんか――ダメだ。
死ね、なんて思っちゃったことも少し反省した。
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