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【6】「伯仲」のお花見団子
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五十鈴川公園の南裏に、「伯仲」という旅館があったのだが、震災後は宿泊施設の営業はやめてしまったようだ。
ただ、西側の県道を挟んだところに、伯仲さんでやっているお団子屋さんがあって、ここだけは毎年3月中旬から1カ月ほど、お団子の製造・販売をしている。
一応、季節ものの花見団子なのだと思うけれど、毎年販売が始まる頃、我が片山の桜はまだまだ固いつぼみのままだ。
それでも、ここのお団子は本当においしいので、片山の甘党にとっては外せない商品なのだけど。
その昔、『日本全国酒飲み音頭』っていうヒット曲があったらしいけど(親が教えてくれたので動画サイトで見たら、酒飲みの心理をあますところなく表したような面白い歌詞だった)、あれみたいな感じ?正直、1月に売ろうが10月に売ろうが、多分買っちゃうなあ。
もうね、おもちがやわらかくて、あんの種類が多くて、これを食べないと春を迎えられないくらいの逸品ぞろい。
こしあん、粒あん、みたらしという基本に加え、コクのある「黒ゴマ」、東北ならではの「ずんだ(この辺では「じんだ」と言う人もいる)」、春らしい「桜」とあって、正直全く選べないので、うちの家族、主に父が買いにいくと、最低でも4種類は買ってくる。
妹は「ずんだ」があまり得意でないようで、「ずんだの代わりに、みたらし2つでもいいのに…」などとわがままを言うが、おかげで我々の取り分が増えて万々歳――というのは口には出さないけれど、密かに思っている。
▽▽
「今年の伯仲も絶好調。来月にはこの土地を離れるため、4月の分まで食べちゃいました。」
と書き込んだところ、「自分は〇〇あんが至高だと思う。ほかのは邪道」という、場所が悪ければ戦争になりかねない宣言から、見ず知らずの人から「太らないようにねww」という心温まるコメントまでさまざま。
◇◇◇◇◇◇
【元ネタ】
〇「伯仲」の花見団子
開成山公園から至近。郡山市民にはおなじみの「源平」さんがモデルです。
多分、お団子(もち)が白とピンク(紅)だから「源平」なのだと思います。詳記しませんでしたが、作中のものは全部白団子という設定にしてあります。
ただ、西側の県道を挟んだところに、伯仲さんでやっているお団子屋さんがあって、ここだけは毎年3月中旬から1カ月ほど、お団子の製造・販売をしている。
一応、季節ものの花見団子なのだと思うけれど、毎年販売が始まる頃、我が片山の桜はまだまだ固いつぼみのままだ。
それでも、ここのお団子は本当においしいので、片山の甘党にとっては外せない商品なのだけど。
その昔、『日本全国酒飲み音頭』っていうヒット曲があったらしいけど(親が教えてくれたので動画サイトで見たら、酒飲みの心理をあますところなく表したような面白い歌詞だった)、あれみたいな感じ?正直、1月に売ろうが10月に売ろうが、多分買っちゃうなあ。
もうね、おもちがやわらかくて、あんの種類が多くて、これを食べないと春を迎えられないくらいの逸品ぞろい。
こしあん、粒あん、みたらしという基本に加え、コクのある「黒ゴマ」、東北ならではの「ずんだ(この辺では「じんだ」と言う人もいる)」、春らしい「桜」とあって、正直全く選べないので、うちの家族、主に父が買いにいくと、最低でも4種類は買ってくる。
妹は「ずんだ」があまり得意でないようで、「ずんだの代わりに、みたらし2つでもいいのに…」などとわがままを言うが、おかげで我々の取り分が増えて万々歳――というのは口には出さないけれど、密かに思っている。
▽▽
「今年の伯仲も絶好調。来月にはこの土地を離れるため、4月の分まで食べちゃいました。」
と書き込んだところ、「自分は〇〇あんが至高だと思う。ほかのは邪道」という、場所が悪ければ戦争になりかねない宣言から、見ず知らずの人から「太らないようにねww」という心温まるコメントまでさまざま。
◇◇◇◇◇◇
【元ネタ】
〇「伯仲」の花見団子
開成山公園から至近。郡山市民にはおなじみの「源平」さんがモデルです。
多分、お団子(もち)が白とピンク(紅)だから「源平」なのだと思います。詳記しませんでしたが、作中のものは全部白団子という設定にしてあります。
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