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【4】ミルキーボックスと王月珈琲牛乳
しおりを挟むみるくまんじゅうでおなじみの千石屋で経営しているベーカリー「ロザライン」。
昔は市内のあちこちに店舗があって、充実したイートインスぺースを持っているところも多かったが、今はとあるスーパーの一角でひっそりと販売だけをしている。
とはいえ、そんな店でも全国区になりつつあるものがあった。
ずばり、「ミルキーボックス(120円)」と呼ばれる菓子パンだ。
昭和50年代からあって、片山出身である母は小さいころから食べているというが、同じ県内でも違う町の出身で、大人になるまで食べたことがなかった父は、今は母よりもハマっている。妹だけが「太りそう。あんま好きじゃない」と避けている。
小さな厚切りの食パンの上に練乳クリームを分厚く塗った商品だが、優しい甘さで非常に美味である。軽くオーブントースターで焼くと、甘いグラタンみたいになる。
今は市内のいろいろなパン屋さんで、似たような商品が全く同じ名前で売られているので、「片山のソウルフード」なんて言われているようだ。
他の店舗では、パンをフランスパンにしたり、クリームにイチゴやチョコといったバリエーションをつけたり、いろいろ差別化を図っているけれど、私はやっぱり元祖「ロザライン」の商品をイチオシしたい。
ロザラインで発売された当時から、クリームだけの「プレーン」と、スライスアーモンドが乗って少し高い「アーモンド」があり、父はアーモンド派、私と母はプレーン派である。
ところで、パンといえば牛乳だけど(決めつけ)、片山に本社がある王月乳業の牛乳は、濃厚で評判がよい。テレビで大人気の女装タレントさんが、「あら、この牛乳おいしいわね!」とひと口飲んで気に入った様子を見たときは、「しゃっ!」という気持ちだった。
テレビなんてオワコン視されているけれど、そのテレビでむしろよく見かける、老若男女問わず人気・知名度抜群で、究極のインフルエンサーともいえる“彼女”が褒めたものは、たちまち大反響を呼ぶのだ。
もっともそれは、たまたまローカル番組に出演したときの一コマだったので、県内にしか露出がない。地元民が「そうでしょう、そうでしょう」と自分の手柄みたいにうれしくなったり、ライバル各社の商品を推している人たちが、「わかってないなあ」と思ったりした程度だと思われる。
その王月乳業の珈琲牛乳(250ミリリットル90円)が、ミルクが濃厚な上にコーヒー感の強さも感じるバランスのいいうまさで非常に評判がよろしく、やはり全国的にファンがいるようだ。
パッケージのデザインがトートバッグ、スマホケース、Tシャツなどになっていて、年に一度の「王月まつり」で即売会などをやっている。
最近、アニメの舞台になったこともあり、聖地巡礼で片山を訪れた際、「ミルキーボックスと王月珈琲牛乳を堪能」って、一緒に買って写真を撮って、SNSなどに上げている方もよく見かける――が、実は地元民としてはこれには異議あり!だ。
やはり甘いものには甘味のない飲み物、甘い飲み物にはしょっぱい食べ物でしょうと、基本保守的な私は主張したい。
ミルキーボックスは砂糖の入っていないコーヒー、紅茶、お茶などとともにご賞味いただきたい。その方が絶対しっくり来る。
対する王月珈琲牛乳の方は、個人的にはコンビニでピザまんと一緒に買って合わせるのが大好きだけど、「ロザライン」で売っている各種調理パンもいろいろおいしいので、がっつり一食ランチをとる感じでお願いしたい。また、カレーパンなどもお勧めである。
▽▽
「2回目 ミルキーボックス(菓子パン)と王月・珈琲牛乳」
珈琲牛乳ファンの方から、「関西在住なので、東京出張の折にまとめ買いしています」とのメッセージあり。
アンテナショップのほか、コンビニでも買えるらしい。
ふふふ。我が片山の場合、小さなコンビニで「200ミリリットル・300ミリリットル・500ミリリットル」のほか、コーヒー比率がさらに強めの「牛乳珈琲」なる商品(300のみ)もデフォルトで売られているのだよ。
◇◇◇◇◇◇
【元ネタ集】
〇ミルキーボックス(菓子パン)
最近、結構全国メディアへの露出も高い「クリームボックス」
元祖と言われるのは、三万石の系列店でもある「ロミオ」というベーカリーで作られたものです。
店名は「ジュリエット」も考えたのですが、何となく「ロザライン」の方を採用してしまいました。
〇女装タレント
言うまでもなくマツコ・デラックスさんです。
福島のアンテナショップ「MIDETTE」で日本酒をたっぷり“試飲”したり、民芸品の赤べこを買ったり、会津若松市内で中学時代の修学旅行をやり直し、みたいな企画に出演なさっていて、こういう番組こそ福島以外で放送すべきなのにと思いました。
〇王月・珈琲牛乳
「そんなことより酪王カフェオレおいしい」というフレーズをご存じの方もいらっしゃるのでは?みんな大好き酪王カフェオレが元ネタです。
酪王乳業の本社が郡山市の大槻町というところにあるので、「おおつき→おうつき→王月(おうげつ)というもじり方です。
「そんなことより…」で検索すると、ニコニコ大百科の記事も出てくるようですので、詳しくはそちらで。
ちなみに「アニメの舞台」というのは、2014年冬の『未確認で進行形』を踏まえていますが、残念ながら同作に郡山を特に意識させる食べ物は出てきませんでした。その代わりというか、2016年秋の『フリップフラッパーズ』では、キャラの1人ヤヤカ(CV大橋彩香さん)の好物が「菓子パンのクリームボックス」という公式アナウンスがあり、始終食べていました。同作には郡山市及び本宮市でロケハンした?と思われるシーンが幾つか出てきます。
応援ありがとうございます!
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