【R15】気まぐれデュランタ

あおみなみ

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第15章 チャンス再来

覚悟が足りない

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 さよりは俊也に恋をし、俊也もさよりを、少なくとも特別な女の子だとは思っている。
 その関係は間違いはないのだが、さまざまなものが2人を無駄に邪魔していた。

 全く恋愛の経験はないが、恋する人と一つになりたいという気持ちが盛り上がっていた娘と、彼女を自分のものにしたいと思いつつ、いざ拒否されたとき、人目を気にして追い掛けることすらできない男。

 2人に共通して徹底的に足りないのは、「覚悟」の二文字だった。

◇◇◇

 さよりはその後3日悩み、寝る前に意を決して手紙を書いた。
 先日突然帰ってしまった詫びと、そのときの気持ちをできるだけ率直に伝えたいと思ったのだ。

 俊也はその頃、アルバイト先で同年代の女性に誘われて飲みに行き、「酔った勢い」ということにして、ちゃっかりとベッドをともにしていた。
 俊也という男には、「安部君、元気なかったから心配で」と酒に誘ってグチを聞き、「彼氏には内緒だよ(笑)」と言いつつ、積極的に自分から体を開くような女性が必要なようだ。
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