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5章 そうだ!外へ行こう

107.事件発生

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「この辺には【トレント種】が居ることがわかったし、サクヤもブレクラを共有してあるのだからミニマップを覚えよう!まずメニューって言ってからミニマップをONにする。自分の見やすい所に指で操作して、出来たらそのマップを摘む指の形を作ってから触ってみて」

丁寧にスマホやタブレットの拡大縮小方法を教えミニマップを拡大・縮小を実際に行い教えた。流石さすがはサクヤ飲み込みが早くすぐに慣れたようだ。

僕のマップは半径20mにしてあり自分の向き、方角、敵からの攻撃の向きに加えて地形が分かり易くしてある。対象の表示を仲間、無害な人、敵(害虫等を除く)だけONにしてある。仲間や無害な人は青色で、モンスターや敵は赤色で表示される。

ミニマップはもっと細かく表示できるがマップがごちゃごちゃになるのでコレだけにして運用している。例えば野生動物や虫……または採取ポイント等だ。

そうこうしていると最大範囲の表示の端っこに赤色の点の反応魔物か敵が表示された。僕らは所持金が心もとないので、街に行く道中のモンスターを狩りながら進んでいる。赤点はデストロイ、もちろい目の前の【ハイトレント】も討伐対象だ。

端っこに光る赤点に隠密で近寄る。近づくにつれて青点が固まってその周りを赤点が囲っている。目視できる範囲に近付くとそこには、耳が少し長くて容姿端麗で可愛らしい少女達が檻に入れられ怯え泣いてる姿とそれをゲス顔の汚いおっさんが少女達に剣で脅してる様に見えた。

身体強化で聴力を強化すると会話が聞こえる。

「早く1人を選んで差し出せガキが!俺らで味見してやるっつってんだろぅが!」

「ほらほら、さっさと突き出さねぇと剣が足にちまうぞ?それとも兄貴のスキルで苦しみたいのかぁ?」

「おい、商品にあまり傷を付けるなよ?エルフのガキは高く売れんだ。今回は大人の男エルフを数人殺しちまって次の繁殖分が減った。切り傷で安くなったら持ったいねぇ!味見すんなら刺したガキにしろよ、それと何度も言ってるが俺のスキル『強制奴隷権』は発動すると完全に服従するまで全身に激痛が走ってガキじゃ廃人になっちまうから最終手段だっつただろうが」



などなどと聞こえた……。んー死刑だな?可愛いは正義、絶対不変の正義なのだ。このゴミ共を掃除したいが少女達の目の前で殺すのは精神衛生上良くない!まず意識を絶って彼女達を解放、サクヤに介護を頼んでからスキルを剥がして仕留める。兄貴と言われた奴のスキルは欲しくないが剥がしたら誰かに付けないとだしな、1人先に殺ってそれにスキル付けて生き埋めが良いかな?

敵の数はマップで確認すると5人と檻の出入口に1人の計6人、剣召喚での射程範囲は約10~30mが限度だ。スキル『魔力感知』を取得してる人からコピーさせて貰うか、僕が練習するかしないと……面倒臭いので未だに取得していない。などと考えている間に状況が進んでいた。

「ちっ!誰でもいい!てめぇだ!ガキでも女だ1匹が売れなくなっても俺らの吐き溜めとして使ってやる!」

即座に行動を起こし、上空から山賊?の一団の中心叫んでる奴の隣に舞い降りた。

「僕も混ぜさせてくれよ~、どの子を選んだんだい?」

「あぁ?ダメだダメだ、入団序列で兄貴の次の俺が先だ!てめぇは後だ……って誰____」

僕の姿を確認しようと振り返る前に刀のソリ部分で意識を切り落とす。山賊?の言葉で他の人達も動き出すが最後まで喋らせず意識を切り落とした。

鑑定をしてみると既に全員からスキルは剥がされ最後に殴った者に犯罪に使われそうな物は集められていた。サティの素早い対応感謝してます。

剣術、短剣術、体術などの僕の動きを良くする系のスキルは剥がされ僕に吸収されてLvが上がっていた。

「君たち、助けに来たよ?もう安心してくれ、悪い奴らは倒したからさ!」

爽やかな笑みを浮かべながら膝を付き右手で納刀しつつ、左手を前に伸ばしてキメ顔で期待した……そう少女達が僕の胸に飛び込んで来ることを……だが現実は甘くなかった。更に怯え檻の端っこで震えている。

もしや僕の匂いか?臭かったか?立ち上がり服の匂いを嗅ぎ少し離れて服を叩きインベントリから美味しそうなクッキーを取り出して封を開け檻の中に置いて、『浄化』を檻、少女達、クッキーに発動し少し距離を取った。そう、餌付けである。怯えてる子の対処なんて分からんよ。とりあえず美味しい物あげて様子見くらいしかできない。

少女の1人がクッキーを取ろうと限界まで手を伸ばすも届かない、手が空を切る。ジリジリと近寄りゲットしたら、すかさず3人に分け食べ始めた。可愛い……
眺めてる最中にようやくサクヤが傍に来た。

「サクヤ……僕はそんなに怖いかね?怯えられちゃったよ」

「いえ、傍から見るととても弱そうに見えるし怖そうには見えないです。ですが周りを見なさい、貴方が倒した山賊がそのまま残ってるのですよ?それに自分達を襲った山賊は人間族で貴方も人間族、普通は同じ種族の物は怖いでしょう?」

なるほどねぇ……その通りだ、人間の男が襲って助けたのも人間の男だ。普通は怖いわ!そんな事を考えていると檻の中の少女達は泣き始めていた。サクヤに目配せをするとサクヤは檻の中に入り、彼女達を抱擁し慰めている。ソレ!ソレ僕もしたかったやつぅ!

などと思っていると啜り泣く声が聞こえる。

「ルルが捕まんなかったらみんな攫われなかったのに……ごめんなさい……ごめんなさい……」

「お父さんが私を逃がそうとしてアイツらに切られて……動かなくなって……治療しようとしたお母さんも殴られて…………」

「友達が攫われ……パパ!パパはどうなったの!ママ……ママーー!」

どうして、こういう惨事に遭遇する時って手遅れ系が多いのだ?僕が意識を切り落としたクズの元に寄り胸ぐらを掴み叩き起こす。3発目で目を覚まし頭を掴む方に切り替え質問する。

「起きたか?僕の質問に答えろ、他に攫った子は何処にいる?」

頭を潰さないように力を加えるギリギリになる様にサティが抑制してくれるから気にせず力を入れれるのだ。

「痛でででで!アジトだよ!場所?教えるわけねぇだろが!」

(サティ、面倒だからどうにか探ってくれコイツに質問するから情報を抜き出せ)

『了……アクセルにも分かるようにしましょう』

「アジトは何処だ?攫った人数は何人だ?お前の仲間は全員で何人だ?」

「へっ!教えねぇって言ってるだろ?(若いダンジョンをアジトにしてるとはわかんでだろうな!)」

「こんな俺でも仲間は売らねぇよ!残念だったな!(村の警備に3人アジトには20人にボスが1人俺は帰れそうに無いぜ)」

「俺達が戻らなかったら先に攫った子供も村の連中もただじゃすまないだろうぜ?(先の4人だけでも良い値で売れるだろうし粘ってれば仲間が察するはずだ)」


スゲェなこの人、喋ってる内容の後ろに的確に欲しい情報考えれるのか……。このアイアンクロー状態で、分かりやすい!

「なるほど、ダンジョンをアジトに……族は村に3人、アジトにボス含めて21人、攫った子は4人か……情報ありがとう」

「な!なんで!どうやった!_____おい____おま____」

何やら叫んでるがもう必要な情報は揃った。コイツと転がってるのは要らないな。

僕はアイアンクロー状態を維持しつつ片手で、
カタリスト・レンズ直線型採掘道具』を取り出しスコルで飛びつつ真下に撃ち込む。自分を中心に3x3mの縦穴を作成、深さは64mその穴に山賊の頭を離す。僕の腕にしがみつい付いて中々落ちない、腕を振ると剥がれ穴に落ちて行く。

何やら叫んでいたが興味が無いので右から左、少女達を見るとサクヤが抱き締め目隠しをしてくれていた。それを確認した後残りの山賊を穴に落として自由落下可能なガラス用の砂を下から60mまで埋まるように投下し土で蓋をした。


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