異世界へ行きたいと思ったら行けちゃった...~思い描いてたスキルを携えて~

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5章 そうだ!外へ行こう

97,蜜妖精の絶滅理由

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アイ達が偵察に行ったその日の夜。いつもの様にアウラと甘い夜を過ごし、先にアウラが寝んねした。寝てるアウラを抱き寄せ大きさを計ったが、出会った時からふっくらはした。だが、背の高さは変わっていない……。何故にアウラの背が延びないのだろうか?もう2ヶ月経ってるのに、伸びてる気がしない。ちょいとサティ、教えて?

『蜜妖精族のアウラは、今のサイズで成長限界です。そもそも『特殊個体』ですので、普通の蜜妖精とは違い大きく成長したのがその姿です』

え?1m強のドールと同じサイズで、成長限界?普通の蜜妖精って、どのくらいの大きさなんだ?

『通常の蜜妖精のサイズは、人間の手の平サイズです。その大きさが災いして絶滅危惧種……、いえ絶滅したのですから』

まだ絶滅してないぞ、アウラが残ってる。

『アウラが産まなければ、絶滅です。1度の出産で蜜妖精を5~10は埋めます。全て魔力の殻でできた卵型で生まれます。暖めなくても、自然に孵ります。』

1度にそんなに産まれるのに絶滅って、何が起きたらそんなことになるんだ?

『絶滅する経緯を、お話しましょう。約200年前に蜜妖精は、人間の手で発見されてしまいました。未開拓の地に冒険していた冒険者が、遭難中に甘い匂いに誘われて蜜妖精の里を発見したのが始まりです。』

なんとなく想像できるな……。

『小さく甘い蜜の匂いを纏ってる、その種族に話しかけ食料を分けて貰おう強奪しようとしました。昔は今以上に『人間種上主義』者が多い時代でした。蜜妖精は初めての人間に、驚きました。ですが、困ってそうだったので自分達の食料を分けて上げました。そして夜、宴会をしたのが間違えでした。』

蜜妖精は優しかったんだな、さすがアウラの祖先!全員可愛かったんだろうなぁ……。

『宴会の最中に冒険者が酸っぱいジュースを飲んで、咳き込みました。蜜妖精は優しさから、酸っぱいジュースに自身を入れしばらくしてから出ました。冒険者は魔族蜜妖精が入った物を、飲もうとは思わなかった。ですが、ソノ飲み物から甘い香りがし始めます。嫌々ながらも一口飲むと、甘酸っぱいジュースに変化してました。』

嫌な予感がする。

『冒険者は、蜜妖精に聞きました。何をしたのかを……、蜜妖精は警戒心など持っていなかった為全てを話してしまいました。蜜妖精の体は果蜜みたいに甘く、水に浸かるだけでも美味しくできる。食事した物は全て、自身の甘さと魔力に変換され排泄が無い事。変換した魔力で、自動浄化が発動して綺麗な事。外の世界を見に行きたい事、などを冒険者に話してしまいました』

『冒険者は良い金になる。と考えて鳥籠に、外に行きたい者は入る様にと言いました。最初は10人何回も通い、里が消滅するまで往復しました。蜜妖精は全て貴族に売られ、1部は売らずに次の集落の場所へ案内をさせられました。こうして蜜妖精は絶滅危惧種になりました。』

イヤイヤちょっと待って!貴族に買われただけなら、まだ絶滅じゃなくない?

『貴族に売られた蜜妖精は、始めの頃は普通に、ワインや水等を甘くするメイドの様にしてました。ですが……、世界を見に行きたいのにずっと檻から出られず仕舞い。種を増やす為にも他種族の精を、貰わなければならないので、貴族に外に行きたいと懇願こんがんしました。返ってきた答えは使用人の精が入った器……、と「ソコで増やせ」の言葉だけでした。それから150年は、様々な貴族が増えた蜜妖精を所持してましたが……。興味本意で、蜜妖精を食べた者が現れました。それが、他の世界から来た勇者でした。』

は?!勇者?なんで勇者?羽が生えてるとは言え、姿が人間なのに良く口に入れて噛めたな……。

『始めは舐める程度だったのです。反射的に噛み千木切ったら、美味しかったようです。血も肉も甘く、内臓は在れど機能が停止してる。それが貴族に知れ渡たりました。喰われると察した蜜妖精は、最後の子であるアウラを逃がしました。そしてアウラ以外の蜜妖精は全員、貴族のオヤツとして食べられてしまいました。最後に残った蜜妖精は加護を受け『特殊個体』へ進化してアクセルに拾われました。』

ギリギリセーフって事か……。ん?アウラの寿命とか子が埋める年とか決まってるのか?

『蜜妖精は『妖精』で時に『聖霊』とも言われます。なので寿命は、ほとんど無い様な物です。子が産める年は無く成体になったら、スキルで子を宿し増やします。自然には宿りません、よかったですね?』

封印してるスキルが鍵だったか……、建国できてから封印は解除だな。それとまだ生きてるなら、初めに食った勇者を見つけて殺さないとな手伝ってくれよ?

『もちろん、アクセルのスキルですから』

アウラの過去を今後の予定に加え、いつ如何なる時でも戦える様に装備を整える事を思いながら眠りについた。
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