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第九章『明暗』
2 猫ちゃん、子守歌としてダイジェストを語る
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目が覚めて吾輩、一階の部屋で、タブレットで電子書籍を読みながら寝落ちしていたと気づく。夢の中で百年後に居た感覚がある。確認すると、現在は令和三年、つまり二〇二一年の六月後半だ。来月には東京オリンピックが開催されると聞いている。
寝ぼけていると、どうにも良く分からない物事が頭の中を廻るようだ。吾輩、頭を振って変な物を追い払うように身動きしながら部屋を出る。向かう先は餌箱だ。
「通り魔がな、出るらしいんだよ」
部屋を出た所で、そんな山師の言葉を耳にした。
「何だ、そりゃ。出刃包丁でも持ち歩いてるのか」
主人が笑い飛ばしている。防犯設備が無い家で暮らしている主人は、危機意識も無いようだ。
「いや、笑い事じゃないぜ。おかしな奴が居るんだとよ。俺は娘達から聞いたんだが」
「おかしな奴も出るだろうよ。梅雨で天気は悪いし、三回目の緊急非常事態宣言は出るし。その宣言が解除されても、まん延防止だったか? いつまで制限が続くんだ、全く」
餌を食べながら吾輩、主人の文句を聴く。幸か不幸か、主人は執筆で外に出る機会も少なくなっていた。パチンコ屋の営業時間が減ったためか、少しは原稿も進んでいるようだ。
「その通り魔ってのは何だ、見るからに怪しい奴でも居たのか」
一通りの文句を終えて、主人が山師に尋ねている。
「見るからに怪しかったら捕まってるだろ。つーか今は、誰でもマスクしてるんだよ。こう言っちゃ何だが、誰でも怪しくは見えるさ。俺が聞いたのは娘達の直観でな」
山師が言うには、彼の三つ子の娘は、勘が鋭いらしい。そう言えば赤子と青子の二人は、吾輩の夢の中に出ていた。龍之介くんと同じくテレパシーの才能があるのだろうか。
「娘達の事を物陰から見てる奴が居るんだと。姿は見えなくて、それでも視線は感じるって言われてな。娘がそう言うんなら信じるしか無いさ」
「お前の娘に告白したがってる男子とかじゃないのか。三つ子の誰に告白するか知らんが」
「そんなんじゃない。視線が尖ってるんだと。『好意があるとは思えない』だそうだ」
吾輩、主人達の近くに行くつもりも無くて、窓から外を眺める。じとじと、雨が降り続けていて薄暗い。時刻は夕方で、空が黒い穴に見えた。嫌な天気である。
「警察に行っても駄目だろうな。目に見えない奴が、居るかも知れないってだけでは」
「俺に言えるのも、『できるだけ三人で行動しなさい』ってアドバイスくらいさ。あまり俺が娘達と話すと、元妻が気分を害するんだよ。遠くから見守るしか無いよなぁ」
吾輩、二階に行って龍之介くんと話す事にした。必要なら「おかしな奴が居る」と伝えなければなるまい。階段を上って部屋に入ると、龍之介くんは眠そうであった。
「どうかしましたかー、吾輩さん」
「いやいや、大した事じゃないんだ。無理に起きなくていいよ」
龍之介くんは眠ろうか起きようか迷っているような動きをしている。頭が重いので起き上がるのは難しそうだ。その内に眠るだろう。
「何か、お話してくれませんか吾輩さん。今、読んでいる小説の話とか」
「今は『明暗』を読んでいるね。結婚した主人公が、好きだった女の人に会いに行くまでの話だよ」
「会って何をするんですかねー?」
「そこまでは書かれてないからねー、分からないねー」
前世紀には、『有楽町で逢いましょう』という曲があったらしい。逢って何をするのかは吾輩、知らない。『明暗』の主人公である津田も、案外、会って何をするかは考えてなかったのではないか。会いたいから会いたい、好きだから会いたい。子供というか、馬鹿の理屈というか。
終盤で津田は、自分の事を馬鹿のように感じる。それまでの津田は、正直な気持ちというものを隠して生きてきた男であった。利益のために、適当に周囲に合わせて、それで良しという生き方であった。本心を妻にも見せないため、当然ながら夫婦生活は半年でギクシャクしている。
それでは駄目だというのが漱石先生の主張であろう。小説では小林という男を通して、津田の心の働きに目を向けさせる。更に吉川夫人という人を通して、津田に正直な気持ちに寄る行動を取らせる。すなわち馬鹿みたいに、好きな女性である清子の所に行くという行動を。
正直な行動を取るという事は、自分の自我を通すという事でもある。衝突も起こるだろう、ちょっとした戦争も起こるだろう。しかし個人の戦争は国家の戦争よりも被害は小さいだろう。小説の中でも、夫婦の争いを「戦争」という言葉で表す箇所がある。
主人公夫婦は、どうなるか。仲良くなるのか、離婚するのか。未完に終わった小説の続きを吾輩が考えてみると、離婚はしないと思う。終盤、主人公が清子に会いに行くのは、吉川夫人が仕向けたからであった。それで離婚という展開は、あまりにも酷いではないか。
「どんな内容の話なのか、ダイジェストで話してくれませんかー。吾輩さーん」
布団の上で、もぞもぞと動きながら龍之介くんが言う。やれやれ、子供というのは無茶を言うものである。
「前半は主人公の津田が、痔の手術で入院するまでの話だね。ちなみに津田の年齢は三十、妻の延子は二十三。二人は東京の家で暮らしてる。津田の父親は京都に住んでて、毎月、津田にお金を送ってくれてたんだね。でも夫婦が、と言うか妻の延子が贅沢好きで、それで父親が怒って送金を止める。さあ大変、と言いたい所だけど結局、お金は他の人から貰う事で解決する」
『明暗』は、およそ大事件というものが起こらない。おそらく未完に終わった辺りから、次々と騒動が起こる展開になっていたのだろうと思う。この小説はキャラクター同士の会話劇や、漱石先生が暗に示す伏線のようなシーンを味わうのが文学的な楽しみであろう。
「津田の父親は官吏、つまり役人で転勤が多かった。それで津田は父親から離されて、父親の弟である藤井夫婦に育てられた。この藤井夫婦は東京住まいだね。
津田の妻である延子は、津田と同様、両親が京都に居る。延子の親戚である岡本夫婦は東京に居て、岡本は実業家で金がある。この岡本と仲が良い吉川は、津田の会社での上司だ」
そして、この吉川の妻である吉川夫人が、津田と延子の仲を取り持って結婚させている。吉川夫人は世話好きの暇人で、かつては津田と清子を結婚させようとしていたが、清子は関という男と結婚してしまった。津田は清子から振られた形で、何で振られたのかも分からない。
「その他、津田の妹である秀子は、堀って男と結婚している。年齢は延子より一つ年上で、既に子供が二人。ストレスがあるのか、秀子は津田の妻である延子を嫌ってる。子供が居ない延子が気楽に見えるのかもね」
「うーん」
龍之介くんは、うとうとしている。もう少し話したら眠りに就きそうだ。
「後は小林という男が居て、津田の友達らしいんだけど、いつも金をせびるんで嫌われてる。この小林は最後の方で朝鮮に行く。何か危ない商売でもするんじゃないかな。小林は津田と清子が付き合ってた事を知っている。津田の妻である延子は、清子を知らない」
ちなみに、津田の妹である秀子も、清子の事を知っている。この二人が延子に接近していく。
「登場人物は他にも居るけど省略するよ。主要登場人物は東京に居て、居ないのは清子くらいだね。ストーリーは主人公が入院して、延子は親戚の岡本家から小切手を渡される。津田の妹の秀子も、まあ兄とも兄嫁とも仲は悪いんだけど、病院にお金を持ってきて渡してくれる。
ただ延子には、小林や秀子に寄って、清子の存在が暗に示される。後で延子と清子が揉める展開が構想されてたと思うけど、そこまで小説は書かれなかったね」
「くー」
寝てしまったようだ。大作のダイジェストというものは、良い子守歌になるのかも知れない。
「そして吉川夫人の計らいで、津田は東京を離れて、温泉地で流産の療養をしている清子に会いに行く。で、会った所で話は終わっちゃう」
寝ぼけていると、どうにも良く分からない物事が頭の中を廻るようだ。吾輩、頭を振って変な物を追い払うように身動きしながら部屋を出る。向かう先は餌箱だ。
「通り魔がな、出るらしいんだよ」
部屋を出た所で、そんな山師の言葉を耳にした。
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「いや、笑い事じゃないぜ。おかしな奴が居るんだとよ。俺は娘達から聞いたんだが」
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「その通り魔ってのは何だ、見るからに怪しい奴でも居たのか」
一通りの文句を終えて、主人が山師に尋ねている。
「見るからに怪しかったら捕まってるだろ。つーか今は、誰でもマスクしてるんだよ。こう言っちゃ何だが、誰でも怪しくは見えるさ。俺が聞いたのは娘達の直観でな」
山師が言うには、彼の三つ子の娘は、勘が鋭いらしい。そう言えば赤子と青子の二人は、吾輩の夢の中に出ていた。龍之介くんと同じくテレパシーの才能があるのだろうか。
「娘達の事を物陰から見てる奴が居るんだと。姿は見えなくて、それでも視線は感じるって言われてな。娘がそう言うんなら信じるしか無いさ」
「お前の娘に告白したがってる男子とかじゃないのか。三つ子の誰に告白するか知らんが」
「そんなんじゃない。視線が尖ってるんだと。『好意があるとは思えない』だそうだ」
吾輩、主人達の近くに行くつもりも無くて、窓から外を眺める。じとじと、雨が降り続けていて薄暗い。時刻は夕方で、空が黒い穴に見えた。嫌な天気である。
「警察に行っても駄目だろうな。目に見えない奴が、居るかも知れないってだけでは」
「俺に言えるのも、『できるだけ三人で行動しなさい』ってアドバイスくらいさ。あまり俺が娘達と話すと、元妻が気分を害するんだよ。遠くから見守るしか無いよなぁ」
吾輩、二階に行って龍之介くんと話す事にした。必要なら「おかしな奴が居る」と伝えなければなるまい。階段を上って部屋に入ると、龍之介くんは眠そうであった。
「どうかしましたかー、吾輩さん」
「いやいや、大した事じゃないんだ。無理に起きなくていいよ」
龍之介くんは眠ろうか起きようか迷っているような動きをしている。頭が重いので起き上がるのは難しそうだ。その内に眠るだろう。
「何か、お話してくれませんか吾輩さん。今、読んでいる小説の話とか」
「今は『明暗』を読んでいるね。結婚した主人公が、好きだった女の人に会いに行くまでの話だよ」
「会って何をするんですかねー?」
「そこまでは書かれてないからねー、分からないねー」
前世紀には、『有楽町で逢いましょう』という曲があったらしい。逢って何をするのかは吾輩、知らない。『明暗』の主人公である津田も、案外、会って何をするかは考えてなかったのではないか。会いたいから会いたい、好きだから会いたい。子供というか、馬鹿の理屈というか。
終盤で津田は、自分の事を馬鹿のように感じる。それまでの津田は、正直な気持ちというものを隠して生きてきた男であった。利益のために、適当に周囲に合わせて、それで良しという生き方であった。本心を妻にも見せないため、当然ながら夫婦生活は半年でギクシャクしている。
それでは駄目だというのが漱石先生の主張であろう。小説では小林という男を通して、津田の心の働きに目を向けさせる。更に吉川夫人という人を通して、津田に正直な気持ちに寄る行動を取らせる。すなわち馬鹿みたいに、好きな女性である清子の所に行くという行動を。
正直な行動を取るという事は、自分の自我を通すという事でもある。衝突も起こるだろう、ちょっとした戦争も起こるだろう。しかし個人の戦争は国家の戦争よりも被害は小さいだろう。小説の中でも、夫婦の争いを「戦争」という言葉で表す箇所がある。
主人公夫婦は、どうなるか。仲良くなるのか、離婚するのか。未完に終わった小説の続きを吾輩が考えてみると、離婚はしないと思う。終盤、主人公が清子に会いに行くのは、吉川夫人が仕向けたからであった。それで離婚という展開は、あまりにも酷いではないか。
「どんな内容の話なのか、ダイジェストで話してくれませんかー。吾輩さーん」
布団の上で、もぞもぞと動きながら龍之介くんが言う。やれやれ、子供というのは無茶を言うものである。
「前半は主人公の津田が、痔の手術で入院するまでの話だね。ちなみに津田の年齢は三十、妻の延子は二十三。二人は東京の家で暮らしてる。津田の父親は京都に住んでて、毎月、津田にお金を送ってくれてたんだね。でも夫婦が、と言うか妻の延子が贅沢好きで、それで父親が怒って送金を止める。さあ大変、と言いたい所だけど結局、お金は他の人から貰う事で解決する」
『明暗』は、およそ大事件というものが起こらない。おそらく未完に終わった辺りから、次々と騒動が起こる展開になっていたのだろうと思う。この小説はキャラクター同士の会話劇や、漱石先生が暗に示す伏線のようなシーンを味わうのが文学的な楽しみであろう。
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津田の妻である延子は、津田と同様、両親が京都に居る。延子の親戚である岡本夫婦は東京に居て、岡本は実業家で金がある。この岡本と仲が良い吉川は、津田の会社での上司だ」
そして、この吉川の妻である吉川夫人が、津田と延子の仲を取り持って結婚させている。吉川夫人は世話好きの暇人で、かつては津田と清子を結婚させようとしていたが、清子は関という男と結婚してしまった。津田は清子から振られた形で、何で振られたのかも分からない。
「その他、津田の妹である秀子は、堀って男と結婚している。年齢は延子より一つ年上で、既に子供が二人。ストレスがあるのか、秀子は津田の妻である延子を嫌ってる。子供が居ない延子が気楽に見えるのかもね」
「うーん」
龍之介くんは、うとうとしている。もう少し話したら眠りに就きそうだ。
「後は小林という男が居て、津田の友達らしいんだけど、いつも金をせびるんで嫌われてる。この小林は最後の方で朝鮮に行く。何か危ない商売でもするんじゃないかな。小林は津田と清子が付き合ってた事を知っている。津田の妻である延子は、清子を知らない」
ちなみに、津田の妹である秀子も、清子の事を知っている。この二人が延子に接近していく。
「登場人物は他にも居るけど省略するよ。主要登場人物は東京に居て、居ないのは清子くらいだね。ストーリーは主人公が入院して、延子は親戚の岡本家から小切手を渡される。津田の妹の秀子も、まあ兄とも兄嫁とも仲は悪いんだけど、病院にお金を持ってきて渡してくれる。
ただ延子には、小林や秀子に寄って、清子の存在が暗に示される。後で延子と清子が揉める展開が構想されてたと思うけど、そこまで小説は書かれなかったね」
「くー」
寝てしまったようだ。大作のダイジェストというものは、良い子守歌になるのかも知れない。
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