2 / 6
1 信者は作者(かみさま)に逆らえない
しおりを挟む
幽霊の彼女が生前に通っていた温泉宿は、私も以前に泊まった事があった。その時の私は高校三年生で、当時は両親に連れてきて貰っていた。その当時から私はマンガが好きで、そして友達なんか居なくて同性愛者で。色々と拗らせていた私は、一昔前に発行されていた愛読書のマンガ単行本を片手に、宿の中を一人でウロウロしてて。
『あ! それ、私が描いたマンガじゃない!』
だからなのか、こんな風に、幽霊の彼女から声を掛けられてしまった。普通なら驚いて悲鳴の一つでもあげるんだろうけど、すんなり受け入れてしまったのは、たぶん私も人恋しかったのだと思う。幽霊でも何でもいいから、誰かと心を通わせたかった。まして相手が、私が大好きなマンガの作者であるというなら尚更だ。
彼女は温泉宿に長く居た幽霊らしいけど、その宿からはあっさり離れて私の家まで付いてきた。私以外の目には見えなくて、あっという間に私と彼女は深い仲になってしまって。肉体的には、まだ私は処女だけれど、もう口に出すのも憚られるほど色々な事をされてしまって現在に至る。
「宿に着いたねー。あー、懐かしいなぁ、この感じ」
幽霊の彼女が、チェックインを終えて入った和室の中で伸びをする。ところで私の目に彼女が、どう映っているかと言うと、立体的なマンガのキャラクターみたいな感じだ。ただ、もっと実写的で、幽霊というよりは天使のようなイメージ。黄金のオーラに包まれてて、神様の使いだと言われたら誰もが信じそうな姿である。実際は私の体に悪戯を繰り返す存在だけど。
そんなリラックスした彼女の傍で、私は落ち着かなかった。まだ太陽は高くて夜には程遠いけれど、『姫初めの前の、軽い遊び』と称して毎日、アパートで私は彼女から体を弄られてて。もう早く、私は止めを刺してほしかったのだ。どうか私を組み伏せて屈服させてください。
「もう……いいでしょ。早く、して……」
「ん。じゃあ服を脱いで、布団に入って。浴衣もあるけど、着るのは後でいいよね。どうせ脱がすんだから」
指示通り、私はキャミソール一枚の姿になって、敷いておいた布団の中に入った。仮に仲居さんが部屋に来ても、一人で寝ているようにしか見えないはずだ。幽霊の彼女には実体が無いから、布団がモコモコ動いたりもしない。
たぶん変な顔になるから、彼女以外の誰にも見られないように、私は布団の中に身を隠した。「はい、声が出ないように、口は塞がないとね」と彼女が、ディープキスで私の口内に侵入する。これで私は絶対に声を出せない。この状態で彼女は、何時間でも私を虐める事ができる。
いつの間にか、布団の中は異空間になる。夢の中に居るのだと、理屈では分かっているのに、体感がリアルすぎて眠っている感覚なんか無い。そして夢の中だから、私は宙に浮かんでいて彼女達から囲まれている。彼女は分身する事ができて、私の口をキスで塞ぎながら、更に別の彼女達が私の両耳を左右から舌で弄る。
くすくす笑う彼女の声が、言いようもなく気持ちいい。私は仰向けに浮かんでいて、体の前側からも後ろ側からも彼女が来る。手も足も複数の彼女達から抑えられて、百本以上の彼女の指が私をまさぐってくる。複数の舌の感触。夢の中だから気絶もできなくて、長い間、私は彼女から可愛がられた後に解放してもらった。
『あ! それ、私が描いたマンガじゃない!』
だからなのか、こんな風に、幽霊の彼女から声を掛けられてしまった。普通なら驚いて悲鳴の一つでもあげるんだろうけど、すんなり受け入れてしまったのは、たぶん私も人恋しかったのだと思う。幽霊でも何でもいいから、誰かと心を通わせたかった。まして相手が、私が大好きなマンガの作者であるというなら尚更だ。
彼女は温泉宿に長く居た幽霊らしいけど、その宿からはあっさり離れて私の家まで付いてきた。私以外の目には見えなくて、あっという間に私と彼女は深い仲になってしまって。肉体的には、まだ私は処女だけれど、もう口に出すのも憚られるほど色々な事をされてしまって現在に至る。
「宿に着いたねー。あー、懐かしいなぁ、この感じ」
幽霊の彼女が、チェックインを終えて入った和室の中で伸びをする。ところで私の目に彼女が、どう映っているかと言うと、立体的なマンガのキャラクターみたいな感じだ。ただ、もっと実写的で、幽霊というよりは天使のようなイメージ。黄金のオーラに包まれてて、神様の使いだと言われたら誰もが信じそうな姿である。実際は私の体に悪戯を繰り返す存在だけど。
そんなリラックスした彼女の傍で、私は落ち着かなかった。まだ太陽は高くて夜には程遠いけれど、『姫初めの前の、軽い遊び』と称して毎日、アパートで私は彼女から体を弄られてて。もう早く、私は止めを刺してほしかったのだ。どうか私を組み伏せて屈服させてください。
「もう……いいでしょ。早く、して……」
「ん。じゃあ服を脱いで、布団に入って。浴衣もあるけど、着るのは後でいいよね。どうせ脱がすんだから」
指示通り、私はキャミソール一枚の姿になって、敷いておいた布団の中に入った。仮に仲居さんが部屋に来ても、一人で寝ているようにしか見えないはずだ。幽霊の彼女には実体が無いから、布団がモコモコ動いたりもしない。
たぶん変な顔になるから、彼女以外の誰にも見られないように、私は布団の中に身を隠した。「はい、声が出ないように、口は塞がないとね」と彼女が、ディープキスで私の口内に侵入する。これで私は絶対に声を出せない。この状態で彼女は、何時間でも私を虐める事ができる。
いつの間にか、布団の中は異空間になる。夢の中に居るのだと、理屈では分かっているのに、体感がリアルすぎて眠っている感覚なんか無い。そして夢の中だから、私は宙に浮かんでいて彼女達から囲まれている。彼女は分身する事ができて、私の口をキスで塞ぎながら、更に別の彼女達が私の両耳を左右から舌で弄る。
くすくす笑う彼女の声が、言いようもなく気持ちいい。私は仰向けに浮かんでいて、体の前側からも後ろ側からも彼女が来る。手も足も複数の彼女達から抑えられて、百本以上の彼女の指が私をまさぐってくる。複数の舌の感触。夢の中だから気絶もできなくて、長い間、私は彼女から可愛がられた後に解放してもらった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
マスターピース
転生新語
ライト文芸
海に近い地方が舞台。ヴィンセント・ファン・ゴッホを敬愛している高校三年生の女子がヒロイン。高校から絵を描き始めて、今は油絵に挑戦中。美術部に所属してて、同じ部活の水野さんの事が気になる。
水野さんは、親戚が画家で、自宅にアトリエがあって水彩画を描いている。ヒロインから見れば、水と油のように、水野さんとは合わなそうな気もする。
来年は卒業という今になって、水野さんと仲良くなりたくて、ヒロインは夏休みに彼女のアトリエを訪問して……
この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。二〇二二年七月に完結済みです。
ハロウィン・レクイエム
転生新語
ライト文芸
『十五夜狂騒曲』のヒロインと恋人が二人で過ごす話。場所は恋人の自宅。
ハロウィンが近い週末、秋の夜長に、本を読んで過ごす。本は『フランケンシュタイン』と『マチルダ』。女子二人が将来に付いて等を話し合うだけのお話。
この話は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n2835hx/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330648922340101
バックパックガールズ ~孤独なオタク少女は学園一の美少女たちの心を癒し、登山部で甘々な百合ハーレムの姫となる~
宮城こはく
恋愛
空木ましろはオタク趣味をひたすら隠して生きる、孤独なインドア女子高生だった。
友達が欲しいけど、友達の作り方が分からない。
スポーツ万能で頭が良くて、友達が多い……そんな憧れの美少女・梓川ほたか先輩のようになりたいけど、自分なんかになれるはずがない。
そんなましろは、ひょんなことから女子登山部を訪問することになるのだが、なんと登山部の部長は憧れのほたか先輩だった!
部員減少で消滅の危機に瀕しているため、ほたか先輩からは熱烈な歓迎を受ける。
それはもう過剰なまでに!
そして登山部は、なぜか美少女ぞろい!
スーパーアスリートで聖母のようにやさしいお姉さん・ほたか先輩。
恥ずかしがり屋の目隠しボクっ娘・千景さん。
そしてワイルドで怖いのに照れ屋な金髪少女・剱さんの甘々な色香に惑わされていく。
「私には百合の趣味はないはず! 落ち着けましろ!」
……そんな風に誘惑にあらがいつつも、特殊スキル『オタク絵師』によって少女たちを魅了し、持ち前の『観察眼』によって絆を深めていく。
少女たちは次々にましろを溺愛するようになり、ましろはいつの間にか百合ハーレムの姫になっていくのだった。
イチャイチャで甘々な百合ハーレムの真ん中で、ましろのゆる~い青春の物語が幕を開けるのですっ!
※「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアップ+」でも公開中です。
【完結】【R18百合】会社のゆるふわ後輩女子に抱かれました
千鶴田ルト
恋愛
本編完結済み。細々と特別編を書いていくかもしれません。
レズビアンの月岡美波が起きると、会社の後輩女子の桜庭ハルナと共にベッドで寝ていた。
一体何があったのか? 桜庭ハルナはどういうつもりなのか? 月岡美波はどんな選択をするのか?
おすすめシチュエーション
・後輩に振り回される先輩
・先輩が大好きな後輩
続きは「会社のシゴデキ先輩女子と付き合っています」にて掲載しています。
だいぶ毛色が変わるのでシーズン2として別作品で登録することにしました。
読んでやってくれると幸いです。
「会社のシゴデキ先輩女子と付き合っています」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/759377035/615873195
※タイトル画像はAI生成です
(R18) 女子水泳部の恋愛事情(水中エッチ)
花音
恋愛
この春、高校生になり水泳部に入部した1年生の岡田彩香(おかだあやか)
3年生で部長の天野佳澄(あまのかすみ)
水泳部に入部したことで出会った2人は日々濃密な時間を過ごしていくことになる。
登場人物
彩香(あやか)…おっとりした性格のゆるふわ系1年生。部活が終わった後の練習に参加し、部長の佳澄に指導してもらっている内にかっこよさに惹かれて告白して付き合い始める。
佳澄(かすみ)…3年生で水泳部の部長。長めの黒髪と凛とした佇まいが特徴。部活中は厳しいが面倒見はいい。普段からは想像できないが女の子が悶えている姿に興奮する。
絵里(えり)…彩香の幼馴染でショートカットの活発な女の子。身体能力が高く泳ぎが早くて肺活量も高い。女子にモテるが、自分と真逆の詩織のことが気になり、話しかけ続け最終的に付き合い始める。虐められるのが大好きなドM少女。
詩織(しおり)…おっとりとした性格で、水泳部内では大人しい1年生の少女。これといって特徴が無かった自分のことを好きと言ってくれた絵里に答え付き合い始める。大好きな絵里がドMだったため、それに付き合っている内にSに目覚める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる