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第二章 混沌竜の契約者
コンの囁き
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「ここが杖屋だ!」
「ここですか?」
イツキさんとその仲間の皆さんとわいわい話しながら移動していた僕達は1つの小さな店に着いた。
「そうそう、そういや今更だけど何で杖を買うんだ?」
「あ、それはこの前イツキさんからもらった竜の魔石を杖にしてもらおうと思って」
そう言うと、イツキさんはポンと手を叩く。
「あー、あのマジックバック掴み取りしたやつね」
「イツキ、そんな遊び感覚で竜の魔石をあげるのは良くない。あれは凄い力を持ってるんだから悪用されるとかなりマズイ」
と、フールさんがジト目でイツキさんを見る。
「いいじゃねえか別に。それに流石の俺でもそんなことしそうなやつか否かぐらいちゃんと見てるに決まってんだろ」
「ならいいけど」
「まったくイツキは何時も勝手に……」とぶつぶつ呟くフールさんをイツキはハァと溜め息をついて、そして何か思い付いたようでカバンの中に手を入れる。
「そういやあん時あげた魔石って確か火と水と風と光だったよな?」
「あ、はいそうです」
確か赤と青と緑と薄い黄色だったからそのはずだ。
「じゃあこれもオマケだ」
そう言ってカバンの中から茶色と紫の竜の魔石を取り出した。
「え!?いや、もうあれだけでも多すぎるぐらいなのに、更になんて……」
「あん時も言ったろ?俺らはこれを使わねーからやるって。魔法使うのは俺とメイが主だし、俺らはそれ使った杖なんかよりもっと良いの使ってるからな」
そしてイツキさんは有無を言わさず2つの竜の魔石を僕の手に押し付けてしまった。
「えっと、その……」
どうしようかとオロオロする僕にメイさんが言う。
「いいから貰っておきなよ。わかりにくいだろうけどそれはあいつなりの応援なんだから。それ使って私達と同じ所まで来れたら一緒に旅も出来るだろう?」
メイさんはそう言ってイツキさんにニヤリと笑ってみせる。
「なんでそういうこと言っちゃう訳!?」
「イツキが恥ずかしがる姿が見たいから」
「ほんと性格悪いな!!」
「イツキにだけは言われたくないわよ!」
そう言って2人が店の前でワーワー騒いでいると店の戸がガラッと開いた。
「店の前で騒ぐんじゃない!用があるんならさっさと入らんかい!!」
そう言って1人の老人が顔を出す。
「「ごめんなさい!」」
僕とフールさんが反射的に謝る。
「先程から魔石がどうこうと言っておったようだが、杖を買うにしろ作るにしろ中にはいりなさい」
お爺さんはそう言うとさっさと店の中に戻って行った。
「ふむ……すまぬがロイよ、先に中に入って待っていてくれないか?」
そう、コンが唐突に言った。
「え、何で?」
「イツキよ、少しばかり話したい事がある」
しかしコンはその質問を無視してイツキに近寄る。
「話なんて別に何時でも……」
イツキさんはちょっとだけ面倒臭そうに言うがそれも無視して更に近づく。
そして、コンがイツキさんの耳元で何かを囁いた。
反応は劇的だった。
イツキさんは一瞬驚愕といった表情となり、その直後先程までのどこか軽い雰囲気が消え去って真剣そのものの雰囲気に変わる。
「おま……わかった。俺はこの鳥とちょっと話す事があるから先に入って待ってろ」
イツキさんがそう言うと仲間達は少々戸惑ったように口を開きかけたが、しかしイツキさんの鋭い視線を受けて黙ったまま僕とソフィを連れて店の中に入る。
「いったい、何の話だろう?」
「ここですか?」
イツキさんとその仲間の皆さんとわいわい話しながら移動していた僕達は1つの小さな店に着いた。
「そうそう、そういや今更だけど何で杖を買うんだ?」
「あ、それはこの前イツキさんからもらった竜の魔石を杖にしてもらおうと思って」
そう言うと、イツキさんはポンと手を叩く。
「あー、あのマジックバック掴み取りしたやつね」
「イツキ、そんな遊び感覚で竜の魔石をあげるのは良くない。あれは凄い力を持ってるんだから悪用されるとかなりマズイ」
と、フールさんがジト目でイツキさんを見る。
「いいじゃねえか別に。それに流石の俺でもそんなことしそうなやつか否かぐらいちゃんと見てるに決まってんだろ」
「ならいいけど」
「まったくイツキは何時も勝手に……」とぶつぶつ呟くフールさんをイツキはハァと溜め息をついて、そして何か思い付いたようでカバンの中に手を入れる。
「そういやあん時あげた魔石って確か火と水と風と光だったよな?」
「あ、はいそうです」
確か赤と青と緑と薄い黄色だったからそのはずだ。
「じゃあこれもオマケだ」
そう言ってカバンの中から茶色と紫の竜の魔石を取り出した。
「え!?いや、もうあれだけでも多すぎるぐらいなのに、更になんて……」
「あん時も言ったろ?俺らはこれを使わねーからやるって。魔法使うのは俺とメイが主だし、俺らはそれ使った杖なんかよりもっと良いの使ってるからな」
そしてイツキさんは有無を言わさず2つの竜の魔石を僕の手に押し付けてしまった。
「えっと、その……」
どうしようかとオロオロする僕にメイさんが言う。
「いいから貰っておきなよ。わかりにくいだろうけどそれはあいつなりの応援なんだから。それ使って私達と同じ所まで来れたら一緒に旅も出来るだろう?」
メイさんはそう言ってイツキさんにニヤリと笑ってみせる。
「なんでそういうこと言っちゃう訳!?」
「イツキが恥ずかしがる姿が見たいから」
「ほんと性格悪いな!!」
「イツキにだけは言われたくないわよ!」
そう言って2人が店の前でワーワー騒いでいると店の戸がガラッと開いた。
「店の前で騒ぐんじゃない!用があるんならさっさと入らんかい!!」
そう言って1人の老人が顔を出す。
「「ごめんなさい!」」
僕とフールさんが反射的に謝る。
「先程から魔石がどうこうと言っておったようだが、杖を買うにしろ作るにしろ中にはいりなさい」
お爺さんはそう言うとさっさと店の中に戻って行った。
「ふむ……すまぬがロイよ、先に中に入って待っていてくれないか?」
そう、コンが唐突に言った。
「え、何で?」
「イツキよ、少しばかり話したい事がある」
しかしコンはその質問を無視してイツキに近寄る。
「話なんて別に何時でも……」
イツキさんはちょっとだけ面倒臭そうに言うがそれも無視して更に近づく。
そして、コンがイツキさんの耳元で何かを囁いた。
反応は劇的だった。
イツキさんは一瞬驚愕といった表情となり、その直後先程までのどこか軽い雰囲気が消え去って真剣そのものの雰囲気に変わる。
「おま……わかった。俺はこの鳥とちょっと話す事があるから先に入って待ってろ」
イツキさんがそう言うと仲間達は少々戸惑ったように口を開きかけたが、しかしイツキさんの鋭い視線を受けて黙ったまま僕とソフィを連れて店の中に入る。
「いったい、何の話だろう?」
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