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第二章 混沌竜の契約者
ユンと僕と村
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「投げるよ~!」
「ワフウ!」
それから少しして、今ユンはソフィと遊んでいる。
ソフィが適当に拾った木の枝を投げ、それをユンが空中でキャッチするという遊びである。
「良く出来ました」
「ワン!」
そして枝を取れたら頭を撫でて、それからまた投げてを繰り返す。
それは狼王と言う存在であることを全く感じさせない光景である。
「ねぇコン」
「何だ?」
今僕は草原で足を前に投げ出して座り、元の巨大な20メートルの姿に戻っているコンにもたれかかってる。
「ちなみにコンはユンが何を言ってるのかわかったりする?」
なんとなく良く興味本位でそんな事を聞いてみる。
「勿論わかるに決まっておるだろう」
「そうなの、わかるん……え、わかるの!?」
流石にそんな事ないよねと思っていたから今の答えにに驚く。
「何故自ら聞いておいて驚くのだ……ほれ、ちょっと翻訳の魔法をかけてやるぞ」
そうコンが言うと、突然何か魔法がかけられ……ユンの鳴き声が日本語に変換された声も鳴き声とは別に聞こえてきた。
「行くよー!」
「ワンワンワン!(楽しい、楽しい、もっと投げて!)」
「それ!」
「ワ、ワフワン!(やった、取る、取る!)」
「またうまく取れたね、ユン」
「ワフー(そこ、そこ気持ちいいよー)」
実に楽しそうである。
「ぷ、あは、あはははは」
とにかく楽しそうで嬉しそうだとしかわからなかったユンの言葉がわかると嬉しくて、それに本当に楽しそうで嬉しそうで、ついつい笑ってしまう。
「ん、どうしたのロイ君?」
「ワフ?(どうしたの?)」
「どうもしないよ、ちょっとコンとお話してただけ」
「そうなの?それじゃあユン、もう一回行くよー!」
「ワン!(やった!)」
それから暫く遊び続け、お昼ごはんの時間になった。
「「「いただきます!」」」「ワン!(食う!)」
遊びに来て何か食べるとき何時も一緒に吠えてたけど、食うって言っていたのか。
ちょっと笑ってしまいそうになったけど、まあ狼だしと思う。
「うん、やっぱりソフィのご飯は美味しい」
クックという鳥(鶏を一回り大きくした鳥)の卵焼きを食べながら言う。
「えへへ、ありがとう。ユンも1つ食べる?」
「ワン!(食う!)」
ちなみにユンは森から採ってきた果物と弾丸兎の肉を食べていた。
弾丸兎は勿論ユンが狩ってきた物なので臓物なども食べてる過程で見ることにはなるのだが、そんなことを一々気にしていては狩った獲物を捌くことも出来ないので僕もソフィも気にすることはない。
「「「ご馳走様でした!」」」「ワフ(お腹いっぱい)」
それから食べ終えた僕達はまたユンと遊び、そして日が傾き始めて段々空が朱く染まり始めた。
「それじゃあまたね、ユン」
「ユンちゃん楽しかったよ」
僕とソフィは帰り支度をする。
「ワフゥ……(行っちゃうの?)」
未だ続く翻訳魔法のおかげで何時もより別れが寂しく感じる。
「大丈夫、また遊びに来るから」
僕はそう言って頭を撫でてやると少しだけ嬉しそうな表情をして、離すとまた寂しそうな顔になる。
「私もまた遊びに来るから、そしたらまた遊ぼうね」
「ワンワン(一緒に居ようよー)」
しかし、ユンは何時もと同じように僕達の前に立って寂しそうにする。
「ごめんね、ユン。でも一緒にここでは居られないし、ユンが僕達の村に来たら殺されちゃうかもしれないから……」
そして何時ものようにそうユンを諭す。
するとユンは嫌々ながらも横にズレる。
「クーン……(ほんとに行っちゃうの?)」
「今度はまたすぐ来るから」
「冬も過ぎたから、これからは月に一回は来れるから」
そうユンに言って僕達は帰ろうとした。
「ふむ……ロイよ、1つ聞いてもよいか?」
突然コンが僕に話しかける。
「何?」
「そもそも何故ユンは一緒に居られないのだ?」
「それは、村に来て何かの拍子に暴れられたら危険だから……」
当たり前だ、ユンは僕とソフィにはよく懐いているけど狼だ。
他の人を襲ったりしない保証は出来ないし、かといって僕がそれを止めることも出来ない。
もし何かあれば即ユンは殺されるだろうし、それを未然に防ぐ為に村に入れる前に殺される可能性も高い。
だから無理だとコンに言うと、コンは不思議そうに言う。
「それならばロイが従魔契約を交わしてしまえば何の問題もないのではないか?それも我のように5滴もの血を流さず、そうだな……ユンが人の世を学ぶまでは抑えて置くために、3滴までに抑えて契約さえすれば大丈夫だろう」
そう、コンはこの解決策を告げた。
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この世界に犬と呼ばれる存在は居ません。
「ワフウ!」
それから少しして、今ユンはソフィと遊んでいる。
ソフィが適当に拾った木の枝を投げ、それをユンが空中でキャッチするという遊びである。
「良く出来ました」
「ワン!」
そして枝を取れたら頭を撫でて、それからまた投げてを繰り返す。
それは狼王と言う存在であることを全く感じさせない光景である。
「ねぇコン」
「何だ?」
今僕は草原で足を前に投げ出して座り、元の巨大な20メートルの姿に戻っているコンにもたれかかってる。
「ちなみにコンはユンが何を言ってるのかわかったりする?」
なんとなく良く興味本位でそんな事を聞いてみる。
「勿論わかるに決まっておるだろう」
「そうなの、わかるん……え、わかるの!?」
流石にそんな事ないよねと思っていたから今の答えにに驚く。
「何故自ら聞いておいて驚くのだ……ほれ、ちょっと翻訳の魔法をかけてやるぞ」
そうコンが言うと、突然何か魔法がかけられ……ユンの鳴き声が日本語に変換された声も鳴き声とは別に聞こえてきた。
「行くよー!」
「ワンワンワン!(楽しい、楽しい、もっと投げて!)」
「それ!」
「ワ、ワフワン!(やった、取る、取る!)」
「またうまく取れたね、ユン」
「ワフー(そこ、そこ気持ちいいよー)」
実に楽しそうである。
「ぷ、あは、あはははは」
とにかく楽しそうで嬉しそうだとしかわからなかったユンの言葉がわかると嬉しくて、それに本当に楽しそうで嬉しそうで、ついつい笑ってしまう。
「ん、どうしたのロイ君?」
「ワフ?(どうしたの?)」
「どうもしないよ、ちょっとコンとお話してただけ」
「そうなの?それじゃあユン、もう一回行くよー!」
「ワン!(やった!)」
それから暫く遊び続け、お昼ごはんの時間になった。
「「「いただきます!」」」「ワン!(食う!)」
遊びに来て何か食べるとき何時も一緒に吠えてたけど、食うって言っていたのか。
ちょっと笑ってしまいそうになったけど、まあ狼だしと思う。
「うん、やっぱりソフィのご飯は美味しい」
クックという鳥(鶏を一回り大きくした鳥)の卵焼きを食べながら言う。
「えへへ、ありがとう。ユンも1つ食べる?」
「ワン!(食う!)」
ちなみにユンは森から採ってきた果物と弾丸兎の肉を食べていた。
弾丸兎は勿論ユンが狩ってきた物なので臓物なども食べてる過程で見ることにはなるのだが、そんなことを一々気にしていては狩った獲物を捌くことも出来ないので僕もソフィも気にすることはない。
「「「ご馳走様でした!」」」「ワフ(お腹いっぱい)」
それから食べ終えた僕達はまたユンと遊び、そして日が傾き始めて段々空が朱く染まり始めた。
「それじゃあまたね、ユン」
「ユンちゃん楽しかったよ」
僕とソフィは帰り支度をする。
「ワフゥ……(行っちゃうの?)」
未だ続く翻訳魔法のおかげで何時もより別れが寂しく感じる。
「大丈夫、また遊びに来るから」
僕はそう言って頭を撫でてやると少しだけ嬉しそうな表情をして、離すとまた寂しそうな顔になる。
「私もまた遊びに来るから、そしたらまた遊ぼうね」
「ワンワン(一緒に居ようよー)」
しかし、ユンは何時もと同じように僕達の前に立って寂しそうにする。
「ごめんね、ユン。でも一緒にここでは居られないし、ユンが僕達の村に来たら殺されちゃうかもしれないから……」
そして何時ものようにそうユンを諭す。
するとユンは嫌々ながらも横にズレる。
「クーン……(ほんとに行っちゃうの?)」
「今度はまたすぐ来るから」
「冬も過ぎたから、これからは月に一回は来れるから」
そうユンに言って僕達は帰ろうとした。
「ふむ……ロイよ、1つ聞いてもよいか?」
突然コンが僕に話しかける。
「何?」
「そもそも何故ユンは一緒に居られないのだ?」
「それは、村に来て何かの拍子に暴れられたら危険だから……」
当たり前だ、ユンは僕とソフィにはよく懐いているけど狼だ。
他の人を襲ったりしない保証は出来ないし、かといって僕がそれを止めることも出来ない。
もし何かあれば即ユンは殺されるだろうし、それを未然に防ぐ為に村に入れる前に殺される可能性も高い。
だから無理だとコンに言うと、コンは不思議そうに言う。
「それならばロイが従魔契約を交わしてしまえば何の問題もないのではないか?それも我のように5滴もの血を流さず、そうだな……ユンが人の世を学ぶまでは抑えて置くために、3滴までに抑えて契約さえすれば大丈夫だろう」
そう、コンはこの解決策を告げた。
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この世界に犬と呼ばれる存在は居ません。
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