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第二章 サラタール王国剣魔術大会
この世界に於ける魔法(1)
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「ラビットは今、魔法に関してどれ程の知識があるのですか?」
今は協会の裏庭で目の前に立っている、青い長髪の黒い修道服を着たマナに魔法の基礎を教えてもらうにあたり、今の進捗状況を聞いてきた。
「俺が知ってるのは魔法には属性が6つあって、魔力をこう、なんかやりたいことを想像しながら使えば魔法が出るってことぐらいかな」
これは、神父とサヤに簡単に教えてもらったことだ。
「そこからですか、魔力に関するお話と、魔法の分類もお話しないといけませんね」
そこでマナは一つ溜息をついてボソッと言った。
「殆ど始めからじゃないですか」
な、なんかごめんなさい。
「まず魔法は『火』『水』『土』『風』『光』『闇』の『基本6属性』で成り立っている『属性魔法』と、様々な現象を引き起こす『現象魔法』の2種類あります」
「現象魔法?」
属性に関しては聞いてたが、それは聞いたこと無いぞ。
しかし、マナは聞き返したのを聞き流し、そのまま講義を進める。
「まず属性魔法ですが、これはそれぞれに特徴があり、また属性ごとに相性があります。火は風に強く、風は土に強く、土は水に強く、水は火に強いです」
「じゃあ残りの2属性はどうなるんだ?」
「光と闇はお互いがお互いに強く、また弱点としていますが、この2属性を戦闘に使うにはあまり向いておらず、使える者は……そうですね、ラビットのように、異常、若しくはある程度の適正が必要です」
「おい今さらっとバカにしなかったか!?」
言葉だけ聞くと褒められてるように聞き取ることも出来ようが、異常とという所だけやや強調して言っていた。
しかし何でもないように澄まし顔でマナはスルーして続ける。
「そして、属性魔法に関してはそれぞれを司る神、所謂この世界に於ける『3神』と呼ばれる存在が居ます」
「3神……ん?属性と神の数が足りなくないか?」
一人2属性司ってるのかと思って質問すると、意外な答えが返って来た。
「その見た目や口調にしては意外に賢いですね。ええ、まずラビットが降臨させたという大騒動を引き起こした女神は第2神、ハラスメント様は俗に『下位4属性』と呼ばれる、火、水、土、風を司っています」
「見た目と口調は余計だ!!そんで、残りの2属性は誰が司ってるんだ?」
別に誰でもいいが、かなり有名な神らしいし知っとかないとまずいかもしれない。
……ハラスメントのせいですっごい大騒動になったしな!!
「残りの『高位2属性』に関しましては、光を司るは第1神『サタン・ルシファー』であり、闇を司るは第3神『天照大御神』と呼ばれる二人の男神であると言うのがこの世界の常識です」
……何だろうか、色々とカオスである。
まず何で元の世界の神の名が使われてるかとか、司るの逆の方が良くねとか、そもそも天照大御神って男神じゃないよなとか、それ以前にとってくる場所が統一感なさ過ぎてわけわかんないとか、もう何でそうなったと叫びたい。
「そういや第何神とか言ってたけど、それってどう決められたんだ?」
もうそんなことはどうでもいいやと投げ出して、適当に聞く。
「それは3神が御兄弟であり、長男がサタン・ルシファー、次が長女である女神ハラスメント、次男で最も産まれの遅かったのが天照大御神様だといわれているからです」
「ええと、簡単に言うと年功序列ってやつか?」
「ええ、そのとおりです」
なんと言うか、神の世界もあんまり変わらないのかな。
「コホン、3神のことはさておき属性魔法には他に『派生属性』と『複合属性』と呼ばれる属性があります」
「は、まだあるのかよ!?」
6属性だけじゃないの?
「嫌ならやめますけど?」
「すんません続けて下さい」
流石にここでやめられたら教えてもらう機会がないかもしれないのですぐに謝る。
「はぁ。それで派生属性はその名の通り、基本6属性から派生する属性であり、全属性にある訳ではなく、水は『氷』、土は『金』、光に『雷』の3種類あります」
「火、風、闇には無いのか?」
わかってはいるけど、一応確認してみる。
「ええ。昔は炎、嵐、暗黒なんてのにしようという話があったみたいですが、特に変わることもないので即日却下されて今に至ります」
別にどっちでもいい予備知識付きで教えてくれた。
「複合属性に関しましてもその名の通り、他の属性を混ぜて起こす属性の事であり、火と水で『霧』、水と土で『木』の2属性がこれにあたります」
「なかなか複雑だな……」
正直、今現在あまり全部を覚えきれているとは言い切れない。
「まあ、基本6属性と神を覚えていれば今日は充分でしょう。他の属性に関してもちゃんとスラスラ言えるようにしっかりと身に付けておきなさい」
「はい!!」
「では、今からはそこの道具を使って実技を行います。もし全く出来なければ、徹夜してでも出来るまでやってもらいます」
「は!?」
その後、俺は必死になって実技を行い、何とかギリギリ及第点を貰うことが出来た。
一応ここまでのことを箇条書きしておく。
・属性魔法
基本6属性 火←水←土←風(←火とループ)(下位4属性) 光←→闇(上位2属性)
派生3属性 水→氷 土→金 光→雷
複合2属性 火+水→霧 水+土→木
3神
第1神 男神 サタン・ルシファー(光)
第2神 女神 ハラスメント(火、水、土、風)
第3神 男神 天照大御神(アマテラスオオミカミ)(闇)
・現象魔法
?
今は協会の裏庭で目の前に立っている、青い長髪の黒い修道服を着たマナに魔法の基礎を教えてもらうにあたり、今の進捗状況を聞いてきた。
「俺が知ってるのは魔法には属性が6つあって、魔力をこう、なんかやりたいことを想像しながら使えば魔法が出るってことぐらいかな」
これは、神父とサヤに簡単に教えてもらったことだ。
「そこからですか、魔力に関するお話と、魔法の分類もお話しないといけませんね」
そこでマナは一つ溜息をついてボソッと言った。
「殆ど始めからじゃないですか」
な、なんかごめんなさい。
「まず魔法は『火』『水』『土』『風』『光』『闇』の『基本6属性』で成り立っている『属性魔法』と、様々な現象を引き起こす『現象魔法』の2種類あります」
「現象魔法?」
属性に関しては聞いてたが、それは聞いたこと無いぞ。
しかし、マナは聞き返したのを聞き流し、そのまま講義を進める。
「まず属性魔法ですが、これはそれぞれに特徴があり、また属性ごとに相性があります。火は風に強く、風は土に強く、土は水に強く、水は火に強いです」
「じゃあ残りの2属性はどうなるんだ?」
「光と闇はお互いがお互いに強く、また弱点としていますが、この2属性を戦闘に使うにはあまり向いておらず、使える者は……そうですね、ラビットのように、異常、若しくはある程度の適正が必要です」
「おい今さらっとバカにしなかったか!?」
言葉だけ聞くと褒められてるように聞き取ることも出来ようが、異常とという所だけやや強調して言っていた。
しかし何でもないように澄まし顔でマナはスルーして続ける。
「そして、属性魔法に関してはそれぞれを司る神、所謂この世界に於ける『3神』と呼ばれる存在が居ます」
「3神……ん?属性と神の数が足りなくないか?」
一人2属性司ってるのかと思って質問すると、意外な答えが返って来た。
「その見た目や口調にしては意外に賢いですね。ええ、まずラビットが降臨させたという大騒動を引き起こした女神は第2神、ハラスメント様は俗に『下位4属性』と呼ばれる、火、水、土、風を司っています」
「見た目と口調は余計だ!!そんで、残りの2属性は誰が司ってるんだ?」
別に誰でもいいが、かなり有名な神らしいし知っとかないとまずいかもしれない。
……ハラスメントのせいですっごい大騒動になったしな!!
「残りの『高位2属性』に関しましては、光を司るは第1神『サタン・ルシファー』であり、闇を司るは第3神『天照大御神』と呼ばれる二人の男神であると言うのがこの世界の常識です」
……何だろうか、色々とカオスである。
まず何で元の世界の神の名が使われてるかとか、司るの逆の方が良くねとか、そもそも天照大御神って男神じゃないよなとか、それ以前にとってくる場所が統一感なさ過ぎてわけわかんないとか、もう何でそうなったと叫びたい。
「そういや第何神とか言ってたけど、それってどう決められたんだ?」
もうそんなことはどうでもいいやと投げ出して、適当に聞く。
「それは3神が御兄弟であり、長男がサタン・ルシファー、次が長女である女神ハラスメント、次男で最も産まれの遅かったのが天照大御神様だといわれているからです」
「ええと、簡単に言うと年功序列ってやつか?」
「ええ、そのとおりです」
なんと言うか、神の世界もあんまり変わらないのかな。
「コホン、3神のことはさておき属性魔法には他に『派生属性』と『複合属性』と呼ばれる属性があります」
「は、まだあるのかよ!?」
6属性だけじゃないの?
「嫌ならやめますけど?」
「すんません続けて下さい」
流石にここでやめられたら教えてもらう機会がないかもしれないのですぐに謝る。
「はぁ。それで派生属性はその名の通り、基本6属性から派生する属性であり、全属性にある訳ではなく、水は『氷』、土は『金』、光に『雷』の3種類あります」
「火、風、闇には無いのか?」
わかってはいるけど、一応確認してみる。
「ええ。昔は炎、嵐、暗黒なんてのにしようという話があったみたいですが、特に変わることもないので即日却下されて今に至ります」
別にどっちでもいい予備知識付きで教えてくれた。
「複合属性に関しましてもその名の通り、他の属性を混ぜて起こす属性の事であり、火と水で『霧』、水と土で『木』の2属性がこれにあたります」
「なかなか複雑だな……」
正直、今現在あまり全部を覚えきれているとは言い切れない。
「まあ、基本6属性と神を覚えていれば今日は充分でしょう。他の属性に関してもちゃんとスラスラ言えるようにしっかりと身に付けておきなさい」
「はい!!」
「では、今からはそこの道具を使って実技を行います。もし全く出来なければ、徹夜してでも出来るまでやってもらいます」
「は!?」
その後、俺は必死になって実技を行い、何とかギリギリ及第点を貰うことが出来た。
一応ここまでのことを箇条書きしておく。
・属性魔法
基本6属性 火←水←土←風(←火とループ)(下位4属性) 光←→闇(上位2属性)
派生3属性 水→氷 土→金 光→雷
複合2属性 火+水→霧 水+土→木
3神
第1神 男神 サタン・ルシファー(光)
第2神 女神 ハラスメント(火、水、土、風)
第3神 男神 天照大御神(アマテラスオオミカミ)(闇)
・現象魔法
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