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第一章 不幸な俺の不幸な人生
不幸な俺は異世界へ
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「なんでいつもいつもこうなるんだよぉぉぉ!!」
全速力で逃げまわる俺の隣を何発目か数えるのも馬鹿らしくなる銃弾が通り過ぎる。
「マテゴラァァァ!!」
「誰が待つかぁぁぁ!!つうか俺じゃねえぇぇぇ!!」
俺、「厄持 盾屋」は今、ヤクザに追い掛け回されている。
事の発端はこれから10分程前になる。
俺は今日街中をブラブラと散歩していたのだ。
そうしたら俺に良く似た奴が走って来たかと思うとこう叫びやがったのだ。
「ここに旗折の野郎らの倅が居たぞーーー!!」と
そしてワラワラ集まる漫画のような黒いスーツを来たガタイの良い男の集団。
「あー、これ、今回こそ死ぬかもしんねぇ」
自分にそっくりな人は世界に3人いる
別にそれはいい、ただ、その似てる奴がヤクザの倅で出会って追手を押し付けてくるような場所に住んでるとか無しだろ!!
くそう!!この不運はとことん俺に付きまといやがって!!
俺は生まれた時から不運だった。
まず厄持とかいうこの苗字をつけ、孤児院に捨てやがった糞親の元に産まれたところから始まる。
この名前のせいで孤児院では周りから疎まれるし、山程の嫌がらせにそれとは関係のない不運の数々、街を歩けば犬に追い掛け回され材木は倒れ野球ボールが飛んでくる。
挙句の果てには孤児院からは10になる時に追い出され、無一文で家をなくし家族もない。
それから川辺でダンボール暮らしをしても、溢れたことのない川が溢れてくるし、周囲にこれまでなかった食用と間違えやすい毒草が生え、野良犬に狂犬病が増えまくるという恐怖。
どこへ行こうと関係なくこれでもかと降り注ぐこの不幸、神社にお祓いに行ったら神主が心臓麻痺で命を落としかけ、寺に行ったら自然発火で全焼してしまう。
神でも祓うことが叶わぬらしいこの不幸、自殺は決して許してくれない。
飛び降りをすればマットを積んだトラックの上に落ち、毒を飲んだら驚くほどの耐性があり、海に飛び込めば魚に浜まで運ばれた。
とことんこの不運は俺を苦しめたいらしい。
そんな中これまで生きてこられたのは、まだ幸運だったのかこれも不運の仕業なのかわからない。
でも、今度という今度は本気で死ぬかもしれない。
なんせ銃をバンバカ撃ちまくりながら迫ってくるあの集団からこの身一つしか持ってない俺が逃げ切るか、もしくは反撃でもしてみる?
無理無理、絶対に無理に決まっている。
そう思いながらも極力死なない為に左右にズレながら走ることで的を絞りにくくする。
それでも稀に銃弾は掠り、微量の出血と微量の流血が続くことで血を減らしながらも遠い山の中まで全力で走り続けた。
しかし、一時間も血を流しながら走れば血が足りなくなるのは当たり前で、山の森の中に逃げ込んだ時点で意識は遠退き目は霞んでいた。
(はぁはぁ……あいつらしつけえええぇぇぇぇぇ!!)
まだ飛んでくる銃弾を避けるために木々の中を掻い潜り、ひたすらに逃げ続ける。
が、突然右足が空を切った。
足元を見ると底がわからない程深い水面が広がっていた。
(あ、そういえばこの山の中にはダムがあったっけ)
そうして俺はなす術も無く落下し、ダムの底に沈んでいく。
(ああ、俺はもう死ぬのか……死ぬならせめて、この不幸を出し抜いて死にたかったぜ)
そうして体中の傷から血がドクドクと流れ出るのを感じながら、段々視野が狭くなって行き、意識を失った。
そうして俺は死んだ筈だったのだ、本来であれば。
(……あー、頭が痛ぇっつうかまだ全身が痛ぇ……死んでまで痛みを持って来ることないだろコンチクショウ)
俺は目覚めるや否や全身に痛みが走る。
しかし、何処なのか確かめるために俺は痛みに耐えて目を開ける。
「あ、目が覚めた?」
「……は?」
そこには何故か焦げ茶色の魔女帽子を被り、真ん丸の黒縁メガネをかけた黄色人種としては肌の白い、どちらかと言えば気持ち丸顔の女の顔があった。
それがこれからの俺の人生に於いて幸運なのか不運なのか、それがわかるのはまだまだ先の事だろう。
全速力で逃げまわる俺の隣を何発目か数えるのも馬鹿らしくなる銃弾が通り過ぎる。
「マテゴラァァァ!!」
「誰が待つかぁぁぁ!!つうか俺じゃねえぇぇぇ!!」
俺、「厄持 盾屋」は今、ヤクザに追い掛け回されている。
事の発端はこれから10分程前になる。
俺は今日街中をブラブラと散歩していたのだ。
そうしたら俺に良く似た奴が走って来たかと思うとこう叫びやがったのだ。
「ここに旗折の野郎らの倅が居たぞーーー!!」と
そしてワラワラ集まる漫画のような黒いスーツを来たガタイの良い男の集団。
「あー、これ、今回こそ死ぬかもしんねぇ」
自分にそっくりな人は世界に3人いる
別にそれはいい、ただ、その似てる奴がヤクザの倅で出会って追手を押し付けてくるような場所に住んでるとか無しだろ!!
くそう!!この不運はとことん俺に付きまといやがって!!
俺は生まれた時から不運だった。
まず厄持とかいうこの苗字をつけ、孤児院に捨てやがった糞親の元に産まれたところから始まる。
この名前のせいで孤児院では周りから疎まれるし、山程の嫌がらせにそれとは関係のない不運の数々、街を歩けば犬に追い掛け回され材木は倒れ野球ボールが飛んでくる。
挙句の果てには孤児院からは10になる時に追い出され、無一文で家をなくし家族もない。
それから川辺でダンボール暮らしをしても、溢れたことのない川が溢れてくるし、周囲にこれまでなかった食用と間違えやすい毒草が生え、野良犬に狂犬病が増えまくるという恐怖。
どこへ行こうと関係なくこれでもかと降り注ぐこの不幸、神社にお祓いに行ったら神主が心臓麻痺で命を落としかけ、寺に行ったら自然発火で全焼してしまう。
神でも祓うことが叶わぬらしいこの不幸、自殺は決して許してくれない。
飛び降りをすればマットを積んだトラックの上に落ち、毒を飲んだら驚くほどの耐性があり、海に飛び込めば魚に浜まで運ばれた。
とことんこの不運は俺を苦しめたいらしい。
そんな中これまで生きてこられたのは、まだ幸運だったのかこれも不運の仕業なのかわからない。
でも、今度という今度は本気で死ぬかもしれない。
なんせ銃をバンバカ撃ちまくりながら迫ってくるあの集団からこの身一つしか持ってない俺が逃げ切るか、もしくは反撃でもしてみる?
無理無理、絶対に無理に決まっている。
そう思いながらも極力死なない為に左右にズレながら走ることで的を絞りにくくする。
それでも稀に銃弾は掠り、微量の出血と微量の流血が続くことで血を減らしながらも遠い山の中まで全力で走り続けた。
しかし、一時間も血を流しながら走れば血が足りなくなるのは当たり前で、山の森の中に逃げ込んだ時点で意識は遠退き目は霞んでいた。
(はぁはぁ……あいつらしつけえええぇぇぇぇぇ!!)
まだ飛んでくる銃弾を避けるために木々の中を掻い潜り、ひたすらに逃げ続ける。
が、突然右足が空を切った。
足元を見ると底がわからない程深い水面が広がっていた。
(あ、そういえばこの山の中にはダムがあったっけ)
そうして俺はなす術も無く落下し、ダムの底に沈んでいく。
(ああ、俺はもう死ぬのか……死ぬならせめて、この不幸を出し抜いて死にたかったぜ)
そうして体中の傷から血がドクドクと流れ出るのを感じながら、段々視野が狭くなって行き、意識を失った。
そうして俺は死んだ筈だったのだ、本来であれば。
(……あー、頭が痛ぇっつうかまだ全身が痛ぇ……死んでまで痛みを持って来ることないだろコンチクショウ)
俺は目覚めるや否や全身に痛みが走る。
しかし、何処なのか確かめるために俺は痛みに耐えて目を開ける。
「あ、目が覚めた?」
「……は?」
そこには何故か焦げ茶色の魔女帽子を被り、真ん丸の黒縁メガネをかけた黄色人種としては肌の白い、どちらかと言えば気持ち丸顔の女の顔があった。
それがこれからの俺の人生に於いて幸運なのか不運なのか、それがわかるのはまだまだ先の事だろう。
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