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春の校外学習(班決め)
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翌日の日曜日、私はハルちゃんに雑貨屋で買った髪飾りをプレゼントしたら、小躍りまでしながら大変喜んでくれた。
咲はその様子に少しだけムッとした様子だったが、髪飾りをつけたハルは真っ先に咲に似合ってる?と聞いていた。
私はその様子をみて、やっぱりハルちゃんは咲にべったりだなぁと思っていた。
そのことを言うとハルが顔を真っ赤にして否定しそうなので言いはしないけど、この様子を見てたら誰でもわかると思う。
月曜日、今日から学校ではどの授業も自己紹介なども一段落し、ようやく内容に入り始める。
月光学園の入学式は先週の水曜日に終わっており、残る4月中の大きな行事は明日行われる春の校外学習だけである。
そしていつの間にか時間が過ぎ、昼休みも終わり五時間目、LHRの時間になった。
この時間はいよいよ明日の春の校外学習の班決めのための時間である。
「よし、それでは委員長を中心に班決めだ!例年と同じだからわかると思うが、日帰りだから男女混合で班を決めてよし!但し、いつまで経っても決まらなければ先生一人の独断で決めるから、喧嘩はしないように」
この先生熱血バカではあるけれど、変な所でマメなのできっと独断で決めても皆が納得出来る組み合わせにはしてしまうだろう。
そして、すぐに私の周りには人だかりが出来た。
彼は教室の隅で余った所に入るつもりなのか、静かに本を読んでいる。
「私はゆみちゃんと一緒の班でいいかな?」
「うん!さっちゃんは絶対一緒だよ」
そう、これはいつも決まっているのだ。
保育園の頃からずっと同じクラスで同じ班、だから誰が何と言おうとこの枠だけは埋まっているのだ。
そうして自分に近い人でもう2人決まって、私の班はあと1人となった。
ただ、ここで問題が発生する。
前から仲良くしていて同じクラスだったのは咲も含めて3人、残りはこのクラスになって、もしくは1年の時に同じ人だったので誰が入るかで少々殺伐としてしまったのだ。
(私が何とかしなくちゃ!)
この輪の中心が私なのは、自意識過剰でもなく事実なのだ。
だから私はこの状況を緩和するために周囲を見渡した。
そして、うまく行くかはわからないけれど、対策を思いついた。
「急に立てってどうしたの?」
咲が席を立った私に声をかける。
「うん、ちょっとね」
そうして少しだけ教室内を移動して辿り着いたのは、彼の席だった。
「あの、もしよければ私の班に入らない?」
それにより、ある意味予想通りザワザワと騒がしくなる。
「え、何でそいつを誘うの?」
「えー、そいつよりも俺の方が絶対楽しいって!」
私の周りに集まっていたクラスメートは言う。
「……なんで僕なの?」
彼は不思議そうに、私の目を真っ直ぐ見つめてそう問いかけてくる。
ただ何故と聞いている筈なのに、私には彼のその言葉にどこか別の意図があるように感じた。
「同じ委員会やってるから、もう少し仲良くしたいなって」
ほんの数秒の沈黙のあと、彼は周囲を見渡しこう言った。
「こちらこそよろしく」
周囲にいた人が数人不満を口にしようとしたが、私が「皆ごめんね?今週の土曜日にでも皆でカラオケにでも行こう」といい、何とかその場を収めることが出来た。
その後は特に問題が起きることもなく手早く決まり、6時間目も引き続きLHRでバスの順番をきめた時は、彼は一番前の席で、私は後ろの方の席で仲の良い皆で集まるような席順になった。
ちょっと彼には悪いかなと思ったけれど、彼は掃除で消される前の黒板を見て、私の気のせいだったかもしれないけど、彼が微かに笑ったような気がした。
咲はその様子に少しだけムッとした様子だったが、髪飾りをつけたハルは真っ先に咲に似合ってる?と聞いていた。
私はその様子をみて、やっぱりハルちゃんは咲にべったりだなぁと思っていた。
そのことを言うとハルが顔を真っ赤にして否定しそうなので言いはしないけど、この様子を見てたら誰でもわかると思う。
月曜日、今日から学校ではどの授業も自己紹介なども一段落し、ようやく内容に入り始める。
月光学園の入学式は先週の水曜日に終わっており、残る4月中の大きな行事は明日行われる春の校外学習だけである。
そしていつの間にか時間が過ぎ、昼休みも終わり五時間目、LHRの時間になった。
この時間はいよいよ明日の春の校外学習の班決めのための時間である。
「よし、それでは委員長を中心に班決めだ!例年と同じだからわかると思うが、日帰りだから男女混合で班を決めてよし!但し、いつまで経っても決まらなければ先生一人の独断で決めるから、喧嘩はしないように」
この先生熱血バカではあるけれど、変な所でマメなのできっと独断で決めても皆が納得出来る組み合わせにはしてしまうだろう。
そして、すぐに私の周りには人だかりが出来た。
彼は教室の隅で余った所に入るつもりなのか、静かに本を読んでいる。
「私はゆみちゃんと一緒の班でいいかな?」
「うん!さっちゃんは絶対一緒だよ」
そう、これはいつも決まっているのだ。
保育園の頃からずっと同じクラスで同じ班、だから誰が何と言おうとこの枠だけは埋まっているのだ。
そうして自分に近い人でもう2人決まって、私の班はあと1人となった。
ただ、ここで問題が発生する。
前から仲良くしていて同じクラスだったのは咲も含めて3人、残りはこのクラスになって、もしくは1年の時に同じ人だったので誰が入るかで少々殺伐としてしまったのだ。
(私が何とかしなくちゃ!)
この輪の中心が私なのは、自意識過剰でもなく事実なのだ。
だから私はこの状況を緩和するために周囲を見渡した。
そして、うまく行くかはわからないけれど、対策を思いついた。
「急に立てってどうしたの?」
咲が席を立った私に声をかける。
「うん、ちょっとね」
そうして少しだけ教室内を移動して辿り着いたのは、彼の席だった。
「あの、もしよければ私の班に入らない?」
それにより、ある意味予想通りザワザワと騒がしくなる。
「え、何でそいつを誘うの?」
「えー、そいつよりも俺の方が絶対楽しいって!」
私の周りに集まっていたクラスメートは言う。
「……なんで僕なの?」
彼は不思議そうに、私の目を真っ直ぐ見つめてそう問いかけてくる。
ただ何故と聞いている筈なのに、私には彼のその言葉にどこか別の意図があるように感じた。
「同じ委員会やってるから、もう少し仲良くしたいなって」
ほんの数秒の沈黙のあと、彼は周囲を見渡しこう言った。
「こちらこそよろしく」
周囲にいた人が数人不満を口にしようとしたが、私が「皆ごめんね?今週の土曜日にでも皆でカラオケにでも行こう」といい、何とかその場を収めることが出来た。
その後は特に問題が起きることもなく手早く決まり、6時間目も引き続きLHRでバスの順番をきめた時は、彼は一番前の席で、私は後ろの方の席で仲の良い皆で集まるような席順になった。
ちょっと彼には悪いかなと思ったけれど、彼は掃除で消される前の黒板を見て、私の気のせいだったかもしれないけど、彼が微かに笑ったような気がした。
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