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第一章
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悠成の太くて骨張った指で胎内を解されても、男を受け入れるには時間がかかった。朝起きたままのベッドに移動しても、悠成はまだ準備が必要だと言い、すぐに自身の欲望を解き放たなかった。
「もう、大丈夫だから」
大地が言う。
悠成は額に脂汗を浮かばせて、苦悶の表情を見せた。
「だめだ、もう少し、大地を傷つけたくない」
「悠成、ありがとう」
そう言った大地の脳裏で、何かがぷつりと切れた。長年張りつめた糸のように細くてもろい、それは理性だった。こうあるべきだという先入観、常識、期待、それらをもうつなぎ止めることはしなかった。
「でもね、ほしいんだ」
仰向けの体勢でシーツを泳ぎ、ゆっくりと、下品にならないように股を開く。熱を持った蕾に触れて、いまだに指を動かす悠成の手首に触り、次に屹立した雄の根元を掴んだ。
「入れてほしい」
大地の懇願に、悠成は喉仏を上下する。突然大胆になった大地に困惑している様子だ。以前、悠成が『大地の笑顔を壊す愛し方をしてしまう』と言っていたのを思い出していたら、急激に胎内から指を抜かれて、子供がおむつを替えるような体勢を取らされた。
「っうぅ」
「もう無理だ、大地を抱いてもいいんだよね、もう逃げないでね、幸せになろうね、もう離さないからね」
頬を赤くして喜々とした表情の悠成は、深い口づけを求めてきた。大地は目を閉じて舌で応えていたら、解れた蕾に雄の切っ先をあてがわれる。目を見開いて悠成を見たら、血走った目とぶつかる。次の瞬間、ずぶり、と亀頭が侵入してきた。唇を離すと、自分でも驚くような嬌声を上げた。
「っぁ、ああ」
胎内で愛おしい男の味を生々しく感じ入る。膝が笑い、雄を飲み込んでゆく己の肉体に歓喜し、足の指が伸びる。徐々に腰を進めていく悠成の顔が辛そうだ。
「っう、ぁ、っ、い、うう」
途切れ途切れに声を繋いでいた大地は、必死になって手を伸ばして悠成の頬を包んだ。火傷するみたいに熱かった。
「大地のなかにいる、どうしよう、俺、俺、幸せだよ」
悠成は泣き出した。大地は何度も頷いて、もう一度唇を合わせた。悠成が深く腰を進めてきた。喉をさらけ出して、感極まっていたら、乳首を舐められて指で弾かれた。
「っあああ、やっ、だめ、ううう、っう、ぅん」
真っ直ぐに伸びた脚を肩に担がれ、敏感な胎内で強弱をつけてなぶられる。胸の薄い肉を揉んで、指先で挟まれて、口に含まれる。舌先でペロペロとこねくり回される。大地はたちまちヒイヒイとよがった。気持ちよかった。頭が溶けてしまいそうな快楽だった。
「気持ちいい、頭が潰れる、甘いよ、おいしいよ、もっとちょうだい」
「ああ、きもち、いい、いい、悠成、いい」
胎内に強弱をつけて雄を咀嚼した。
「なかに出して」
悠成の腰に脚を絡めて、胎内に注いでほしいと望んだ。それが切っ掛けとなったのか、悠成は顔色を変えて、猛然と腰をぶち込んできた。
「ああ……すごい……いい」
大地が目を白黒させている間、両胸を同時に愛撫される。大地は腰が砕けるかと思うほどの快楽に、魂まで抜き取られるようなオーガズムが体に走った。
「っいく、くうっ……ううああ」
「いって、いって、大地のイヤらしい顔を見せて」
亀頭でしこりを重点的に抉られ、大地は絶叫した。前も触らないで果てたと分かった時には、悠成の大量の愛液が胎内を満たしていた。熱い熱い、とうなされたように身をけいれんさせた。
「大地、すごいよ、お前はきれいだ、きれいすぎる、だから危ない、もっとしないと、ぐちょぐちょにしてあげる」
悠成の妄言に一瞬気を取られた。それも悠成が精液を吐き出さないまま律動を再開したことで、彼の下半身に注意が向く。胎内では嘘みたいに欲望が復活している。
「あっ、ぅううう、ぁ、やぁ、お、お昼の」
喘ぎ過ぎて喉がひりつく。腹に吐き出した精液を、悠成が舐め取る。そんな瞬間すら、彼はきれいだった。
「キャンセルしようね」
悠成はこんなに強引だったろうか。まだ肉棒が半分も入っていない。睾丸もたぷたぷと揺れている。
「うぅ、ゅぁいぁああ……っ、で、でも」
「こんな顔したお前を、外になんて出さないよ、ほらぁ、いっぱい気持ちのいいことしようね」
あと二時間で予約の時間だった。キャンセルするなら早く連絡をいれないといけないのに、悠成は気にせず、大地の体を舌で舐めていた。
「次、大地がイったら、電話しようね」
その次はとても長かった。性に疎い大地にとっては、拷問に近い快楽だった。悠成は終始ご機嫌で、一時間前に予約を取り消して後日に変更をしていた。それも大地の胎内で腰を振りながらだ。大地は嬌声が漏れないよう、シーツを噛みしめていた。
「大地、もう俺たちは怖い物なしだね、どこまでも一緒だからね」
手足が動くうちに、大地はベッドから降りようとした。
「だめだよ、もう逃げないで」
背後から悠成に足首を掴まれ、引きずり戻される。
「やだぁ、だめ」
大地が悲鳴を上げたら、再び蕾に雄が挿入してきた。
「あぁ――っ! ……ああぁぁぁ……あ、あ」
「大地……愛してるよ」
耳殻を唾液まみれにされて、甘く切ない声を吹き込まれる。
彼と同じ目線で、同じ愛情を持てたと大地は何か勘違いをしていた。悠成の抱く愛情はとても歪んでいた。この時になってようやく、その片鱗に触れられた気がした。
夕方までベッドから降りられなかった。手足を動かせなくなるまで蹂躙された。いつの間にか気絶していたのか、目を覚ますと悠成が大地の身体中にうっ血の跡を残そうとしている。それは執念深い、どこか怨念のこもった儀式だった。
「もう、大丈夫だから」
大地が言う。
悠成は額に脂汗を浮かばせて、苦悶の表情を見せた。
「だめだ、もう少し、大地を傷つけたくない」
「悠成、ありがとう」
そう言った大地の脳裏で、何かがぷつりと切れた。長年張りつめた糸のように細くてもろい、それは理性だった。こうあるべきだという先入観、常識、期待、それらをもうつなぎ止めることはしなかった。
「でもね、ほしいんだ」
仰向けの体勢でシーツを泳ぎ、ゆっくりと、下品にならないように股を開く。熱を持った蕾に触れて、いまだに指を動かす悠成の手首に触り、次に屹立した雄の根元を掴んだ。
「入れてほしい」
大地の懇願に、悠成は喉仏を上下する。突然大胆になった大地に困惑している様子だ。以前、悠成が『大地の笑顔を壊す愛し方をしてしまう』と言っていたのを思い出していたら、急激に胎内から指を抜かれて、子供がおむつを替えるような体勢を取らされた。
「っうぅ」
「もう無理だ、大地を抱いてもいいんだよね、もう逃げないでね、幸せになろうね、もう離さないからね」
頬を赤くして喜々とした表情の悠成は、深い口づけを求めてきた。大地は目を閉じて舌で応えていたら、解れた蕾に雄の切っ先をあてがわれる。目を見開いて悠成を見たら、血走った目とぶつかる。次の瞬間、ずぶり、と亀頭が侵入してきた。唇を離すと、自分でも驚くような嬌声を上げた。
「っぁ、ああ」
胎内で愛おしい男の味を生々しく感じ入る。膝が笑い、雄を飲み込んでゆく己の肉体に歓喜し、足の指が伸びる。徐々に腰を進めていく悠成の顔が辛そうだ。
「っう、ぁ、っ、い、うう」
途切れ途切れに声を繋いでいた大地は、必死になって手を伸ばして悠成の頬を包んだ。火傷するみたいに熱かった。
「大地のなかにいる、どうしよう、俺、俺、幸せだよ」
悠成は泣き出した。大地は何度も頷いて、もう一度唇を合わせた。悠成が深く腰を進めてきた。喉をさらけ出して、感極まっていたら、乳首を舐められて指で弾かれた。
「っあああ、やっ、だめ、ううう、っう、ぅん」
真っ直ぐに伸びた脚を肩に担がれ、敏感な胎内で強弱をつけてなぶられる。胸の薄い肉を揉んで、指先で挟まれて、口に含まれる。舌先でペロペロとこねくり回される。大地はたちまちヒイヒイとよがった。気持ちよかった。頭が溶けてしまいそうな快楽だった。
「気持ちいい、頭が潰れる、甘いよ、おいしいよ、もっとちょうだい」
「ああ、きもち、いい、いい、悠成、いい」
胎内に強弱をつけて雄を咀嚼した。
「なかに出して」
悠成の腰に脚を絡めて、胎内に注いでほしいと望んだ。それが切っ掛けとなったのか、悠成は顔色を変えて、猛然と腰をぶち込んできた。
「ああ……すごい……いい」
大地が目を白黒させている間、両胸を同時に愛撫される。大地は腰が砕けるかと思うほどの快楽に、魂まで抜き取られるようなオーガズムが体に走った。
「っいく、くうっ……ううああ」
「いって、いって、大地のイヤらしい顔を見せて」
亀頭でしこりを重点的に抉られ、大地は絶叫した。前も触らないで果てたと分かった時には、悠成の大量の愛液が胎内を満たしていた。熱い熱い、とうなされたように身をけいれんさせた。
「大地、すごいよ、お前はきれいだ、きれいすぎる、だから危ない、もっとしないと、ぐちょぐちょにしてあげる」
悠成の妄言に一瞬気を取られた。それも悠成が精液を吐き出さないまま律動を再開したことで、彼の下半身に注意が向く。胎内では嘘みたいに欲望が復活している。
「あっ、ぅううう、ぁ、やぁ、お、お昼の」
喘ぎ過ぎて喉がひりつく。腹に吐き出した精液を、悠成が舐め取る。そんな瞬間すら、彼はきれいだった。
「キャンセルしようね」
悠成はこんなに強引だったろうか。まだ肉棒が半分も入っていない。睾丸もたぷたぷと揺れている。
「うぅ、ゅぁいぁああ……っ、で、でも」
「こんな顔したお前を、外になんて出さないよ、ほらぁ、いっぱい気持ちのいいことしようね」
あと二時間で予約の時間だった。キャンセルするなら早く連絡をいれないといけないのに、悠成は気にせず、大地の体を舌で舐めていた。
「次、大地がイったら、電話しようね」
その次はとても長かった。性に疎い大地にとっては、拷問に近い快楽だった。悠成は終始ご機嫌で、一時間前に予約を取り消して後日に変更をしていた。それも大地の胎内で腰を振りながらだ。大地は嬌声が漏れないよう、シーツを噛みしめていた。
「大地、もう俺たちは怖い物なしだね、どこまでも一緒だからね」
手足が動くうちに、大地はベッドから降りようとした。
「だめだよ、もう逃げないで」
背後から悠成に足首を掴まれ、引きずり戻される。
「やだぁ、だめ」
大地が悲鳴を上げたら、再び蕾に雄が挿入してきた。
「あぁ――っ! ……ああぁぁぁ……あ、あ」
「大地……愛してるよ」
耳殻を唾液まみれにされて、甘く切ない声を吹き込まれる。
彼と同じ目線で、同じ愛情を持てたと大地は何か勘違いをしていた。悠成の抱く愛情はとても歪んでいた。この時になってようやく、その片鱗に触れられた気がした。
夕方までベッドから降りられなかった。手足を動かせなくなるまで蹂躙された。いつの間にか気絶していたのか、目を覚ますと悠成が大地の身体中にうっ血の跡を残そうとしている。それは執念深い、どこか怨念のこもった儀式だった。
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