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第一章
6.グレープフルーツの味
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「大地が俺を、好き?」
「そうだよ、僕の初恋は悠成だよ、朝の勉強に付き合ってくれた頃から、手紙を交換したときから、僕は悠成を好きになったんだ」
悠成はふわふわした顔で、何度も何度も口にした。
「大地が好きなのは俺、大地は俺が好き」
双眸から涙が溢れる。自分でも知らないうちに、悠成を好きになっていた。
「うん、うん」
大地が肯くと、始めて悠成の顔に笑みが広がった。
「俺も、俺も大地が好きだ、全部食べたくなるほど愛してる」
あっという間に、悠成の指が尻の狭間に滑り落ちる。
「まだ、まだ早いよ」
涙を拭いながら、頭を横に振った。
「どうして? ここで気持ちよくなろうよ、俺を受け入れてよ、俺は大地を愛したくて堪らないんだ」
「心の準備が」
悠成は急に距離を詰めてくる。悠成の胸に手を押し当てて、間隔を作った。それなのに悠成の指が、蕾のしわをなぞる。
「んっ」
首を仰け反らせると、悠成のざらりとした舌が喉仏を辿る。
「いつ」
セックスの日程を聞かれたのだ。何を言うのだと悠成を見たら、彼は息を乱して真剣な顔をしている。必死に理性を保とうとしている。
「聞かせて」
「っ」
大地の肩口に歯を立てて、両手で尻の肉を揉む。腹部に悠成の硬く反り立った雄が押し当てられる。狂気の沙汰だ。
「悠成、こわいよ」
弱音を吐くと、驚く早さで悠成が身を離した。肩に触れたら、少しだけ血が出ていた。
「ごめん、ごめん、どうかしてた、ただ大地を甘やかしたいのに、もっと好きになってほしいのに、大地が俺を好きってだけで、頭の中がぐちゃぐちゃになる」
「彼女はどうしたんだよ」
「あんなの嘘だよ、今までのは彼女ではない、それに俺の方から切っただけだから、大地との時間を邪魔するから仕様がないよね」
大地は言葉を失う。
「俺と大地の間を邪魔する奴は、誰一人としていらないよね、そう思わない?」
答えなかった。代わりに、
「悠成、どうしてそんなに僕を」
「ただ好きなんだ。そうだね、わかりやすく言うとしたら、高校の二年で大地を知ってから好きになった、毎朝学習する真面目さ、俺を前にしても自然体でいるところ、俺を特別視しない、大地といると息を吸えるんだ、生きてるって実感を持てるんだ」
悠成の告白に再び涙した。と同時に、もしかして悠成は四年間、ずっと大地だけを思ってきたのだろうか。そう考えるだけで、わけもなく泣いて目が痛くなる。
「大地、泣かないでよ、俺も悲しくなってくる」
「待って、まだ悠成の気持ちに追いつけない、悠成を好きなのは本当だよ」
不意に手を取られ、悠成の左側の胸にあてられる。悠成の心臓の鼓動を感じるだけで、自然と笑みが零れた。
「ゆっくりでいいから、俺はどこにも行かないから、大地は俺だけを見ていて」
それは祈りに近かった。
「そうだね」
大地は薄く目を閉じ、悠成の唇に触れるだけの口づけをした。顔を離すと、サクランボ色の唇は濡れていた。初めての口づけはグレープフルーツの味がした。
「そうだよ、僕の初恋は悠成だよ、朝の勉強に付き合ってくれた頃から、手紙を交換したときから、僕は悠成を好きになったんだ」
悠成はふわふわした顔で、何度も何度も口にした。
「大地が好きなのは俺、大地は俺が好き」
双眸から涙が溢れる。自分でも知らないうちに、悠成を好きになっていた。
「うん、うん」
大地が肯くと、始めて悠成の顔に笑みが広がった。
「俺も、俺も大地が好きだ、全部食べたくなるほど愛してる」
あっという間に、悠成の指が尻の狭間に滑り落ちる。
「まだ、まだ早いよ」
涙を拭いながら、頭を横に振った。
「どうして? ここで気持ちよくなろうよ、俺を受け入れてよ、俺は大地を愛したくて堪らないんだ」
「心の準備が」
悠成は急に距離を詰めてくる。悠成の胸に手を押し当てて、間隔を作った。それなのに悠成の指が、蕾のしわをなぞる。
「んっ」
首を仰け反らせると、悠成のざらりとした舌が喉仏を辿る。
「いつ」
セックスの日程を聞かれたのだ。何を言うのだと悠成を見たら、彼は息を乱して真剣な顔をしている。必死に理性を保とうとしている。
「聞かせて」
「っ」
大地の肩口に歯を立てて、両手で尻の肉を揉む。腹部に悠成の硬く反り立った雄が押し当てられる。狂気の沙汰だ。
「悠成、こわいよ」
弱音を吐くと、驚く早さで悠成が身を離した。肩に触れたら、少しだけ血が出ていた。
「ごめん、ごめん、どうかしてた、ただ大地を甘やかしたいのに、もっと好きになってほしいのに、大地が俺を好きってだけで、頭の中がぐちゃぐちゃになる」
「彼女はどうしたんだよ」
「あんなの嘘だよ、今までのは彼女ではない、それに俺の方から切っただけだから、大地との時間を邪魔するから仕様がないよね」
大地は言葉を失う。
「俺と大地の間を邪魔する奴は、誰一人としていらないよね、そう思わない?」
答えなかった。代わりに、
「悠成、どうしてそんなに僕を」
「ただ好きなんだ。そうだね、わかりやすく言うとしたら、高校の二年で大地を知ってから好きになった、毎朝学習する真面目さ、俺を前にしても自然体でいるところ、俺を特別視しない、大地といると息を吸えるんだ、生きてるって実感を持てるんだ」
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「大地、泣かないでよ、俺も悲しくなってくる」
「待って、まだ悠成の気持ちに追いつけない、悠成を好きなのは本当だよ」
不意に手を取られ、悠成の左側の胸にあてられる。悠成の心臓の鼓動を感じるだけで、自然と笑みが零れた。
「ゆっくりでいいから、俺はどこにも行かないから、大地は俺だけを見ていて」
それは祈りに近かった。
「そうだね」
大地は薄く目を閉じ、悠成の唇に触れるだけの口づけをした。顔を離すと、サクランボ色の唇は濡れていた。初めての口づけはグレープフルーツの味がした。
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