134 / 177
最終章 この日常だっていつか
Part16 ブランコに揺られて
しおりを挟む
公園のブランコは、大きな木の葉っぱの影になってそんなに光がさしてこない。
二人はぶらぶらと揺れながら話をしていた。
「なんで忘れてたんだろ…だってあれから…何日経ったっけ」
「あそこにいた日なんて覚えてなかった上になんか知らない記憶があるんよなぁ…」
「僕も、海に行ったりキャンプ行ったりとか…そんなことしてないはずなんだけどなぁ」
「っていうか…大希、、」
「うん?」
「その、麦わら帽子…似合うなって」
「えっそう?、えへへ」
大希は帽子のつばをつかんではにかんだ。
それを見た広樹は、なんだか照れているようであった。
「あの二人も気になるよな…」
「そうそう…どこから来たのかもわからないし、どこの都道府県かな…?駿太くんから聞いた話だと、東京の周りだと思うけど…」
「連絡ついたら…なんて、そんな3000万人の中から探せるわけないしね」
「うんうん。」
思ったより早く話題が終わってしまい、しばしの沈黙が流れる。
ミーンミンミンミーーーーン!!
ブランコの周りに生い茂る気には、数十匹のセミが止まっているようで、それはそれは大合唱そのものであった。
「あのさ、暑いからどっか行かない?」
広樹があまりの沈黙を気にして、口を開いた。
「どっか行く?っていってもどこに?」
「んー…とりあえず、オレん家?」
「全然いいよ~!あっ、スマホでお母さんに連絡してから」
と、大希は白いカバーのついたスマホを取り出した。
「そーいやスマホも長い間使ってなかったな…」
「そうだよね~…暇な時もいっぱいあったし」
「刑務所じゃあるまいしなぁ…よっと」
広樹がブランコから立ち上がると、スマホから顔をあげた大希も同じように立ち上がる。
「いこっか!」
「お、おう…」
二人は広樹の家を目指して歩き始めた。
ーーー
アスファルトの敷かれた歩道を、横並びで歩いていく二人。
隣にはコンクリートでできた壁の塀が続いている。
「ね~ひろちゃん」
「んー?どした?」
「いやね…?僕たち一応、付き合ってるってことじゃ…ない?」
「…っ、、」
広樹は思わぬことを聞いてしまったような顔をして立ち止まった
「あれ?大丈夫?」
「う、うん…まあ、そ…だね///」
「顔赤いよ?どうしたの?」
「いや、な、なんでもない!」
「熱中症?」
「ふえぇ!?」
「??」
広樹が隣を見ると、麦わら帽子に被られた大希の顔が見えた。
「いやっ、ほら、ここ外だしさっ…///」
「えっ…なんで?あっ、だから熱中症…?なの?」
「あああっ、、もうっ、んわああ」
広樹はキョロキョロと周りを見渡し、誰もいないことを確認すると、大希の唇に素早くキスをした。
「っ...ほらっ、、これで…///」
「!?!?」
大希は急にキスをされたことに驚きが隠せず、一瞬で顔が赤くなってしまった。
「ひろちゃん…僕は熱中症じゃないの?って、心配しただけなんだけど…これ、どーいう意味?」
「いやだから!お前が”ねっちゅーしよ?”って!!」
広樹は何かを思い出したようにハッとして、すでに赤くなった顔をさらに赤くした。
本当に熱中症なのではないかと心配になる程だ。
「あっ…あぁぁぁぁ…/////」
間違えたことをものすごく恥ずかしく思っており、思わずコンクリートの塀に頭を突っ伏させた。
「も、もしかして…ふふふ」
「わ、笑うなぁっ!」
「、、、大丈夫だよ。だって僕たち、付き合ってるんでしょ?」
「…///」
「ふふ~ん♪」
大希に手を繋がれたまま、二人は家へと歩いていくのであった。
続く
=天の声=
よく見る恋愛ネタをぶっ込んでみました。
これはもうぶっ込みすぎて共感性羞恥を感じそうですね
小学生の頃によく流行ってました「熱中症」
僕は引っかかることはなかったんですけどね
ほとんどは「ねえ、”熱中症”っていってみて~」みたいなのが多かったんだと思いますけど、
今回のお話は全部暑さのせいです!全部暑さが悪い!!!
次回からはさらに発展していきます。
最終回目前ですよおお
ではでは
二人はぶらぶらと揺れながら話をしていた。
「なんで忘れてたんだろ…だってあれから…何日経ったっけ」
「あそこにいた日なんて覚えてなかった上になんか知らない記憶があるんよなぁ…」
「僕も、海に行ったりキャンプ行ったりとか…そんなことしてないはずなんだけどなぁ」
「っていうか…大希、、」
「うん?」
「その、麦わら帽子…似合うなって」
「えっそう?、えへへ」
大希は帽子のつばをつかんではにかんだ。
それを見た広樹は、なんだか照れているようであった。
「あの二人も気になるよな…」
「そうそう…どこから来たのかもわからないし、どこの都道府県かな…?駿太くんから聞いた話だと、東京の周りだと思うけど…」
「連絡ついたら…なんて、そんな3000万人の中から探せるわけないしね」
「うんうん。」
思ったより早く話題が終わってしまい、しばしの沈黙が流れる。
ミーンミンミンミーーーーン!!
ブランコの周りに生い茂る気には、数十匹のセミが止まっているようで、それはそれは大合唱そのものであった。
「あのさ、暑いからどっか行かない?」
広樹があまりの沈黙を気にして、口を開いた。
「どっか行く?っていってもどこに?」
「んー…とりあえず、オレん家?」
「全然いいよ~!あっ、スマホでお母さんに連絡してから」
と、大希は白いカバーのついたスマホを取り出した。
「そーいやスマホも長い間使ってなかったな…」
「そうだよね~…暇な時もいっぱいあったし」
「刑務所じゃあるまいしなぁ…よっと」
広樹がブランコから立ち上がると、スマホから顔をあげた大希も同じように立ち上がる。
「いこっか!」
「お、おう…」
二人は広樹の家を目指して歩き始めた。
ーーー
アスファルトの敷かれた歩道を、横並びで歩いていく二人。
隣にはコンクリートでできた壁の塀が続いている。
「ね~ひろちゃん」
「んー?どした?」
「いやね…?僕たち一応、付き合ってるってことじゃ…ない?」
「…っ、、」
広樹は思わぬことを聞いてしまったような顔をして立ち止まった
「あれ?大丈夫?」
「う、うん…まあ、そ…だね///」
「顔赤いよ?どうしたの?」
「いや、な、なんでもない!」
「熱中症?」
「ふえぇ!?」
「??」
広樹が隣を見ると、麦わら帽子に被られた大希の顔が見えた。
「いやっ、ほら、ここ外だしさっ…///」
「えっ…なんで?あっ、だから熱中症…?なの?」
「あああっ、、もうっ、んわああ」
広樹はキョロキョロと周りを見渡し、誰もいないことを確認すると、大希の唇に素早くキスをした。
「っ...ほらっ、、これで…///」
「!?!?」
大希は急にキスをされたことに驚きが隠せず、一瞬で顔が赤くなってしまった。
「ひろちゃん…僕は熱中症じゃないの?って、心配しただけなんだけど…これ、どーいう意味?」
「いやだから!お前が”ねっちゅーしよ?”って!!」
広樹は何かを思い出したようにハッとして、すでに赤くなった顔をさらに赤くした。
本当に熱中症なのではないかと心配になる程だ。
「あっ…あぁぁぁぁ…/////」
間違えたことをものすごく恥ずかしく思っており、思わずコンクリートの塀に頭を突っ伏させた。
「も、もしかして…ふふふ」
「わ、笑うなぁっ!」
「、、、大丈夫だよ。だって僕たち、付き合ってるんでしょ?」
「…///」
「ふふ~ん♪」
大希に手を繋がれたまま、二人は家へと歩いていくのであった。
続く
=天の声=
よく見る恋愛ネタをぶっ込んでみました。
これはもうぶっ込みすぎて共感性羞恥を感じそうですね
小学生の頃によく流行ってました「熱中症」
僕は引っかかることはなかったんですけどね
ほとんどは「ねえ、”熱中症”っていってみて~」みたいなのが多かったんだと思いますけど、
今回のお話は全部暑さのせいです!全部暑さが悪い!!!
次回からはさらに発展していきます。
最終回目前ですよおお
ではでは
0
お気に入りに追加
362
あなたにおすすめの小説
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
お兄ちゃんはお医者さん!?
すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。
如月 陽菜(きさらぎ ひな)
病院が苦手。
如月 陽菜の主治医。25歳。
高橋 翔平(たかはし しょうへい)
内科医の医師。
※このお話に出てくるものは
現実とは何の関係もございません。
※治療法、病名など
ほぼ知識なしで書かせて頂きました。
お楽しみください♪♪
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる