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第二章 寒凪
手作りチャーハン
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旅行から帰ってはや三日。カフェくすのきは再び営業を再開した。
正月休み明けの過労は、かなり体にも負荷がかかる…
りょうやは授業とのことなので午後からシフトに入るようだ。
サンタケーキは販売を終了したが、やはり暖かい飲み物は人気が高い。
一月もまだまだ初旬。外ではたまに雪がちらついたりしている。
「そろそろお客さんもおさまるだろうから、中野くん昼休憩入っていいよ」
「了解です」
今日は一日フル労働の予定なので、昼休憩で食事を補給する。
基本的にはまかないなのだが。
空いたフライパンを使い、賞味期限が切れかかってお客様にお出しできない材料を使用する。
今日の献立はチャーハンだ。理由は作るのが簡単だから。単純でしょ?
久しぶりの労働にお腹はぺこぺこだ。余っている素材をほとんど使用してちょっと多めに作ろう。
とは言ったものの、少し多すぎたような気がする。
フライパン1個に山のように、黄金色に炒めたチャーハンが積み上がっている。
よくこれで鍋振れたな俺…
とりあえず取り皿を用意し、大きな木のスプーンで数回掬う。
全く減る気配はしない。これはもしややらかしたか…
店長に怒られるのだけは勘弁だ。しょうがないので自分で全部食べよう…
そう思って1皿目を半分ぐらいまで食べ進めると、入り口に人影が見えた。
「こんにちは~…」
中学生がこんなところで授業をサボるなんていけない。早く学校に返さないと。
そんな冗談はさておき、そういえばりょうやがそろそろシフトの時間か。
「先輩、お疲れ様です」
「おう。お疲れ。」
「ご飯まだ食べてないんですか?」
「ああ。さっき作ったんだけどまだ食べ切れてなくて…w、食べる?なんちゃって」
「あっ…じゃあ、、お言葉に甘えて…いいですか?」
「えっ、もしかしてお昼食べてない?」
「電車が遅れちゃって食べそびれたんですよね…」
これは大チャンス。この機会を利用しない道はないぞ。
りょうやの分の取り皿を用意し、チャーハンを盛ってあげる。
「ありがとうございます…」
着替えたりょうやが奥から出てくると、そのまま俺の隣の席について食べ始めた。
「いただきます」
「召し上がれ~」
小さな口にチャーハンの乗ったスプーンを運び、モグモグと食べるりょうや。
「おいしい…」
「それはよかった。」
我ながらチャーハンは得意料理だ。
喜んでくれるなら作った甲斐があった。
まあ本音を言うと食べてくれて助かったんだけどね。
「ちょっとちょっと~二人とも何食べてんの~!時間だよ~!」
店長に目をつけられてしまった。時計を見るとすでにシフト開始時間を過ぎていた。
「あっ店長、、ごめんなさい…」
「りょうやは俺のチャーハン食べてくれてるだけですよ。自分入るんで」
「そっか。りょうやくんお昼食べてなかった?」
少し急ぎ気味でもぐもぐしているりょうやがコクコクと頭を縦に振る。
「全然ゆっくりで大丈夫だよ~。中野くんにコツコツ働かせればいいから。」
「ありがとうございます…」
「店長も早くー!2番さん注文入ってる~」
「あっ今いく~」
店長がキッチンで忙しそうにオムライスを作り始めると、俺は店内で注文を取りに奔走する。
まったく、休み明けって言うのはきついもんだな。
続く
正月休み明けの過労は、かなり体にも負荷がかかる…
りょうやは授業とのことなので午後からシフトに入るようだ。
サンタケーキは販売を終了したが、やはり暖かい飲み物は人気が高い。
一月もまだまだ初旬。外ではたまに雪がちらついたりしている。
「そろそろお客さんもおさまるだろうから、中野くん昼休憩入っていいよ」
「了解です」
今日は一日フル労働の予定なので、昼休憩で食事を補給する。
基本的にはまかないなのだが。
空いたフライパンを使い、賞味期限が切れかかってお客様にお出しできない材料を使用する。
今日の献立はチャーハンだ。理由は作るのが簡単だから。単純でしょ?
久しぶりの労働にお腹はぺこぺこだ。余っている素材をほとんど使用してちょっと多めに作ろう。
とは言ったものの、少し多すぎたような気がする。
フライパン1個に山のように、黄金色に炒めたチャーハンが積み上がっている。
よくこれで鍋振れたな俺…
とりあえず取り皿を用意し、大きな木のスプーンで数回掬う。
全く減る気配はしない。これはもしややらかしたか…
店長に怒られるのだけは勘弁だ。しょうがないので自分で全部食べよう…
そう思って1皿目を半分ぐらいまで食べ進めると、入り口に人影が見えた。
「こんにちは~…」
中学生がこんなところで授業をサボるなんていけない。早く学校に返さないと。
そんな冗談はさておき、そういえばりょうやがそろそろシフトの時間か。
「先輩、お疲れ様です」
「おう。お疲れ。」
「ご飯まだ食べてないんですか?」
「ああ。さっき作ったんだけどまだ食べ切れてなくて…w、食べる?なんちゃって」
「あっ…じゃあ、、お言葉に甘えて…いいですか?」
「えっ、もしかしてお昼食べてない?」
「電車が遅れちゃって食べそびれたんですよね…」
これは大チャンス。この機会を利用しない道はないぞ。
りょうやの分の取り皿を用意し、チャーハンを盛ってあげる。
「ありがとうございます…」
着替えたりょうやが奥から出てくると、そのまま俺の隣の席について食べ始めた。
「いただきます」
「召し上がれ~」
小さな口にチャーハンの乗ったスプーンを運び、モグモグと食べるりょうや。
「おいしい…」
「それはよかった。」
我ながらチャーハンは得意料理だ。
喜んでくれるなら作った甲斐があった。
まあ本音を言うと食べてくれて助かったんだけどね。
「ちょっとちょっと~二人とも何食べてんの~!時間だよ~!」
店長に目をつけられてしまった。時計を見るとすでにシフト開始時間を過ぎていた。
「あっ店長、、ごめんなさい…」
「りょうやは俺のチャーハン食べてくれてるだけですよ。自分入るんで」
「そっか。りょうやくんお昼食べてなかった?」
少し急ぎ気味でもぐもぐしているりょうやがコクコクと頭を縦に振る。
「全然ゆっくりで大丈夫だよ~。中野くんにコツコツ働かせればいいから。」
「ありがとうございます…」
「店長も早くー!2番さん注文入ってる~」
「あっ今いく~」
店長がキッチンで忙しそうにオムライスを作り始めると、俺は店内で注文を取りに奔走する。
まったく、休み明けって言うのはきついもんだな。
続く
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