バイトの後輩があまりにもショタで困る

のりたまご飯

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第二章 寒凪

ボックスシート

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店長にもらった切符を改札機の中に入れ、駅の中へと入る。
まずはいつものように大きな駅へと電車で向かうと、南へと向かう列車へと乗り換える。

電車の中は早朝だからかそれほど混んではいなかったが、初詣の客が所々に見えた。
ボックスシートを見つけると、四人で着席する。
店長が平気な顔をしてりょうやの隣に座ろうとしたので、俺が制止し、店長鈴音、りょうや俺、という席順になった。

「楽しみですねっ!先輩!」

「ああ、楽しみだな。」

それほど楽しみだとは思っていないが、とりあえず目をきらきらとさせているりょうやに話を合わせた。
修学旅行初日の中学生かよ。

「さて、今回の目的地は箱葉温泉!関東からもすぐ行ける近場の温泉だね。」

店長が意気揚々に旅行の計画を語り始めた。

「箱葉ですか。俺は1年ぶりぐらいですね」

「私は初めてだね~」

「僕も初めてですっ…」

各々温泉と聞いて感想を述べる。
似たような名前の温泉を聞いたことがあるなんていうコメントは受け付けない。

「現地では自由行動になります。到着予想は12時すぎかな。」

「質問!」

「はい鈴音くん」

「お昼ご飯はどうなりますか~」

「昼ごはんは特に決めてないけど、晩御飯はお宿で食べる予定です。適当になんか食べてきてね」

おいおい昼ごはんの予定まで決まってないのか…
どうなるんだこれ

「店長ちゃんと計画立てたんですか?」

流石に怪しいと思い質問してみると、

「いやあ昨日急に思いついていきあたりばったりで旅館予約しちゃったから他のこと決めてないんだよねあははは」

「何してんすか!」

「店長…」

「それはさすがにやばいんじゃないっすか~?」

全員から総ツッコミが入ったが、とりあえず自由行動になることは変わらなかった。


あれから1時間ほど。
電車はすでに次の県に入っているようだ。
スマホをみるとおそらくあと30分ほどと言ったところだ。

店長は窓にもたれながら黄昏ており、
ちょっとだけでているお腹が太陽に照らされている。

その隣、鈴音はスマホを眺めているようだが、時々こっちを見れば、ちょっとだけ微笑む。
その相手は俺…な訳なく、俺の隣ですやすやと寝息を立てているりょうやに向けてだった。

睡眠時間が8時間じゃ足りなかったのか、窓から差し込む冬の朝日が暖かかったのか…。
左肩の少し下ぐらいに重量を感じながら、りょうやの隣にすわる俺はというと、ただぼーっとしていた。

続く
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