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BL系SS

死刑囚の二人

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「被告、ルア・アルシュラスを、死刑に処す!」

「うおおおお!!!」

うるさい。
うるさい。
何もかももがうるさい。
だって、この世界では誰も助けてくれないから。

オレは死刑囚として今、王の前に全裸でひざまづき、後ろ手を拘束具ではめられているのだ。
王を睨むような目で見てやると、嫌そうな顔をして手をひらひらとさせる。

その後兵士に運ばれ、死刑執行が行われる牢屋に入れられた。
狭くて小さな牢屋、10歳ぐらいまでの子供がギリギリ頭をぶつけない天井と、足が自由に伸ばせない横幅。
正方形をした檻はいくつも並べられている。

「ひえっ…」

牢屋に投げ込まれると、中にはもう一人、オレと同じ年齢の囚人がいた。
ピュアそうな瞳、その中には少しだけ涙が溜まっているように見える。
びくびくと怯えながらこっちの方を見ている。

足についた土を手で払うと、そのまま檻の柱に背をもたれさせた。

死刑…か。

死ぬことへの恐怖は一切ない。
これまでに死にかけたことなんていくらでもあるんだから。

罪名は、「国家反逆罪」
2ヶ月前に反乱組織が国家を覆そうと起こした事件により、デモが多数発生し、
無差別テロなども行われた。

オレはその組織の下っ端で、当日もただ組織と動いていたところを逮捕され、今に至る。
主犯格のメンバーたちは事件の当日のうちに斬首で処刑された。まあ構うことではない。

下っ端のメンバーは数が多いせいか、裁判が相当長引いた。
とりあえず全員国家反逆罪にして死刑か無期懲役にさせればいい。
そういう国の思惑なんてお見通しだ。

本当に何も知らなさそうな奴は無期懲役、ただ巻き込まれていただけの無罪のやつだっていた。
まあオレはもう生きることに希望を見出せないから、自分の知っていたことをありのまま話して、無事死刑になったというわけだ。

横を見ると、さっきの奴がやっぱり怯えていた。
気に障ったから体をジロジロと見てやる。

茶色の髪の毛、
整った顔立ち、
白い胸にちょこんとついた乳首、
そして股間にはオレよりもちょっとだけ小さい突起があった。

ふん。見ただけで特に興味もない。
いずれこいつも処刑されてしまう身だ。
仲良くなるなんて必要ない。


ーーー


死刑が宣告されてから1週間が経った。
1日ほんの数人ほどがここの牢獄から出される。
オレの番はまだまだ先のようだ。

ところで、前からびくびくしているやつの名前は、シロ、というらしい。
勝手に自己紹介をされて、勝手に仲良くされている。
別に悪い気はしないけどな。

たまにオレの武勇伝だったりを話すと、目をキラキラとさせて話を聞いてくれる。
何をやってるのだろうかオレは。

一日一食のパン一切れは、二人で分けると全然足りやしない。
もっともオレはお腹が空いていないから、シロにあげたりしているけどな。

「ねえルア…」

「んあ?どーした」

硬い土の地面で寝ることも慣れてきた夜、シロが話しかけてきた。

「あのね…おちんちん…って、いじったこと…ある?」

「なっ、、そ、そんなこと堂々というなよ…」

「どっちなの…?」

「ま…そりゃああるけどさ…」

多分今オレの顔は赤くなっている。
不覚だ。

他人から”そういう”話をされたのはこれで2回目だ。
1回目は…まあ気にしないでいい。

「僕ね、ルアが入ってきてから、その、そういうことをしていいのかわかんなくて…1週間ずっと我慢してたんだけど…」

そういうとシロはピンと勃った白いモノをオレの腰に擦り付けてきた。

「うおっ、ちょっ、待て、一回待て…」

いきなりのことで整理ができない。
こいつ男のくせにおれに発情してやがんのか…?

「…だめ?やったら…」

「当たり前だろ!?オレら男同士なんだしさ!」

「…そっか」

勃っていたちんぽも小さくして、シロは後ろを向いた。
いけないことをしてしまった気分だ。

だが…確かにオレも1週間…性欲処理を…

「…シロ」

「えっ?」

背中をぽんぽんと叩くと、
涙の跡が残った顔が、月のあかりでわずかに見える。

「オレも…やってないから…その…」

「…じゃあやっていいの!?」

「うん…あとそんな大声で言うな…」

「やった!」

そう言うと、シロはおもむろに自分のちんぽをオレのに当ててきやがった。

「うっ、まっ…」

急なあったかい物体に触れたオレのモノも、たちまちに大きくなってしまう。

「すごーい…ルアのめっちゃ大きい…」

シロはいつの間にか顔をオレのちんぽに近づけて、綺麗な両目で見つめている。
そう意識すると案外恥ずかしいものだ。

「舐めていい?」

「な、なめ…っ…」

オレは自分のを人に舐めてもらった経験はない。
将来女ができた時にでもやることだとは思うが…
まあどうせ死刑なんだし、体験してもいいんじゃないのだろうか。

「...ぅん」

小さな声で返事すると、
目を相変わらずキラキラさせて、シロはオレのちんぽにしゃぶりついた。

「っあ、、なにっ…これ…」

外気に触れていたオレのモノは、一瞬にして暖かい空間に覆われた。
よだれが絡みついて、とろとろとした感触がなんとも言えない。
いや…なんとも言えなくない
気持ちいいのだ。

その後オレはシロの口の中で果てた。
1分も掛からなかったと思う。
オレってそんなに早かったっけか…

交換ということで、今度はシロのをしゃぶってあげた。
何をするのかわからず、とりあえず全部口の中に含んでみると、
先走りがちょっとだけしょっぱくて、残りは味がしない。

初めての味だったが、特に嫌いなものではなかった。
先端を舌で舐めるたびに「あんっ」とかいう恥ずかしい声で喘ぐものだから、オレまで恥ずかしくなってくる。

すると、シロのちんぽが口の中で震えて、そのまま生臭い液体が口の中に入ってきた。

「んぅ!?」

こいつのせーしだ…
しょっぱくて苦くて、しかもどろどろしてる。
気持ちわりぃ…

最後まで出たのを確認すると、それを檻の外の土にペッ、した。

「ごめんね…ありがと…」

一息ついたところで、再び眠りについた。


ーーー



あれからさらに2週間たった。
死刑の日がそろそろ近づいてきた頃だが、なぜか最近シロがみょうに発情してくる。
手でシコってあげたり、口でやってあげればすぐに治るのだが、夜になるとまた

「ルア~…またおちんちんがムズムズするぅ…」

なんて抱きつかれながら背中に熱いものを当てられる。
困ったもんだ。

しかし今日の夜は違った。
シロはオレの後ろではなく前に、仰向けで寝転がってオレにお尻を向けていた。
なんなんだろうかこの姿勢は。
まあ、察しはついているけど。

「るあぁ…お願い、ぼくとせっくすしてぇ…」

お尻の穴を横に引っ張りながら、蕩けた顔でそう言ってやがる。

オレもこの数日のことでもう動揺はしない。
たち膝になり、オレの大きくなったちんぽをあいつの中に入れた。

「あああああぁぁっっ」

「しっ、うるさい。」

「だってこれっ…奥までルアのがぁ…」

「オレだって初めてなんだからな…で、どうするんだ」

「とりあえず動いっ…て」

「お、おう…」

言われた通りに腰を前後に動かすと、
なぜかぬるぬるになったシロのなかがオレのを刺激する。
なんだこれ…これが性行為なのか…

おれとシロはオレたちだけの世界に入っていたようだ。
そしてオレが射精すると、そのまま後ろを動かしながらシロのも手でしこってあげた。

そしてそれが習慣化して、毎日の夜に性行為をするようになった日のことだ。
とある晩、いつものようにオレがシロの中で動いていると、遠くから看守が見回りにきたのだ。
だけどオレもシロも両方自分の世界に入っていて気づかない。

看守が音を見つけてあかりを照らすと、そこには男同士で性交をしていた奴らがいたというわけだ。
オレたちは牢獄から引っ張り出され、そのまま処刑場に連れて行かれた。
そのまま死刑にされるのかと思いきや、看守はハサミのようで、両方の刃の代わりに挟み込める板が付いている道具を手に持った。
もう一人の看守がシロを抱き、足を大きく開いた。シロは力も弱く抵抗もできないまま、看守はそのハサミでシロの睾丸を…潰した。

「っいああああああああ!!!!??!?」

潰された瞬間、シロは両目を見開き、幼い声で叫んだ。
それと同時に、口から胃液と昼間食べたパンを吐いた。

右の睾丸がペシャンコになると、ちんぽの先からは少し赤い液体が溢れ出てきた。
そして次はオレの番だ。

抵抗したが、それも意味をなさず、オレの一つの睾丸も潰されてしまった。

そしてそのまま再び牢屋へと戻され、オレとシロは痛みで数日間は苦しんだ。

数日が経つと、右の睾丸の腫れが治ってきた。
だがオレたちはやりもしたくなかった。

シロはただ「ごめんね、ごめんね」って呟きながら、オレの胸元で泣き続けるだけだ。


ーーー


オレの前の牢屋の奴らが死刑を執行された。
オレは明日、死ぬ。

睾丸の痛みはもうすっかりなくなっていた。
性欲も少しは回復したので、たまにお互いのを舐めたりしていた時のことだった。
最後のパンを分けて、美味しくいただいた。

太陽が消え、月明かりがさす夜になった。
これが最後の夜だ。

「シロ、シロ、、」

オレは寝ようとしたシロに声をかけた。

「ん…?どうしたの?おちんちん苦しい?」

「いや…ちょっといいか?」

と、オレは明日俺たちが処刑されることをシロに話した。
シロは大人しく聞いていた。

「と、いうわけだ。」

「…そっか」

涙も流さず、ただ下をむき続けるシロが何を考えているかなんて、オレにはわからなかった。

少しして、シロが口を開いた。

「最後なんだしさ、また、やらない?」

「…」

オレはその言葉を待っていた気がする。
シロのお尻にを舌で舐めながら、ゆっくりと後ろをほぐしていく。
オレのが十分入りそうになったら、最後はシロを下にしてオレがちんぽを中に入れた。

「っはぁあ、、奥きたぁ…」

シロは相変わらず幸せそうな表情をしていた。
オレが腰を動かすと、奥を着くたびに「ぁっ…」っていう小さい声を出す。

オレは腰をつきながらシロの唇にオレの唇を合わせた。
シロもそれに応えてくれた。

舌を口の中に入れると、
体の全部から快感を感じているような気がする。

「ルア、大好きっ、もう離れたくないぃっ…」

「オレもっ、もう一生離れないっ、、ずっと一緒にいるからなっ…」

そんなことを言いながらオレたちは射精した。

そのあと、オレたちは太陽が出るまで性行為を繰り返した。
もうちんぽは痛いし出すものも出ないけど。

そして数十回目の絶頂を終えた後に、看守が檻へとやってきた。


ーーー


看守は下等生物を見るような目つきで俺たちを見ていた。
そしてそのまま髪の毛を引っ張られ、オレはシロと離れた。
シロも檻から出され、二人で斬首台へとあるかされる。
下半身は精液でいっぱいだが、そんなことは気にしないのだろう。

ギロチンは一台。
周りには多くの観衆がいた。

オレたちは手と足を拘束されたまま、ギロチンの隣に立たされた。
最初は、シロだった。

最後に抱き合う機会もなく、別れの言葉をいうわけでもなく、シロは静かに台にうつ伏せになった。
手がちょっとだけ震えてるように見える。

顔が見えない。

あれっ…シロ、もう死ぬのか…?
いやだ、いやだいやだ、

シロが死ぬなんて嫌d

なんて思っていると、執行人が手を振り下ろし、シロの首が落ちた。
首の付け根には赤い血がどくどくと流れていた。

続いてオレも処刑台にうつ伏せに寝かされた。
もう、どうでもいい。

シロはどんな気持ちで死んでいったんだろう。
上に感じる鉄の塊は、いつ落ちてきてもおかしくない。
観衆の中には、哀れ見る人もいるし、石を投げつけてくる人もいる。

そんなのどうでもいい。
オレが生きる意味なんて、最初からn


おしまい


=天の声=
最近Pixivに行きすぎかもしれません。
浮気じゃないですよ?
さーて、この話、結構自信作ですっ、
最近は一晩で5000文字も余裕になってきました...ただしその分疲れますけど...
ふわぁ...ではでは
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