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【ルシャ視点】僕は、僕の武器で戦うんだ
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騎士の家系の男たちから見たらきっと、僕なんて頼もしさって点ではダグラスの足元にも及ばないだろう。娘を、姉さんを任せようなんて気にならないかも知れない。
だとしたら、まったく違う方向で相手の度肝を抜くしかない。
僕は、僕の武器で戦うんだ。
自分で見ても細い腕にギュッと力を込めて、僕はひとりでこっそりと決意した。
僕の力でレオニーを誰よりも幸せにするんだ、って。
そうと決まれば話は早い。
僕の武器は錬金術だ。納入すると約束した効き目MAXの傷薬はもちろん、騎士団で使えそうな武器や防具、行軍に使えそうな日持ちして美味しくってあったかい、夢みたいな食糧なんかをバンバン開発しちゃったら、きっと一目も二目もおいてくれるに違いない。
もしかしたら、すっごく頼りにしてくれるかも知れないじゃないか。
僕は思わずニンマリした。
それなら質の良い鉱物も採れた方がいいし、上質な水が採れれば幅広い物の錬成の質を上げてくれる筈だ。
今日行く場所で候補の森は全てひと通りの探索が終了する。その中から、一番条件に適したところを選べばいい。そう結論付けて、僕はうきうきした気分で森へと続く道をひたすらに歩いていた。
***
「お前、楽しそうだな」
ダグラスがあきれたように言う。
そりゃまぁダグラスにしてみれば単に森なんだろうけど、僕から見たら素材の宝庫だ。特にこのアルコ谷は他のところではあまり見なかった鎮静効果が高い薬草や硬度の高い鉱物がゴロゴロしてる。そりゃあワクワクもするってもんだろう。
「そりゃ楽しいよ、素材の宝庫だもん。君は興味ないだろうけどこの薬草は鎮静効果、この石は武器や鎧を作るにはうってつけの鉱物だ。それにこのフワッとした可愛い花は二つの種類があって、赤い花は体をあっためてくれるし、青い花はごく弱いけれど毒消しの効果もあるんだよ?」
「お、おう……」
僕の勢いに押されたらしいダグラスが、ちょっとヒイたみたいな声を出す。その横で、レオニーが笑い出した。
「ははは、ルシャに薬草や錬金の事を語らせたら止まらなくなるぞ。ところでルシャ」
「なに?」
「今ルシャが説明してくれた薬草や鉱石、見覚えがあるよ。多分タニルの森の深部にある谷にも、似たようなものがあったと思う」
「本当!?」
「多分ね。本当に同じものか、ちょっと自信はないけど」
「それならすごい」
「そうなのか?」
小首を傾げるレオニーに、僕は力強く頷いて見せる。
「うん。明日でいいから、もう一度タニルの森に連れて行って貰えるかな。出来れば、その『深部』に」
だとしたら、まったく違う方向で相手の度肝を抜くしかない。
僕は、僕の武器で戦うんだ。
自分で見ても細い腕にギュッと力を込めて、僕はひとりでこっそりと決意した。
僕の力でレオニーを誰よりも幸せにするんだ、って。
そうと決まれば話は早い。
僕の武器は錬金術だ。納入すると約束した効き目MAXの傷薬はもちろん、騎士団で使えそうな武器や防具、行軍に使えそうな日持ちして美味しくってあったかい、夢みたいな食糧なんかをバンバン開発しちゃったら、きっと一目も二目もおいてくれるに違いない。
もしかしたら、すっごく頼りにしてくれるかも知れないじゃないか。
僕は思わずニンマリした。
それなら質の良い鉱物も採れた方がいいし、上質な水が採れれば幅広い物の錬成の質を上げてくれる筈だ。
今日行く場所で候補の森は全てひと通りの探索が終了する。その中から、一番条件に適したところを選べばいい。そう結論付けて、僕はうきうきした気分で森へと続く道をひたすらに歩いていた。
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「お前、楽しそうだな」
ダグラスがあきれたように言う。
そりゃまぁダグラスにしてみれば単に森なんだろうけど、僕から見たら素材の宝庫だ。特にこのアルコ谷は他のところではあまり見なかった鎮静効果が高い薬草や硬度の高い鉱物がゴロゴロしてる。そりゃあワクワクもするってもんだろう。
「そりゃ楽しいよ、素材の宝庫だもん。君は興味ないだろうけどこの薬草は鎮静効果、この石は武器や鎧を作るにはうってつけの鉱物だ。それにこのフワッとした可愛い花は二つの種類があって、赤い花は体をあっためてくれるし、青い花はごく弱いけれど毒消しの効果もあるんだよ?」
「お、おう……」
僕の勢いに押されたらしいダグラスが、ちょっとヒイたみたいな声を出す。その横で、レオニーが笑い出した。
「ははは、ルシャに薬草や錬金の事を語らせたら止まらなくなるぞ。ところでルシャ」
「なに?」
「今ルシャが説明してくれた薬草や鉱石、見覚えがあるよ。多分タニルの森の深部にある谷にも、似たようなものがあったと思う」
「本当!?」
「多分ね。本当に同じものか、ちょっと自信はないけど」
「それならすごい」
「そうなのか?」
小首を傾げるレオニーに、僕は力強く頷いて見せる。
「うん。明日でいいから、もう一度タニルの森に連れて行って貰えるかな。出来れば、その『深部』に」
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