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初めての来訪者
新しいダンジョン考えるの、楽しい!
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6日目の朝、俺は賑やかな笑い声で目を覚ました。
あー…、さすがに人数増えたからなぁ。
それにしても、いくらキングサイズベッドでも、男3人+2匹はムリがあった。今日はゼロに、寝室を造って貰おう…。
起き抜けは頭が働かない。
俺がベッドの上でどうでもいい事をぼんやり考えている間にも、朝メシを食いながらの作戦会議は続いている。
「はぁ~…なる程なぁ。ダンジョン探索してんのを、カフェで見るわけか。しかし人のを見て楽しいもんかぁ?賭けるわけでもないんだろ?」
「あたしはハラハラドキドキして面白かったわ。いきなり落とし穴には落ちるわ、毒は受けるわ、見所満載だったもの」
ルリ…正直に言い過ぎだろう。ゼロから、それ王子様には言わないでよ、と釘を刺されている。
「お前はどうだぁ?」
「んー…頼りない弟子を持った師匠的心境?」
「なんだそりゃ」
「俺は主に超初心者用ダンジョン見てたからな…。最初はもう、戦い方も進み方もいちいちヘボくてイライラするんだよ」
ああ…、とカエンが頷く。きっと間近で見てて、同じ気持ちだったんだろう。
「でもまぁ、何度も戦闘する内に、ちょっとへっぴり腰じゃなくなったりして…」
「ダンジョンをクリアすると、ヘボの割に頑張ったじゃないか!…と思ったりするわけだな」
カエンが納得したように呟いた。
ルリはなぜか得意顔だ。
「あたし、そういう応援したくなる感じ、大事だと思うのよね。女の子に人気でるんじゃない?」
なるほど、一理ある。
「そうかもな。でも俺はさ、他の冒険者の戦い方とか、罠への対応とか見るだけでも、初心者には参考になるかと思ったんだよな」
「そうだよね。特に上級者が実際に戦ってるとこなんか、見る機会ないもんね。ユリウスとか、やっぱり剣捌き、凄かったよね!」
ゼロも同意してくれる。
実際に受けるかはやってみないと分からないが、少なくとも話題にくらいなると思うし。
冒険者も名が上がるかも知れないし。
それよりも今日は、新しいダンジョンをどんなフィールドにするかを決めたいところだ。既にあるダンジョンのイメージとかぶらないフィールドとなると限られてくるし…。
「なぁ、ゼロ。新しいダンジョンのフィールド、どうする?」
「う~ん、昨日から考えてるけど、決め兼ねちゃって。ハクはどんなのがいいと思う?」
まぁ俺も昨日から考えてるんだが…。せっかくだから、冒険者が遭遇しそうなシチュエーションで、かつ手こずりそうなのがいい、と思うと…。
「………墓場とか、…沼、下水道とかはこの辺でもあり得るけどな」
「イヤだ」
だろうと思ったよ。
基本、ヘタレだもんな…。
「私、海がいいなぁ!この辺海ないし、人気出るわよ~?」
「海……。海かぁ~…」
ゼロをはじめ、マーリンもブラウも、ユキまでも、憧れの瞳をしている。
言っとくが、ここは訓練所だ。
バカンスやアトラクションを楽しむ所じゃないんだからな!?
「この辺であり得る地形にこだわらなきゃ、砂漠でも雪山でも、崖でも、火山でも。何でもありだとは思うけどな」
俺はひと呼吸置いて言った。
「ただ、駆け出し程度の冒険者はそんな大層な場所に派遣されねぇと思うぜ?体験して意味があるフィールドじゃねぇと、意味なくないか?」
ゼロが唸りだす。
多分、造るべきフィールドと、造ってみたいフィールドの間で迷っているんだろう。
言うべき事は言ったし、後はゼロが決めればいい。
しばらく唸った後、ゼロが、あっ!と声をあげた。
「そっか!なんだ、簡単だ!新しいダンジョンを上級者ターゲットで造ればいいんだ。元々の洞窟タイプの駆け出し用ダンジョンは、難易度を下げてやればいいんだよね!」
…その通りだ。
しかし、上級者ならどこに派遣されてもおかしくない。造るべきダンジョンの自由度は一気に上がった。
ただし、問題がひとつだけある。
そういう特殊な場所に配置出来るようなモンスターが、まだいないんだ。例えば海なら、まだホーンフィッシュ一本槍のモンスター構成…。
うん、あり得ないな。
「なぁゼロ、召喚できるモンスターって、ゼロのレベルに左右されてんのか?」
「基本そうみたい。…そうだよね。配置出来そうなモンスターが少ないよね」
そう言うと、ゼロは自分のレベルが上がる条件をダンジョンコアに確かめた。
「ダンジョンポイント使えば上がるって」
はぁ…ダンジョン造って、モンスター召喚すりゃレベルが上がる訳か。
無駄遣いは出来ないが、ゼロ のレベルを上げるためにも、今日は積極的にポイントを使って行こう。
よし、そうと決まれば、必要なものに、効率よくポイントをつぎ込まないとな。
カエンをギルドに、マーリンとブラウを錬金部屋に送り出すと、残るいつものメンバーで、早速新着情報のチェックから始める。
『ゼロ、ハク、ルリ、ユキ、スラっち、マーリン、ブラウのレベルが上がりました』
『マーリンが、新たな称号を入手しました』
『条件を満たしたため、新たなモンスターが召喚可能となりました』
『分裂によりスライムが2匹増えました』
………
良かった。ゼロもレベルが上がってるし、召喚できるモンスターも増えたみたいだ。
すぐにゼロのダメフィルターでふるいをかける。
・クレイパペット
・ワイルドキャット
・ブラッドバット
・毒きのこ
・ギガントフラワー
・ラフレシア
・ドラゴンベビー
・リザードマン
・巨大ピラニア
・痺れクラゲ
・ウィル・オ・ウィプス
・ケットシー
・ハイピクシー
・ウォーキングツリー
・ドライアード
・マーメイド
え~…と、1・2…おお!16種!意外と残った!
ゼロはマーメイドが召喚できると知って、有頂天だ。
「やった~~~!!!マーメイドきた~~~!!」
テンションが異常でむしろ怖い。
しかし、なんだって人間は、マーメイドがこんなに好きなんだろうな。
理解に苦しむ…。
ゼロの喜びっぷりにルリもガッツポーズだし、この様子じゃ新しいダンジョンに海が盛り込まれるのは確実だ。
だが、今のテンションだと、造ってるうちに楽しくなってやり過ぎる可能性、大すぎる。
この前の駆け出し用ダンジョンみたいに、レベルとのバランスが合わない、なんて事にならないようにしっかり監督しないとな…。
俺はこっそりため息をつく。
バカンス気分のこいつらに、レベルとのバランスとかいう現実的な判断は、もはや望む気もしない。
俺は真剣に、海と組み合わせで入れるべきフィールドを悩み始めた。
やっぱり雪山や砂漠よりは、断崖絶壁とかの方が、高低差を利用した戦い方や、狭い場所での動き方が身につくだろうか。
それとも、ジャングルみたいに見通しが悪くて足場も悪い、さらに武器も振り回し辛いシチュエーションの方が、参考になるか?
もしかしたら、火山や毒の沼地系の方が、地形ダメージがどれだけ厄介なものかを体感できるかも知れない…
「確かにね。今聞いた感じだと、断崖絶壁が良さそうかな。モニターでも見通し良さそうだし」
いきなりゼロが言う。
え!?
もしかして俺、声に出てたか!?
一人で焦る俺をよそに、話題は一気に新たなダンジョンのフィールドをどうするかに移った。断崖絶壁には皆異論がないらしい。早くもどう海と絡めるかに、議論が集中している。
議論の末、ダンジョンの序盤は断崖絶壁の足場が悪い地形が続き、最後の方に南国テイストの砂浜や海、小島が出てくるフィールドにする事に決まった。
意外だったのは、ダンジョンの8割は、断崖絶壁の地形にすると決まった事だ。
こいつらの海への憧れの瞳からは、ちょっと想像できなかった。不思議がる俺を見て、ルリはばかねぇ、と笑っている。
「苦労して、苦労して、すっごい疲れたところに、崖の上から、真っ青な海が見えたら素敵じゃない?」
なんと…!あくまで海のロケーションを満喫するための演出か…!
この様子じゃ冒険者達は、ウンザリするほど断崖絶壁部分で苦しめられるに違いない。
「でさ、海は入らなくてもクリアできるようにしようかと思うんだ。あえて海に入って、小島まで辿りついた頑張り屋さんには、マーメイドから素敵なプレゼント有り、…ってどう?」
ゼロは相変わらず楽しそうだが、やっぱりマーメイドは戦闘要員じゃないんだな。まぁ、ダンジョンに来る冒険者はほぼ人間だろうから、妥当な配置だろうけど。
俺は苦笑しつつ、いいんじゃねぇか?と頷く。
ゼロはいそいそとダンジョンコアに向かった。
そして今、目の前のモニターには、白い砂浜と美しい青い海。そしてその中で戯れる、美しい数人のマーメイド達が映し出されている。
ゼロやルリじゃないが、癒される。
いつまでも見ていたくなる絶景だ。
一方の断崖絶壁部分は罠もモンスターも大サービスされている。俺でも入りたくない。まあ、その分宝箱もまあまあ多いが。
海を渡った小島では、プレゼントではなく、店を置く事になった。
体力回復系の薬と、ここでしか買えない武器、防具。マーメイドの店員さん。
人間にとってはなかなか魅力的な島になったんじゃないか?
このダンジョンは無限ループになってしまう部分はないが、断崖絶壁部に宝箱がこれ見よがしに置いてある。
頭を使わないとゲット出来ないし、時間をかけ過ぎるとタイムアウトする。しかも宝箱周辺には罠が多い。
対応レベルの上限を30まで、と高く設定しているので、一回クリアしても、何度でもチャレンジできる仕様だ。
唯一の不安は、俺のレベルが上限の30よりも低い事だろう。
1対1のタイマン勝負なら、それでも人間ごときに負ける気はしないが、ぶっちゃけ、束になってかかって来られたらヤバい。
俺にとってはこれが当面の課題だ。
あー…、さすがに人数増えたからなぁ。
それにしても、いくらキングサイズベッドでも、男3人+2匹はムリがあった。今日はゼロに、寝室を造って貰おう…。
起き抜けは頭が働かない。
俺がベッドの上でどうでもいい事をぼんやり考えている間にも、朝メシを食いながらの作戦会議は続いている。
「はぁ~…なる程なぁ。ダンジョン探索してんのを、カフェで見るわけか。しかし人のを見て楽しいもんかぁ?賭けるわけでもないんだろ?」
「あたしはハラハラドキドキして面白かったわ。いきなり落とし穴には落ちるわ、毒は受けるわ、見所満載だったもの」
ルリ…正直に言い過ぎだろう。ゼロから、それ王子様には言わないでよ、と釘を刺されている。
「お前はどうだぁ?」
「んー…頼りない弟子を持った師匠的心境?」
「なんだそりゃ」
「俺は主に超初心者用ダンジョン見てたからな…。最初はもう、戦い方も進み方もいちいちヘボくてイライラするんだよ」
ああ…、とカエンが頷く。きっと間近で見てて、同じ気持ちだったんだろう。
「でもまぁ、何度も戦闘する内に、ちょっとへっぴり腰じゃなくなったりして…」
「ダンジョンをクリアすると、ヘボの割に頑張ったじゃないか!…と思ったりするわけだな」
カエンが納得したように呟いた。
ルリはなぜか得意顔だ。
「あたし、そういう応援したくなる感じ、大事だと思うのよね。女の子に人気でるんじゃない?」
なるほど、一理ある。
「そうかもな。でも俺はさ、他の冒険者の戦い方とか、罠への対応とか見るだけでも、初心者には参考になるかと思ったんだよな」
「そうだよね。特に上級者が実際に戦ってるとこなんか、見る機会ないもんね。ユリウスとか、やっぱり剣捌き、凄かったよね!」
ゼロも同意してくれる。
実際に受けるかはやってみないと分からないが、少なくとも話題にくらいなると思うし。
冒険者も名が上がるかも知れないし。
それよりも今日は、新しいダンジョンをどんなフィールドにするかを決めたいところだ。既にあるダンジョンのイメージとかぶらないフィールドとなると限られてくるし…。
「なぁ、ゼロ。新しいダンジョンのフィールド、どうする?」
「う~ん、昨日から考えてるけど、決め兼ねちゃって。ハクはどんなのがいいと思う?」
まぁ俺も昨日から考えてるんだが…。せっかくだから、冒険者が遭遇しそうなシチュエーションで、かつ手こずりそうなのがいい、と思うと…。
「………墓場とか、…沼、下水道とかはこの辺でもあり得るけどな」
「イヤだ」
だろうと思ったよ。
基本、ヘタレだもんな…。
「私、海がいいなぁ!この辺海ないし、人気出るわよ~?」
「海……。海かぁ~…」
ゼロをはじめ、マーリンもブラウも、ユキまでも、憧れの瞳をしている。
言っとくが、ここは訓練所だ。
バカンスやアトラクションを楽しむ所じゃないんだからな!?
「この辺であり得る地形にこだわらなきゃ、砂漠でも雪山でも、崖でも、火山でも。何でもありだとは思うけどな」
俺はひと呼吸置いて言った。
「ただ、駆け出し程度の冒険者はそんな大層な場所に派遣されねぇと思うぜ?体験して意味があるフィールドじゃねぇと、意味なくないか?」
ゼロが唸りだす。
多分、造るべきフィールドと、造ってみたいフィールドの間で迷っているんだろう。
言うべき事は言ったし、後はゼロが決めればいい。
しばらく唸った後、ゼロが、あっ!と声をあげた。
「そっか!なんだ、簡単だ!新しいダンジョンを上級者ターゲットで造ればいいんだ。元々の洞窟タイプの駆け出し用ダンジョンは、難易度を下げてやればいいんだよね!」
…その通りだ。
しかし、上級者ならどこに派遣されてもおかしくない。造るべきダンジョンの自由度は一気に上がった。
ただし、問題がひとつだけある。
そういう特殊な場所に配置出来るようなモンスターが、まだいないんだ。例えば海なら、まだホーンフィッシュ一本槍のモンスター構成…。
うん、あり得ないな。
「なぁゼロ、召喚できるモンスターって、ゼロのレベルに左右されてんのか?」
「基本そうみたい。…そうだよね。配置出来そうなモンスターが少ないよね」
そう言うと、ゼロは自分のレベルが上がる条件をダンジョンコアに確かめた。
「ダンジョンポイント使えば上がるって」
はぁ…ダンジョン造って、モンスター召喚すりゃレベルが上がる訳か。
無駄遣いは出来ないが、ゼロ のレベルを上げるためにも、今日は積極的にポイントを使って行こう。
よし、そうと決まれば、必要なものに、効率よくポイントをつぎ込まないとな。
カエンをギルドに、マーリンとブラウを錬金部屋に送り出すと、残るいつものメンバーで、早速新着情報のチェックから始める。
『ゼロ、ハク、ルリ、ユキ、スラっち、マーリン、ブラウのレベルが上がりました』
『マーリンが、新たな称号を入手しました』
『条件を満たしたため、新たなモンスターが召喚可能となりました』
『分裂によりスライムが2匹増えました』
………
良かった。ゼロもレベルが上がってるし、召喚できるモンスターも増えたみたいだ。
すぐにゼロのダメフィルターでふるいをかける。
・クレイパペット
・ワイルドキャット
・ブラッドバット
・毒きのこ
・ギガントフラワー
・ラフレシア
・ドラゴンベビー
・リザードマン
・巨大ピラニア
・痺れクラゲ
・ウィル・オ・ウィプス
・ケットシー
・ハイピクシー
・ウォーキングツリー
・ドライアード
・マーメイド
え~…と、1・2…おお!16種!意外と残った!
ゼロはマーメイドが召喚できると知って、有頂天だ。
「やった~~~!!!マーメイドきた~~~!!」
テンションが異常でむしろ怖い。
しかし、なんだって人間は、マーメイドがこんなに好きなんだろうな。
理解に苦しむ…。
ゼロの喜びっぷりにルリもガッツポーズだし、この様子じゃ新しいダンジョンに海が盛り込まれるのは確実だ。
だが、今のテンションだと、造ってるうちに楽しくなってやり過ぎる可能性、大すぎる。
この前の駆け出し用ダンジョンみたいに、レベルとのバランスが合わない、なんて事にならないようにしっかり監督しないとな…。
俺はこっそりため息をつく。
バカンス気分のこいつらに、レベルとのバランスとかいう現実的な判断は、もはや望む気もしない。
俺は真剣に、海と組み合わせで入れるべきフィールドを悩み始めた。
やっぱり雪山や砂漠よりは、断崖絶壁とかの方が、高低差を利用した戦い方や、狭い場所での動き方が身につくだろうか。
それとも、ジャングルみたいに見通しが悪くて足場も悪い、さらに武器も振り回し辛いシチュエーションの方が、参考になるか?
もしかしたら、火山や毒の沼地系の方が、地形ダメージがどれだけ厄介なものかを体感できるかも知れない…
「確かにね。今聞いた感じだと、断崖絶壁が良さそうかな。モニターでも見通し良さそうだし」
いきなりゼロが言う。
え!?
もしかして俺、声に出てたか!?
一人で焦る俺をよそに、話題は一気に新たなダンジョンのフィールドをどうするかに移った。断崖絶壁には皆異論がないらしい。早くもどう海と絡めるかに、議論が集中している。
議論の末、ダンジョンの序盤は断崖絶壁の足場が悪い地形が続き、最後の方に南国テイストの砂浜や海、小島が出てくるフィールドにする事に決まった。
意外だったのは、ダンジョンの8割は、断崖絶壁の地形にすると決まった事だ。
こいつらの海への憧れの瞳からは、ちょっと想像できなかった。不思議がる俺を見て、ルリはばかねぇ、と笑っている。
「苦労して、苦労して、すっごい疲れたところに、崖の上から、真っ青な海が見えたら素敵じゃない?」
なんと…!あくまで海のロケーションを満喫するための演出か…!
この様子じゃ冒険者達は、ウンザリするほど断崖絶壁部分で苦しめられるに違いない。
「でさ、海は入らなくてもクリアできるようにしようかと思うんだ。あえて海に入って、小島まで辿りついた頑張り屋さんには、マーメイドから素敵なプレゼント有り、…ってどう?」
ゼロは相変わらず楽しそうだが、やっぱりマーメイドは戦闘要員じゃないんだな。まぁ、ダンジョンに来る冒険者はほぼ人間だろうから、妥当な配置だろうけど。
俺は苦笑しつつ、いいんじゃねぇか?と頷く。
ゼロはいそいそとダンジョンコアに向かった。
そして今、目の前のモニターには、白い砂浜と美しい青い海。そしてその中で戯れる、美しい数人のマーメイド達が映し出されている。
ゼロやルリじゃないが、癒される。
いつまでも見ていたくなる絶景だ。
一方の断崖絶壁部分は罠もモンスターも大サービスされている。俺でも入りたくない。まあ、その分宝箱もまあまあ多いが。
海を渡った小島では、プレゼントではなく、店を置く事になった。
体力回復系の薬と、ここでしか買えない武器、防具。マーメイドの店員さん。
人間にとってはなかなか魅力的な島になったんじゃないか?
このダンジョンは無限ループになってしまう部分はないが、断崖絶壁部に宝箱がこれ見よがしに置いてある。
頭を使わないとゲット出来ないし、時間をかけ過ぎるとタイムアウトする。しかも宝箱周辺には罠が多い。
対応レベルの上限を30まで、と高く設定しているので、一回クリアしても、何度でもチャレンジできる仕様だ。
唯一の不安は、俺のレベルが上限の30よりも低い事だろう。
1対1のタイマン勝負なら、それでも人間ごときに負ける気はしないが、ぶっちゃけ、束になってかかって来られたらヤバい。
俺にとってはこれが当面の課題だ。
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