19 / 26
初めての来訪者
スラっち、進化!
しおりを挟む
マーリンが落ち込んだ様子で錬金部屋に帰ろうとすると、ゼロが引き止めた。
「ちょっと爆発に巻き込まれた?ケガしてる」
ホントだ。カスリ傷だけどな。
ゼロは、うーん…と考えると、ルリにスラっちを連れてくるように告げた。
お前、まさか…
「スラっち、この子マーリン。こっちはブラウ。新しい仲間だよ。マーリンがケガしてるから、治してやって?」
やっぱりかぁ!
でも、7色にビカビカ光って、初の大仕事に大興奮のスラっちを、がっかりさせるのも偲びない。
俺達は祈った。
成功しますように!!!
スラっちは回復魔法を放った。
立派にやり遂げた。
そして、スラっちはなんだか目まぐるしく光り…
メタモルフォーゼ!!!
スライムメイジに、進化を遂げた…。
「しっ…進化っ…進化したぁ~!」
「スラっち、凄い~!!」
もちろん大騒ぎだ。
とはいえ、見た目は大きくは変わらない。ひと回りデカくなり、色が青から緑っぽくなっただけだ。
ただヤツは、レベルの上げ底と自らの努力によって、ただのスライムから、魔法が使えるスライムメイジに進化したのだ。
いや、マジで結構凄い。
マーリンとブラウは訳が分からずポカンとしている。
俺はスラっちに施されている壮大な実験が、今実を結んだ事を、簡単に説明してやった。
「…あんた達、バカな事してんな~…」
ブラウの一言。
…否定できない。
落ち着いた所で、スラっちのステータスを見てみる事になった。
どれどれ…
名前:スラっち
LV:1
種族:スライムメイジ
性別:不明
レア度:2
◆能力値
HP:485/485
MP:485/485
STR(筋力):485
VIT(耐久):485
INT(知力):485
MIN(精神):485
DEX(器用):485
AGI(敏捷):485
LUK(幸運):485
スキル:
・回復魔術
・不屈の闘志
・開眼
・スライム一斉攻撃
称号:
・臨界突破の実践者
・スライムの星
▽スキル詳細。
《回復魔術》。回復魔術を扱う事が出来る。
《不屈の闘志》。類い稀な精神力で即死攻撃を無効化する。
《開眼》。戦った相手のスキルを身につける事ができる。
《スライム一斉攻撃》。スライムを率いて敵に一斉攻撃をかける事ができる。敵にスライム数×発動者レベルのダメージを与える。
▽称号詳細。
《臨界突破の実践者》。自らの限界に挑み続け、臨界点を突破した者に贈られる幻の称号。奇蹟を誘発すると言われるが、定かではない。
《スライムの星》。スライムの信頼と尊敬を一身に集めた者にのみ許される称号。全てのスライムを統率できる。
ちょっと待て。
なんだ、このスペック…!
スライムにあるまじきだろう!
いや、今はスライムメイジか。
にしても…
そして、思いあたった。
そう、こいつは進化前…レベル32だった。
名前を貰ったダンジョンモンスターは、レベルアップ毎に各ステータスに+10の補正が貰える。
進化前の強さは保持したままレベルだけ1に戻ったんだな。
…なんて羨ましい!!
俺なんか元々レア度もまあまあ高いから、レベルアップに必要な経験値も高い。
レベル1に戻ったスラっちは、またサクサクとレベルが上がるだろう。
強さでスラっちに追い抜かれる日も近いかもな…。
もはやスラっちも充分に戦える。
しかも、スキル:開眼があるなら、実践に投入すべきだな。俺達は、スラっちを、新しいダンジョンのラスボスに任命した。
ついでと言っちゃなんだが、俺も高レベル向けダンジョンのラスボスをやらせて貰う事にした。やっぱり戦いたいし、さすがにスラっちには負けたくないしな!
ダンジョンのラスボスが決まったところで、経験値配分だ。昨日の残りと今日の分で、結構あるはずだ。
ゼロが配分してくれた結果、俺たちのレベルは…
ハク:レベル27
ルリ:レベル21
ユキ:レベル20
スラっち:レベル8
マーリン:レベル10
ブラウ: レベル8
…絶妙なバランスで配分してきた。気を使わせてしまったかも知れないと反省する。ラスボスとして、しっかり働いて返す事を誓う。
働くぜ!
俺がラスボスとしての決意を固めたその時だ。俺の隣にいたユキが、怪しく光り出した。ユキも唸り始め、苦しそうにしている。
「ユキ!」
ゼロが駆け寄る。
ひときわ明るい光が走ったかと思うと、そこにはユキの代わりに、ブラウよりも小さい子が立っていた。
「えへへ…変身出来た。これで…皆とお話できるね…」
えぇ~~っ!?
幻獣って、変身出来るのか!?
驚く俺達を満足そうに見て、そのままユキは気を失った。同時に姿も白いワンコに戻る。
俺達はしばし呆然としてしまった。
変身は気力なりを大量に消費するのかも知れない。しばらくはムリさせないようにしないとな…。
ユキをベッドに運び、寝かせた所で、いつものデカい声が響いた。
「よう!なんだぁ?まぁた何か増えてんじゃねぇかぁ?」
けたたましいブザーと警告アナウンスを引っさげて、カエン様の登場だ。
今日は王様や王子様との作戦会議が忙しいだろうから、来ないだろうとたかをくくっていたが…意外とマメな男だ。そうでないと、何百年も王家の守護龍なんか、務まらないのかも知れないが。
そして例のごとく、ブラウは怯えきって部屋の角にいる。
マーリンはビックリしているが、ブラウほど過剰には反応していない。やっぱり人間という種族は鈍いのかもな。
面倒なので紹介はゼロに任せ、案の定ブラウは気絶し…
なぜかマーリンは、目をキラキラさせて、「凄いですぅ~っ!火龍ですかぁ~、カッコいいですぅ~!」と感動している。鈍いって最強だな。
ブラウもベッドに運び、色々あり過ぎてすっかり遅くなってしまった晩メシを食いながら、お互いに王子様が帰ってからの事を共有する。
王子様と王様は、ユリウスと兵士長、騎士団長まで巻き込んで、どんな練兵場にするかを検討しているらしい。
俺達も、王子様が帰ってからの数時間で起こった、様々な出来事をカエンに共有する。
カエンがまず驚いたのは、ユニークチケットでゲットした、錬金釜だった。
「お前ら、とんでもないモン手に入れてるなぁ…」
呆れられた。
なんでもこの釜は、一般人は一生かかっても手に入れる事ができない、幻の逸品らしい。
普通は錬金釜と言っても、金属用、薬品用、生物用、植物用など、細かく用途が決まっていて、それ以外は入れられないし、反応しない。
でも、この釜は節操なく、何でも入れられる。なんなら、金属と薬品を合成する…という荒技までやってのける、超特級品らしい。
当たり前の話だが…失敗も多く、危険な合成、人道に反する合成が後を断たないため、今ではこの釜自体が作られておらず、幻と言われる釜なんだそうだ。
さすがに長生きしているだけあって、知識は豊富なんだな…。
しかし、その発行禁止釜、ゼロとマーリンに好きにさせとくのは、ヤバかったりしないだろうか…。
俺はついルリに目をやる。…ルリも渋い顔で首を横に振っている。
だよな。
俺とルリは、出来る限り錬金部屋を監視しようと頷きあった。
そしてもう一つ、カエンが食いついた話がある。
スラっちの進化と超ステータスだ。
もう、カエン大爆笑!
「お、お前達っ…最高…っ!何やってんだ…っ」
ひーひー言いつつ、腹を抱えて笑っている。うん、まぁ…そういう反応だろうとは、思ってたけどな。
しばらく笑っていたカエンは、涙を拭きながら立ち上がると、周りを見回す。
「そんで?そのカッチョいいスラっち君は、どこに居るんだぁ?」
あ、そういえば…。
探してみると、部屋の角で気絶していた。きっと、カエン登場に伴い気絶していたんだろう。
気付かずに可哀想な事をしてしまった。
ゴメンな、スラっち。
…と、後ろから手が伸び、スラっちを取り上げられた。
カエンは可哀想に、スラっちをボールの様に手の上で跳ねさせている。気絶中のスライムメイジに、酷い仕打ちだ。
さすがに気絶から覚めたスラっちに、カエンは一言。
「よう、スラっち。進化の褒美に、俺様が直々に火炎系魔法を教えてやるぜぇ!」
スラっちがビカビカ光る。
今夜の生徒はスラっちらしい。
その日俺は、久しぶりに気持ち良く安眠した。
「ちょっと爆発に巻き込まれた?ケガしてる」
ホントだ。カスリ傷だけどな。
ゼロは、うーん…と考えると、ルリにスラっちを連れてくるように告げた。
お前、まさか…
「スラっち、この子マーリン。こっちはブラウ。新しい仲間だよ。マーリンがケガしてるから、治してやって?」
やっぱりかぁ!
でも、7色にビカビカ光って、初の大仕事に大興奮のスラっちを、がっかりさせるのも偲びない。
俺達は祈った。
成功しますように!!!
スラっちは回復魔法を放った。
立派にやり遂げた。
そして、スラっちはなんだか目まぐるしく光り…
メタモルフォーゼ!!!
スライムメイジに、進化を遂げた…。
「しっ…進化っ…進化したぁ~!」
「スラっち、凄い~!!」
もちろん大騒ぎだ。
とはいえ、見た目は大きくは変わらない。ひと回りデカくなり、色が青から緑っぽくなっただけだ。
ただヤツは、レベルの上げ底と自らの努力によって、ただのスライムから、魔法が使えるスライムメイジに進化したのだ。
いや、マジで結構凄い。
マーリンとブラウは訳が分からずポカンとしている。
俺はスラっちに施されている壮大な実験が、今実を結んだ事を、簡単に説明してやった。
「…あんた達、バカな事してんな~…」
ブラウの一言。
…否定できない。
落ち着いた所で、スラっちのステータスを見てみる事になった。
どれどれ…
名前:スラっち
LV:1
種族:スライムメイジ
性別:不明
レア度:2
◆能力値
HP:485/485
MP:485/485
STR(筋力):485
VIT(耐久):485
INT(知力):485
MIN(精神):485
DEX(器用):485
AGI(敏捷):485
LUK(幸運):485
スキル:
・回復魔術
・不屈の闘志
・開眼
・スライム一斉攻撃
称号:
・臨界突破の実践者
・スライムの星
▽スキル詳細。
《回復魔術》。回復魔術を扱う事が出来る。
《不屈の闘志》。類い稀な精神力で即死攻撃を無効化する。
《開眼》。戦った相手のスキルを身につける事ができる。
《スライム一斉攻撃》。スライムを率いて敵に一斉攻撃をかける事ができる。敵にスライム数×発動者レベルのダメージを与える。
▽称号詳細。
《臨界突破の実践者》。自らの限界に挑み続け、臨界点を突破した者に贈られる幻の称号。奇蹟を誘発すると言われるが、定かではない。
《スライムの星》。スライムの信頼と尊敬を一身に集めた者にのみ許される称号。全てのスライムを統率できる。
ちょっと待て。
なんだ、このスペック…!
スライムにあるまじきだろう!
いや、今はスライムメイジか。
にしても…
そして、思いあたった。
そう、こいつは進化前…レベル32だった。
名前を貰ったダンジョンモンスターは、レベルアップ毎に各ステータスに+10の補正が貰える。
進化前の強さは保持したままレベルだけ1に戻ったんだな。
…なんて羨ましい!!
俺なんか元々レア度もまあまあ高いから、レベルアップに必要な経験値も高い。
レベル1に戻ったスラっちは、またサクサクとレベルが上がるだろう。
強さでスラっちに追い抜かれる日も近いかもな…。
もはやスラっちも充分に戦える。
しかも、スキル:開眼があるなら、実践に投入すべきだな。俺達は、スラっちを、新しいダンジョンのラスボスに任命した。
ついでと言っちゃなんだが、俺も高レベル向けダンジョンのラスボスをやらせて貰う事にした。やっぱり戦いたいし、さすがにスラっちには負けたくないしな!
ダンジョンのラスボスが決まったところで、経験値配分だ。昨日の残りと今日の分で、結構あるはずだ。
ゼロが配分してくれた結果、俺たちのレベルは…
ハク:レベル27
ルリ:レベル21
ユキ:レベル20
スラっち:レベル8
マーリン:レベル10
ブラウ: レベル8
…絶妙なバランスで配分してきた。気を使わせてしまったかも知れないと反省する。ラスボスとして、しっかり働いて返す事を誓う。
働くぜ!
俺がラスボスとしての決意を固めたその時だ。俺の隣にいたユキが、怪しく光り出した。ユキも唸り始め、苦しそうにしている。
「ユキ!」
ゼロが駆け寄る。
ひときわ明るい光が走ったかと思うと、そこにはユキの代わりに、ブラウよりも小さい子が立っていた。
「えへへ…変身出来た。これで…皆とお話できるね…」
えぇ~~っ!?
幻獣って、変身出来るのか!?
驚く俺達を満足そうに見て、そのままユキは気を失った。同時に姿も白いワンコに戻る。
俺達はしばし呆然としてしまった。
変身は気力なりを大量に消費するのかも知れない。しばらくはムリさせないようにしないとな…。
ユキをベッドに運び、寝かせた所で、いつものデカい声が響いた。
「よう!なんだぁ?まぁた何か増えてんじゃねぇかぁ?」
けたたましいブザーと警告アナウンスを引っさげて、カエン様の登場だ。
今日は王様や王子様との作戦会議が忙しいだろうから、来ないだろうとたかをくくっていたが…意外とマメな男だ。そうでないと、何百年も王家の守護龍なんか、務まらないのかも知れないが。
そして例のごとく、ブラウは怯えきって部屋の角にいる。
マーリンはビックリしているが、ブラウほど過剰には反応していない。やっぱり人間という種族は鈍いのかもな。
面倒なので紹介はゼロに任せ、案の定ブラウは気絶し…
なぜかマーリンは、目をキラキラさせて、「凄いですぅ~っ!火龍ですかぁ~、カッコいいですぅ~!」と感動している。鈍いって最強だな。
ブラウもベッドに運び、色々あり過ぎてすっかり遅くなってしまった晩メシを食いながら、お互いに王子様が帰ってからの事を共有する。
王子様と王様は、ユリウスと兵士長、騎士団長まで巻き込んで、どんな練兵場にするかを検討しているらしい。
俺達も、王子様が帰ってからの数時間で起こった、様々な出来事をカエンに共有する。
カエンがまず驚いたのは、ユニークチケットでゲットした、錬金釜だった。
「お前ら、とんでもないモン手に入れてるなぁ…」
呆れられた。
なんでもこの釜は、一般人は一生かかっても手に入れる事ができない、幻の逸品らしい。
普通は錬金釜と言っても、金属用、薬品用、生物用、植物用など、細かく用途が決まっていて、それ以外は入れられないし、反応しない。
でも、この釜は節操なく、何でも入れられる。なんなら、金属と薬品を合成する…という荒技までやってのける、超特級品らしい。
当たり前の話だが…失敗も多く、危険な合成、人道に反する合成が後を断たないため、今ではこの釜自体が作られておらず、幻と言われる釜なんだそうだ。
さすがに長生きしているだけあって、知識は豊富なんだな…。
しかし、その発行禁止釜、ゼロとマーリンに好きにさせとくのは、ヤバかったりしないだろうか…。
俺はついルリに目をやる。…ルリも渋い顔で首を横に振っている。
だよな。
俺とルリは、出来る限り錬金部屋を監視しようと頷きあった。
そしてもう一つ、カエンが食いついた話がある。
スラっちの進化と超ステータスだ。
もう、カエン大爆笑!
「お、お前達っ…最高…っ!何やってんだ…っ」
ひーひー言いつつ、腹を抱えて笑っている。うん、まぁ…そういう反応だろうとは、思ってたけどな。
しばらく笑っていたカエンは、涙を拭きながら立ち上がると、周りを見回す。
「そんで?そのカッチョいいスラっち君は、どこに居るんだぁ?」
あ、そういえば…。
探してみると、部屋の角で気絶していた。きっと、カエン登場に伴い気絶していたんだろう。
気付かずに可哀想な事をしてしまった。
ゴメンな、スラっち。
…と、後ろから手が伸び、スラっちを取り上げられた。
カエンは可哀想に、スラっちをボールの様に手の上で跳ねさせている。気絶中のスライムメイジに、酷い仕打ちだ。
さすがに気絶から覚めたスラっちに、カエンは一言。
「よう、スラっち。進化の褒美に、俺様が直々に火炎系魔法を教えてやるぜぇ!」
スラっちがビカビカ光る。
今夜の生徒はスラっちらしい。
その日俺は、久しぶりに気持ち良く安眠した。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる